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Google、学校がAIを拒否すると検索も失う――2027年から、ニューヨーク市長は猛反発

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年11月4日 更新
Google、学校がAIを拒否すると検索も失う――2027年から、ニューヨーク市長は猛反発

「企業が子どもたちの学び方を決める権限を持つべきではない」。

2026年11月3日、グーグルが発表した小中高校(K-12)向けの新しい方針に対し、ニューヨーク市長のゾーラン・マムダニ氏がXでこう反応しました。
発表からわずか数時間後のことです。
グーグルが明らかにしたのは、2027年初頭から学校の生徒アカウントでGeminiや検索が既定(デフォルト)でオフになるという内容でした。
わが子が通う学校がAIと検索をどう扱うかで、調べ物の授業の進め方が変わってくるかもしれません。

先に結論をまとめると:
– グーグルは2027年初頭から、K-12(幼稚園〜高校)の生徒アカウントでGemini・Gemini Notebook・検索を既定でオフにします
– 学校は個別にオンへ切り替えられますが、AIをすべて拒否した学校は検索機能そのものも失う仕組みになっていて、論争の種になっています
– ニューヨーク市長やその政権メンバーが「独占力の乱用だ」と強く批判しています

グーグルの発表直後、ニューヨーク市長が「独占」と非難

グーグルが発表したのは、GeminiやGemini Notebook、そして検索までもが、2027年初頭からK-12の生徒アカウントで既定オフになるという方針です。
学校の管理者は個別にスイッチを入れることができますが、何もしなければ生徒たちはAIも検索も使えない状態で新学期を迎えることになります。

この発表に対し、ニューヨーク市長のゾーラン・マムダニ氏も反応しました。
マムダニ氏は就任後、公立学校での生成AI利用に慎重な姿勢を取り続けてきた人物で、今回もXで次のように投稿しています。

グーグルは独占的な力を使って、公立学校にAIを押し付けようとしている。
企業が子どもたちの学び方を決める権限を持つべきではない。
公立学校は巨大テック企業の利益を伸ばすためではなく、生徒のために存在している。

ただ、グーグル側の説明を読むと、話はもう少し込み入っています。

調べて分かったこと

なぜAIを拒否すると検索まで止まるのか

グーグルの教育担当幹部は、報道向けの説明で「検索とAIは深く統合されている」と述べています。
つまり、今のGoogle検索には既にAI Overviews(検索結果にAIがまとめを表示する機能)やAI Modeが組み込まれていて、検索機能だけを取り出してAI抜きで提供することが技術的に難しいということです。
学校がAIを完全に禁止すると、生徒が検索を開いたときに学校からの案内メッセージが表示され、検索自体にアクセスできなくなるとされています。

この「AIを拒否すると検索も失う」という組み合わせが発表直後から批判を集めたため、グーグル公式アカウントは同日中に補足を出しました。

本日発表した教育サービスについて補足します。
今回の発表は学校の選択肢を狭めるものではなく、広げるものです。
内容は、GeminiとGemini Notebook、検索を既定でオフにするというもので、これはK-12の学校側からもっと管理したいという要望を踏まえたものです(以下略)。

学校はどこまで自分で選べるのか

グーグルによれば、学校の管理者はGemini・Gemini Notebook・検索を1つ、2つ、またはすべて個別にオンへ切り替えられるとしています。
ただし検索をオンにした場合でも、AI OverviewsとAI Modeは検索に組み込まれたままで、これだけを個別に無効化することはできません。
「検索は使いたいが、AIの答えは見せたくない」という中間的な選択は、今のところ用意されていないことになります。

自分の子どもの学校はどうなるのか

実施は「2027年初頭」とされていますが、具体的な日付はまだ決まっていません。
学校区ごとに、いつ・どのサービスをオンにするかを個別に判断する形になるため、実際の対応は学校からの案内を確認するしかなさそうです。

この方針への批判は、マムダニ氏個人だけのものではありません。
マムダニ市政で経済開発公社(NYCEDC)会長を務めるリナ・カーン氏(連邦取引委員会の前委員長)も、Xで次のように発言しています。

グーグルは検索における独占的な地位を利用して、学校にAI導入を強いている。
これは、規制されていない独占企業に不可欠なサービスの支配を許すことの危うさを浮き立たせている。
複数の裁判所がグーグルの独占禁止法違反を認めてきた中で、今回の動きもその姿勢が変わっていないことを示している。

カーン氏はFTC委員長時代からグーグルの独占的な地位を問題視してきた人物で、現在はマムダニ市長の政権で経済政策を担っています。
つまり今回の反発は、市長個人の一言ではなく、市政のメンバーが連携して出した批判と見たほうが実態に近いでしょう。

Shiritomo編集部の考察:企業批判は「個人」より「組織」で見る

SNS上の企業批判は、発信者が有名な個人1人であっても、その人の周辺にどんな組織・人脈があるかまで見ると解像度が変わります。
今回はマムダニ氏の投稿だけなら「市長の意見表明」で終わりますが、同じ政権のカーン氏が独占禁止法の文脈で同じ論点に加わったことで、批判が「個人の感想」から「行政の立場」に格上げされました。
企業の広報・SNS担当者がこうした批判に対応する際は、発信者が単独の個人なのか、同じ組織・政権内で複数人が連動しているのかを見極めることが、炎上の広がり方を読むうえで欠かせない視点になります。

まとめ

グーグルが打ち出した学校向けのAI・検索方針は、選択の自由を広げたいという説明と、検索へのアクセスを人質に取っているという批判がかみ合わないまま、2027年初頭の実施に向けて動き出しています。
自分の子どもの学校がどちらを選ぶかは、今後の案内を待つしかなさそうです。

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