2003年の名作ボードゲームをマジック生みの親が新版に、『マジカル・アスリート』は抽選12個に236件の応募
4,950円、2〜6人、プレイ時間30分。
公式サイトに並ぶ数字だけを見ると、よくある新作ボードゲームの1つに見えます。
ですが実際には、2003年に発売されて長く入手困難になっていた国産の名作を、「マジック:ザ・ギャザリング」を生み出した世界的デザイナーが調整し直した新版です。
年末年始にボードゲームを探している人にとって、何を基準に選ぶかのヒントになる1本ではないでしょうか。
先に結論をまとめると:
– 2003年に日本の出版社から発売され入手困難になっていた国産ボードゲームを、新版として復活させたのが本作
– 原作デザイナーはいしだたかし氏、海外で知られるリチャード・ガーフィールド氏はディベロップ(既存デザインの改良・再調整)を担当
– 36体の動物レーサーから4体を選び、ダイス1個で進む「すごろく」に特殊能力が絡み合うことで展開がカオスになるのが特徴
何が起きたのか
アークライトゲームズは、ボードゲーム「マジカル・アスリート」の日本語版を2026年11月6日に発売しました。
価格は4,950円(税込)、対象は2〜6人、プレイ時間は約30分、対象年齢は6歳以上です。
ゲームの骨格はシンプルです。
36体の個性的な能力を持つ動物レーサーの中から4体を選んでチームを組み、サイコロ1個を振って進む「すごろく」形式のレースを競います。
ルールの土台自体は子ども向けの双六に近いのですが、各レーサーが持つ能力同士が絡み合うことで、プレイのたびに展開が変わる仕組みになっています。
公式サイトの説明によれば、自分の手番でなくても駒が進んだり、相手と位置を入れ替えたり、同じマスに入った相手を食べてしまったりと、1手ごとに盤面がひっくり返るのが最大の特徴です。
4回のレースを行い、合計ポイントが最も高かったチームが勝利します。
ここまでの説明だけでは、「よくできた子ども向けゲームが1本出た」という印象で終わってしまいます。
実際には、このゲームには23年前からの長い経緯があります。
調べて分かったこと
なぜ2003年の作品がいま新版になったのか
「マジカル・アスリート」の原型は、2003年に日本のグランペールから発売されたボードゲームです。
デザイナーはいしだたかし氏で、当時から特殊能力の絡み合いでカオスな展開になるレースゲームとして知られていましたが、長く入手が難しい状態が続いていました。
その後、海外でカナダのズィーマンゲームズから英語版が発売され、海外のボードゲームファンの間でも知られるようになりました。
さらに近年、アメリカのCMYK社から、キャラクター数を大幅に増やしアートワークを一新した新版が発売されています。
この新版をディベロップしたのが、リチャード・ガーフィールド氏です。
今回アークライトゲームズが発売したのは、この新版を日本語化したものにあたります。
つまり「国産の名作が一度海外に渡り、手を加えられてから日本に戻ってきた」という経緯をたどった作品です。
ただ、ガーフィールド氏の関わり方には、名前だけでは伝わりにくい部分があります。
リチャード・ガーフィールド氏は何をしたのか
リチャード・ガーフィールド氏は、トレーディングカードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング」の生みの親として知られ、「キング・オブ・トーキョー」「マインドバグ」といったボードゲームのデザインでも名前が挙がる人物です。
知名度の高さから「ガーフィールドが作ったゲーム」と誤解されやすいのですが、本作のオリジナルデザイナーはあくまでいしだたかし氏です。
ガーフィールド氏が担ったのは、既存のデザインを土台にしたディベロップ(バランス調整やルールの改良を行う役割で、ゼロから設計する「デザイン」とは異なる作業です)であり、36体へのレーサー増量とアートワークの一新は、この新版づくりの過程で行われたものです。
どんなレースが展開されるのか
36体から4体を選ぶ段階で、すでに駆け引きが始まります。
相手が食べられやすい能力を持つレーサーを選ぶか、自分が進みやすいレーサーを選ぶかで、チーム編成の方向性が変わってきます。
レース本体はダイス1個を振るだけのシンプルな操作ですが、能力の発動は自分の手番だけに限りません。
他のプレイヤーの手番に便乗して動けるレーサーがいれば、盤面は毎ターン塗り替えられます。
ダイス1個というシンプルな土台に、36種類の能力を積み重ねることでカオスを生み出す設計は、原版が2003年当時から評価されていた部分でもあります。
4レースを通じて最多ポイントを稼いだチームが勝つというルールも、1回のミスで即終了にはならない救済策になっています。
今すぐ手に入るのか
発売直後の販売状況を確認すると、通販店舗ごとに差が出ています。
ボードゲーム専門店のすごろくやは、公式サイトで本作の抽選購入を受け付けていました。
執筆時点で確認できたページでは、受付個数12個に対して応募数236件と表示されており、用意された数より希望者が多い状態がうかがえます。
一方、バトンストアところころ堂の各通販ページでは、予約受付分がいずれも「SOLD OUT」と表示され、再入荷の通知登録に案内される状態でした。
確認できたのはこの3店舗の範囲に限られ、全国のボードゲーム店で同じ状況というわけではありません。
入荷数や販売方法は店舗ごとに異なるため、購入を検討している場合は、取り扱い店舗の在庫表示を個別に確認したほうが確実です。
Shiritomo GAME編集部の考察:名前より確かめるべきは「誰が何をしたか」
著名デザイナーの名前が付くと、どうしても「その人が一から作った」という印象が先に立ちます。
ですが今回のように、原作者とディベロッパーが別々にいる作品は珍しくありません。
ボードゲーム市場では近年、国内の過去作を海外のパブリッシャーが掘り起こし、知名度の高いデザイナーの手で調整し直して再発売する流れが見られます。
海外で評価を得てから日本に戻ってくる「出戻り型」のリメイクは、国内メーカー単独の再版よりも話題を作りやすい一方、誰が何を担当したかという情報が省略されがちです。
購入を検討する側としては、パッケージに並ぶ名前の順番や肩書き(デザイン/ディベロップ)を見分けておくと、作品の成り立ちを誤解せずに済みます。
また、少数生産の抽選販売や店舗ごとの入荷数限定は、ボードゲーム業界では目新しい手法ではなく、話題性のある復刻タイトルほど採られやすい販売方法です。
在庫を巡る情報は店舗間で差が大きいため、1店舗の表示だけで「手に入らない」と判断せず、複数店舗を見比べる姿勢が実用的だと考えます。
まとめ
「マジカル・アスリート」は、2003年に生まれた国産ボードゲームが、海外での改良を経て日本語版として戻ってきた1本です。
名前の知名度に目を引かれがちですが、いしだたかし氏のオリジナルをリチャード・ガーフィールド氏がディベロップしたという経緯を知ってから手に取ると、このゲームの面白さがより立体的に見えてくるはずです。
この記事で取り上げた製品
マジカル・アスリート
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さらに深掘りしたい方へ
- マジカル・アスリート|アークライトゲームズ公式サイト — 発売元による製品情報。
価格・プレイ人数・ゲームの基本ルールを確認できます - 特殊能力ありありのハチャメチャレース『マジカル・アスリート』日本語版、11月6日発売 – Table Games in the World — 原版の経緯やリチャード・ガーフィールド氏によるディベロップの背景を詳しく解説しています
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