外注なら1億円、実際は30万円――Claude Codeで「なんでもできるやん」と驚かれた町工場の中身
「Claude」で町工場が一変——。
そんな見出しのニュースリンクが、1,875いいね・102万インプレッションを集めてXに流れてきました。
日経ビジネスが報じた、金沢市の部品メーカー「岡田研磨」の話です。
投稿を開くと、専任のエンジニアがいない町工場が、AIを使って社内システムを次々と自作しているという内容でした。
AIをオフィスの事務作業に使う話は珍しくありませんが、「外注なら1億円規模」という具体的な金額が付くと話は別です。
中小企業でAI導入を検討している人や、Claude Codeを個人で触り始めた人にとって、どこまで本当にできるのか気になる事例のはずです。
先に結論をまとめると:
– 岡田研磨(金沢市・従業員約80人)は、富士通出身の岡田雄太専務がこの1年ほどでClaude Codeを使い、業務システムを30以上自作した
– 外注すれば8,000万円〜1億円規模になると見積もられる内容を、実際にはこの1年で合計30万円ほどのAIサブスクリプション費用でまかなっている
– Xでは「なんでもできるやん」という驚きの声とともに、Claude Codeの導入手順を解説する投稿も広がっている
何が起きたのか
岡田研磨は1974年創業、建設機械向けの部品を手がける地元では名の知れたメーカーで、売上高は25億円前後と安定しています。
ソフトウェア開発の専任部隊はいません。
それでも、富士通でのキャリアを持つ岡田雄太専務が中心になり、検査成績書の作成やCO2管理など、現場で必要なシステムをこの1年でまとめて内製化しました。
外注していたら8,000万円から1億円ほどかかっていただろう、というのが専務自身の見立てです。
実際にかかっているのはこの1年で合計30万円ほどのAIサブスクリプション費用で、専任の開発チームを雇うより大幅に安く済んでいます。
この話自体は日経ビジネスが2026年7月に報じたものですが、11月に入ってから日経ビジネス自身の公式アカウントが改めて記事を紹介し、1,875いいね・102万インプレッションを集めています。
「地方の中小企業がAIを当たり前のように使いこなす時代が始まった」という投稿文からも、1社の特殊な事例ではなく時代の変化として受け止められている様子がうかがえます。
「Claude」で町工場が一変 30万円でシステム自作https://t.co/O061hyDg3W
— 日経ビジネス (@nikkeibusiness) 2026年11月6日
地方の中小企業がAIを当たり前のように使いこなす時代が始まった。大手企業よりも動きが速く、効率性や利益率では下剋上も可能だ。岡田研磨の効率化は一例に過ぎない。同時に、SaaSやSIerといった企業に変化を強いている。
ただ、30万円という金額と、1億円という外注見積もりの差があまりに大きいため、「本当にそんなことが起きているのか」と気になった人も多いはずです。
そこで、Claude Codeというツールが実際どういうものなのか、なぜ非エンジニアでも使えるのかを調べてみました。
調べて分かったこと
Claude Codeとは何か
Claude Codeは、Anthropic社が提供するAIコーディングツールです。
ターミナル(文字でコマンドを打ち込む画面)から「このファイルを直して」「このエラーを直して」のように日本語で指示すると、AIがコードを読み書きし、ファイルの編集やコマンドの実行まで自律的にこなします。
プログラミング言語を覚えていなくても、やりたいことを言葉で伝えれば作業が進む、というのが従来のプログラミングとの大きな違いです。
導入自体は難しくありません。
Claudeのアカウントを作り、有料プランに登録し、Node.js(プログラムを動かすための土台となるソフト)をインストールしてターミナルでコマンドを1つ打てば使い始められます。
Xでは、この5ステップだけを図解した投稿が1,388いいねを集め、保存推奨の投稿として広がっていました。
「Claude Code」AI1人企業の作り方
— はと (@hato_sns) 2026年11月6日
❶Claudeアカウントを作る
❷Proプランに入る(月$20)
❸Node.jsをインストール(公式サイト参照)
❹ターミナルを開く
❺この投稿の下にあるコマンドをコピペ
↓(保存推奨)
なぜ非エンジニアでも使いこなせるのか
ポイントは、Claude Codeが「コードベース全体を把握する」能力を持っていることです。
既存のシステムや過去に作ったファイルの構造を読み込んだ上で指示に応じるため、利用者は細かい実装を指定しなくても、「何に困っていて、何をしたいか」を伝えるだけで済みます。
岡田研磨の事例でも、検査成績書やCO2管理といった現場特有の業務知識を一番よく知っているのは専務自身であり、エンジニアを介さずに「業務を分かっている人」が直接システムを作れた点が効率化の決め手になったとみられます。
Claude CodeはPCのターミナルだけでなく、スマートフォンのアプリからも操作を続けられます。
Xでは、自宅のテレビの画面にClaude CodeからのSSH接続リクエストが表示された様子を撮った投稿が「なんでもできるやん」と驚きとともに広がっていました。
claude codeなんでもできるやん pic.twitter.com/RgsUOXxpTU
— ひこさん (@hikomaru) 2026年11月6日
今も同じことができるのか
Claude Codeは記事公開後も機能追加が続いており、Pro・Max・Ultraプラン向けにクラウド上で作業環境を自動保存・再利用できる「クラウドセッション」機能も加わっています。
料金体系やプラン名は変わることがあるため、実際に導入する場合は公式サイトで最新のプラン内容を確認するのが確実です。
Shiritomo編集部の考察:中小企業がAIで動きが速くなる理由
岡田研磨の事例が示しているのは、AIの性能そのものよりも「意思決定の速さ」の変化です。
大企業でシステムを導入する場合、要件定義・発注・開発・検証という工程ごとに部署や外部ベンダーを挟むため、どうしても時間とコストがかさみます。
一方、業務を一番理解している本人がAIと直接やり取りしてシステムを作れば、その工程がまるごと圧縮されます。
この構造は、中小企業がかえって大企業より機動的に動ける場面を生みます。
失敗しても作り直すコストが低いため、小さく試して直す、というサイクルを回しやすいからです。
今後は「エンジニアを雇う・外注する」に続く第三の選択肢として、現場の担当者自身がAIで小さなツールを内製する動きが、他の業種でも広がっていく可能性があります。
まとめ
1年で合計30万円ほどのAI利用料で、外注なら1億円規模になるシステムを自作した岡田研磨の事例は、Claude Codeのようなツールが専任エンジニアのいない現場でも実用段階に入っていることを示しています。