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政府公式Xアカウントが1か月でフォロワー10万人突破——内閣広報官「キャラ化戦略」はSNS運用として正解か?

shiritomo | AI・SNS・話題のテック情報メディア by Hashout編集部 @shiritomoAI_jp 2026年6月3日 更新
政府公式Xアカウントが1か月でフォロワー10万人突破——内閣広報官「キャラ化戦略」はSNS運用として正解か?

ふだん何気なくXのタイムラインを眺めていたら、見慣れないアカウントが目に入りました。
政府の内閣広報官が担当するXアカウントが、アイコンを担当者のアニメ風デフォルメイラストに変更した——というニュースです。

「政府の公式SNSって、硬い文章と公式写真しか出てこないでしょ」。
そう思っていたのですが、調べてみると話は全然違いました。
試行開始からたった1か月で、フォロワー数が10万人を突破していたんです。
企業でも達成するのに年単位かかることが多い数字を、政府機関がどうやって1か月でクリアしたのか。
気になって深掘りしてみました。

アベノマスク発案者が担当する、1100万閲覧のアカウント

このアカウントを運営しているのは、内閣広報官の佐伯耕三氏(50歳)です。
1998年に旧通商産業省(現・経済産業省)へ入省し、安倍晋三元首相の秘書官を歴任した人物で、コロナ禍の「アベノマスク(1人2枚の布マスク配布)」の発案者として知られています。
高市早苗内閣の発足後に内閣広報官に就任し、「@PressSec_JP」(現・内閣広報官 色々投稿試し中)のアカウント運営を担当しています。

アカウントは2026年5月1日から1か月間の試行としてスタートしました。
発信の内容が面白かったのは、単なる政策PR ではなく「首相の未公開写真」や「外交の舞台裏」を積極的に発信していた点です。
日韓首脳会談でのメガネ交換シーンなど、報道では伝わりにくい「生の政治」の場面が共有され、1か月の試行期間中に投稿の総閲覧数が1100万回を超えました。

そして6月2日、試行期間が終了するタイミングで、佐伯氏はこんな投稿をしています。

「中の人」をより明確にするためにアカウント名を「内閣広報官(色々投稿試し中)」に変更し、引き続き発信を続けると表明。
あわせて、アイコンが首相官邸の写真から、佐伯氏をアニメ風にデフォルメしたイラストへと変わりました。

デフォルメアイコンに賛否——「中の人」を可視化する戦略

このアイコン変更が、Xで大きな反響を呼びました。

自民党の鈴木貴子衆院議員が「アイコンに違和感を感じる投稿が散見されている」とコメントするほか、Xのユーザーからも批判的な反応が多数見られました。

一方で、SNS運用の観点から見ると、この「キャラ化戦略」には合理的な側面があります。
企業アカウントでも、担当者の人格や個性を前面に出すことでエンゲージメント(いいね・返信・シェアなどの反応率)が高まる事例は少なくありません。
「ナショナルマスコット」「中の人文化」など、日本のSNS空間では人格があるキャラクターへの親しみやすさが、フォロー・閲覧の動機になりやすいのです。

政府という「信頼ブランド」を持ちながら、「人の顔が見える」発信を組み合わせた点が、短期間でのフォロワー増加につながったと考えられます。

アベノマスク経歴が「炎上燃料」に——公式アカウントが個人の過去を可視化するリスク

一方、佐伯氏が「中の人」として前面に出ることで、もう一つの動きも生まれました。
アベノマスクの発案者としての過去経歴がXで掘り起こされ、批判投稿が1万5千件超のいいねを集めたのです。

これはSNS運用の視点から見ると、重要な教訓です。
アカウントを「キャラ化」して個人として前面に出す戦略は、エンゲージメントを高める反面、その人物の過去言動・過去の関与案件が全てアカウントの評価に紐付きます。
「担当者を顔にする」判断をする際には、担当者のパブリックイメージのリスクも含めて検討する必要があります。

「プロパガンダ」批判と信頼性のジレンマ

批判の矛先はアイコンや経歴だけではありません。
「政府が公式SNSで一方的な情報発信をすることはプロパガンダでは」という根本的な懸念の声も上がっています。

「国民に正確な情報を届ける」という政府の説明に対し、「実際は自分たちに都合のいい情報しか発信しないのでは」という疑念は、企業アカウントにも共通する課題です。
SNSのフォロワーは賢く、一方的な自己PRを続けるアカウントへの信頼は時間とともに低下することが多いです。

長期的なアカウント運用を考えれば、フォロワー数より「このアカウントが信頼できるかどうか」という評判の蓄積の方が重要かもしれません。

さらに深掘りしたい方へ

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まとめ

1か月で10万フォロワーを達成した「内閣広報官Xアカウント」の事例は、「担当者を顔にする戦略」の効果と、それに伴う個人経歴リスク・信頼性の課題を同時に見せてくれるケーススタディです。
官公庁・企業を問わず、SNS運用でキャラ化を検討する際には、数字の拡大だけでなく長期的な信頼構築も意識したい事例と言えそうです。