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OracleがNVIDIA依存に風穴、Google製AIチップTPUを自社クラウドで2027年提供へ

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年10月28日 更新
OracleがNVIDIA依存に風穴、Google製AIチップTPUを自社クラウドで2027年提供へ

NVIDIAのAI向け半導体が品薄・高額化を続けるなか、Oracleが対抗ではなく“同盟”に近い一手を打ちました。
2027年から、Googleが自社開発したAI専用チップ「TPU(テンソル処理装置:Googleが機械学習向けに作った専用半導体)」を、Oracleの自社クラウド「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」上で動かせるようにするという発表です。
Google自身のクラウド以外でTPUが使えるのは、これが初めてのことになります。
クラウド上でAIを動かす企業やエンジニアにとっては、使えるチップの選択肢そのものが増える話です。

先に結論をまとめると:
– OracleとGoogleが提携し、2027年からGoogle製AIチップ「TPU」をOracleの自社クラウド(OCI)で提供開始
– Google以外の大手クラウドでTPUが使えるのはこれが初めてで、NVIDIAしか選べなかった状況に変化が生まれる
– Oracleは同時にOpenAIの自社チップやCerebrasの機器も取り込み、1社の半導体に頼らない体制づくりを加速している

何が起きたのか

発表は2026年10月27日、米ラスベガスで開かれた「Oracle AI World 2026」でのことでした。
Oracle Cloud Infrastructure(OCI)が、電力・冷却・データセンター内のネットワークといった基盤を用意し、その上でGoogleのTPUを動かす仕組みです。
対応するのは学習・追加学習向けの「TPU 8t」と、推論(学習済みのAIに答えを出させる処理)向けの「TPU 8i」の2種類で、GoogleがTPUの新世代を出すたびにOracleも同日に導入できるようにするといいます。
複数年・複数ギガワット規模の大型契約で、2027年から段階的に利用規模を広げる計画です。
ただ、この発表はTPU単体の話ではありませんでした。
同じ場で、Oracleはさらに別のチップメーカーとの関係も明らかにしています。

調べて分かったこと

なぜOracleは「ライバル」のGoogle製品まで取り込むのか

Oracle AI World 2026では、TPUに加えてOpenAIが自社開発した半導体「Jalapeño」や、AI専用プロセッサメーカーCerebrasの機器もOCIに導入すると発表されました。
さらにNVIDIAとの関係も縮小するわけではなく、最新の「Vera Rubin」システムを複数ギガワット規模に拡大し、新CPU「Vera」もOCIで利用可能になっています。
つまりOracleは、NVIDIA・Google・OpenAI・Cerebrasという、本来は互いに競合する4社の製品を同じクラウドの中に並べたことになります。
狙いは単純で、顧客が自分のAIの用途に応じて最適なチップを選べるようにすることです。
学習に強いチップ、推論に強いチップ、コストを抑えたいとき用のチップと、使い分けのニーズが年々細かくなっているのが背景にあります。

NVIDIA一社に頼らない体制は、本当に広がっていくのか

実はOpenAI自身も、米テキサス州アビリーンのOCI上に組んだ10万枚超のNVIDIA製Blackwell GPUクラスターで、最新モデル「GPT-6 Astra」を学習・運用しています。
つまり最大手のAI企業でさえ、NVIDIA一本足のままGoogleやOracleとも手を組んでいる状態です。
これは「NVIDIA離れ」というより、1社に供給を依存するリスクを分散する動きと見るのが実態に近いでしょう。
AI向け半導体はここ数年、需要が供給を上回る状態が続いており、企業にとっては「どのチップを使うか」より「複数の選択肢を確保できているか」が重要になっています。
この傾向は一度の発表で終わる話ではなく、今後も各クラウド事業者が追随するかどうかが注目点になりそうです。

Shiritomo編集部の考察

今回の発表で目を引くのは、Oracleが特定のチップメーカーの代理店ではなく「AIチップの中立な売り場」としての立ち位置を選んだ点です。
AWSやMicrosoft Azureも自社製チップを持っていますが、他社製も幅広く取り込む姿勢をOracleほど鮮明に示した例は多くありません。
企業がクラウドを選ぶ基準が「どのチップが使えるか」に移りつつある今、同じ土俵で選択肢の広さを競う動きが他のクラウド事業者にも広がる可能性があります。
導入企業にとっては、特定ベンダーへの技術的な依存(ロックイン)を避けやすくなる変化とも言えそうです。

まとめ

Oracleが2027年からGoogle製TPUを自社クラウドで提供するこの発表は、単発の提携ではなく、AI向け半導体を1社に依存しない体制づくりという、業界全体の大きな流れの一部でした。

さらに深掘りしたい方へ

今回の発表の一次情報は、GoogleとOracleそれぞれの公式発表で確認できます。