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インフルエンサーに頼んだら薬機法違反でX炎上——マンジャロ事件から学ぶSNS広告のリスク

shiritomo | AI・SNS・話題のテック情報メディア by Hashout編集部 @shiritomoAI_jp 2026年5月30日 更新
インフルエンサーに頼んだら薬機法違反でX炎上——マンジャロ事件から学ぶSNS広告のリスク

SNSで人気のインフルエンサーに商品を紹介してもらうとき、あなたは「法的なチェック」をしていますか。

2026年5月末、X上で医師や専門家たちが一斉に声を上げる出来事がありました。
きっかけは、人気キャバ嬢のゆいぴすさんが「1カ月で5kg痩せた、マンジャロ打ちな?」と投稿したこと。
マンジャロとは糖尿病の治療薬で、医師の処方が必要な医療用医薬品です。
その薬を「ダイエット効果あり」として紹介したこの投稿が、薬機法(医薬品医療機器等法)違反の疑いとしてXで大炎上しました。

さらに、この投稿の背景には、連続起業家・溝口勇児氏が出資するオンライン処方サービス「Diet Beauty」の存在がありました。
自身のYouTubeチャンネル「LAST CALL」で同サービスをスポンサーとして紹介し、ゆいぴすさんを「公式アンバサダー」に据えていたことが判明し、批判はさらに広がります。

ダイエット薬として宣伝することが問題だった理由

そもそもマンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、2型糖尿病の治療薬として承認された医薬品です。
日本では肥満症の治療薬として別の薬「ゼップバウンド」が存在しており、糖尿病薬のマンジャロをダイエット目的で使う行為は「適応外使用」にあたります。

薬機法では、医薬品の効能や効果について誇大広告・虚偽広告を行うことが禁じられており、インフルエンサーが「痩せた・打ちな?」と体験談として発信するだけでも、広告・宣伝とみなされる可能性があります。

専門家によると、医師でないインフルエンサーが医療用医薬品の使用を勧める行為は、薬機法に加えて医師法違反にも該当しうるとのことです。
「自己責任で使わせるならいい」という論理は、薬機法の規制対象になっている以上、通用しません。

こうした指摘を受けて、東京都薬務課はX上で複数のアカウントに対して公式警告を行いました。

「医薬品であるマンジャロを許可等なく販売等することは医薬品医療機器等法に違反します。
直ちに販売を中止して下さい」

都の薬務課がSNS上で直接リプライを送るというのは異例の対応で、その投稿にも多くの「いいね」が集まりました。

X上に広がった批判と当事者の反応

X上では医師や法律に詳しいユーザーを中心に、批判が急速に拡大しました。

溝口氏に向けて、ある利用者が「出資者として、薬機法違反の医薬品販売につながる行為はインフルエンサー含めすぐに中止するように、運営に言ってください」と投稿し、4,000いいね以上を集めました。

「まずマンジャロはダイエット薬ではないので、前提から全部間違いです」という指摘も3,200以上のいいねを集め、薬の基本的な位置づけへの誤解が広告活動によって広まっていたことへの懸念が示されています。

溝口氏は自身のXで「広告モデルでしかないゆいぴすへの批判は行き過ぎている」と弁明しましたが、「適応外使用の推奨広告は薬機法違反に抵触します」「論点をズラさないでください」という反論が相次ぎ、火に油を注ぐ結果となりました。

SNSマーケターが今すぐ確認すべきポイント

今回の炎上は、インフルエンサーマーケティングを活用する事業者全体への教訓です。
とくに健康・美容・医療周辺の商品を扱う場合、以下の点を必ず確認することが求められます。

インフルエンサーへの「体験談発信」依頼も広告扱いになる

「自分で試して効果があったから紹介した」という体験談形式であっても、企業が費用を負担したり、商品を無償提供したりしている場合は「広告・PR」として薬機法の規制対象になります。
インフルエンサー本人だけでなく、依頼した企業側にも責任が及びます。

医薬品・医療機器は特に厳しい規制がある

一般の消費財とは異なり、医薬品・医療機器の広告には薬機法上の制限があります。
効能・効果の表現、使用体験談の記載、適応外使用の推奨はすべて規制対象になり得ます。
SNSの投稿1本でも違反になることがあります。

「芸能人が使っている」だけでは免責されない

インフルエンサーを広告モデルとして起用した場合、そのインフルエンサーの発言内容を事業者がコントロールする責任が生じます。
「アンバサダー本人が自己判断で発信した」という言い訳は、監督義務という観点から通用しにくくなっています。

東京都薬務課は2025年だけで497件の警告を行っており、その75%がマンジャロを含む糖尿病治療薬に関連するものでした。
こうした行政の取り締まりが強化されている中で、SNS上の広告活動にはこれまで以上の注意が必要です。

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まとめ

「インフルエンサーに頼んで紹介してもらう」というマーケティング手法は、誰でも手軽に始められる一方で、薬機法をはじめとした法規制とのすり合わせを怠ると今回のような大炎上に直結します。
マンジャロ事件は、SNS広告の「速さ」と「法規制への理解」のギャップが可視化された出来事だったといえるでしょう。
健康・医療周辺の商品に関わるすべての人が、今一度確認すべき教訓です。