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「売れないと75歳までに66本計画が崩れる」――元日本一ソフトウェア社長、妻に内緒で2000万円借金

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年10月23日 更新
「売れないと75歳までに66本計画が崩れる」――元日本一ソフトウェア社長、妻に内緒で2000万円借金
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「奥さんに内緒で銀行から2000万円借りてブッ込みました」。
10月22日、こんな一文から始まる投稿がXに流れてきました。
投稿主は新作ゲーム『デモンズナイトフィーバー』のプロデューサーを務める新川宗平さん。
かつて日本一ソフトウェアの社長として『ディスガイア』シリーズなどを手がけてきた人物です。
発売報告のツイートに書かれていたのは開発費の話だけでなく、自身の人生設計そのものでした。
インディー規模の新作がどんな覚悟で世に出たのかを知っておくと、この先の売れ行きのニュースも違って見えてきます。

先に結論をまとめると:
– 『デモンズナイトフィーバー』は10月22日にNintendo Switch・PS5・Steamで同時発売(価格4,950円)
– プロデューサーの新川宗平氏が開発中の予算不足を補うため、妻に内緒で銀行から2000万円を借り入れたと自ら投稿
– 「75歳までに66本のゲームを作る」という自身の目標が、この作品の売れ行き次第で崩れると発信している

何が起きたのか

発売当日、新川さんは自身のアカウントでこう投稿しました。

「売れないと75歳までに66本計画が崩れる」ので買ってほしい、という訴えは冗談めかした調子で書かれていますが、2,000万円という金額も銀行借入という手段も、投稿に書かれたとおりの事実です。
新川さんは日本一ソフトウェアで26年間働いたのち49歳で独立し、現在は合同会社スーパーニッチの代表として活動しています。
インタビュー記事によれば、53歳になった今も「生涯現役でものづくりがしたい」という思いから、75歳まで年3本ペースで新作を出し続ける計画を掲げているとのこと。
22年×3本で66本という数字は、そこから逆算されたものです。

もう一つ、ゲームのキャラクターデザインを手がけた日向悠二さんも発売を記念する投稿をしています。

投稿に添えられたキービジュアルには、学生服姿の少女と、鋭い目つきの黒ずくめの青年、その肩元で牙をのぞかせる猫のような魔物が描かれています。
制作陣自身が「頭からっぽにしてたのしんでください」と呼びかける、肩の力が抜けた雰囲気の告知です。
ただ、肝心のゲーム内容は見た目ほど軽くありません。
ではなぜ、プロデューサー自身が身銭を切ってまで世に出したかったのでしょうか。

調べて分かったこと

どんなゲームなのか

『デモンズナイトフィーバー』は、開発をドリコム、パブリッシングをアークシステムワークスが担当する育成RTA(リアルタイムアタック:クリアまでの時間を競う遊び方)シミュレーションRPGです。
公式の紹介文では「敵も味方もキルキルキル!死ねば死ぬほど強くなる」とうたわれており、仲間を犠牲にして軍団を凶悪化させる「しもべ酷使システム」が核になっています。
普通のシミュレーションRPGなら大切に育てるはずの仲間を、あえて酷使・消費して力に変えるという逆張りの設計です。
新川さん自身もインタビューで「ディスガイアと同じものは作りたくない」と語っており、代表作の延長線上ではなくゼロから新しいジャンルの常識を作ろうとした作品だとわかります。

なぜ本人が予算を肩代わりしたのか

インディー規模のスタジオが新規IPを立ち上げる際、開発途中で費用が当初の見積もりを超えることは珍しくありません。
今回のケースで注目したいのは、その不足分を外部からの追加出資や発売延期で埋めるのではなく、プロデューサー個人が銀行融資という形で引き受けた点です。
本人が「クラファンだと思って買ってください」と表現しているとおり、これは会社としての資金調達というより、新川さん個人が自分の計画に自分のお金で賭けた格好になります。
大手を離れて少人数体制で挑戦する「スーパーニッチ」という会社名そのものが、こうしたリスクの取り方を体現しているとも言えそうです。

発売後の評価はどうか

ゲームメディアの電撃オンラインは本作に8.5点のスコアを付け、全方位に毒を吐くシナリオと、王道の裏をかく「悪行」のカタルシスを評価しています。
価格はダウンロード版・パッケージ版とも4,950円(税込)で、Nintendo Switch・PS5・Steamいずれでも同額です。
プラットフォームによる値段の違いで購入を迷う必要がない設計になっています。

Shiritomo GAME編集部の考察:中小規模のSRPGが生き残る道

今回の件で興味深いのは、新作のPRにおいて「開発費の苦労話」自体がコンテンツになっている点です。
大作タイトルであれば予算の話は伏せられることが多いですが、インディーに近い規模だからこそ、開発者個人の懐事情まで含めて「応援したくなる物語」として発信できています。
これは大手パブリッシャーの看板タイトルにはなかなか真似できない強みでしょう。

一方で、プロデューサー個人が銀行融資という形でリスクを背負う構造は、裏を返せば売上が計画を下回った場合の負担も個人に集中することを意味します。
ゲーム業界では近年、クラウドファンディングや早期アクセス販売など、発売前に需要を確かめる手段が増えてきました。
今回のように発売後に本人が「売れてほしい」と直接訴える形は、ある意味でその逆を行くやり方です。
賭けに出た理由が「同じものは作りたくない」という創作へのこだわりだとすれば、売れ行きの結果がどう出るにせよ、中小規模のスタジオが独自色を貫くための一つのモデルケースになりそうです。

まとめ

『デモンズナイトフィーバー』は、仲間を酷使して戦うという逆張りの発想のSRPGであると同時に、プロデューサー個人の人生計画がかかった一本でもあります。
発売後の評価や売れ行きが、新川さんの「75歳までに66本」という目標にどうつながっていくのか、引き続き注目したいところです。

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