AppleのSiri AIがGeminiで刷新——WWDC26が示した”遅れた王者”の本気と株価急落の理由
2026年6月8日、Appleの年次開発者会議「WWDC26」が開幕しました。
Xのタイムラインを眺めていると「ついにSiriが変わった」という声と「でも株価下がってる…」という反応が交錯していて、なんだか気になって深掘りしてみました。
期待されていたSiri AI発表があったにもかかわらず、発表中にApple株が一時5%近く下落したという事実があります。
なぜ、大型アップデートが「失望」として受け取られてしまったのか——そこには単純なニュース以上の背景がありました。
GoogleのGeminiがSiriを動かす
今回の最大のポイントは、AppleがGoogleと組んで新しいSiriを作り上げたという点です。
Siri AIの基盤にはGoogleのGeminiモデルが採用されており、報道によれば1年あたり約10億ドル(約1,500億円)規模のマルチイヤー契約とのこと。
競合他社のAIに追いつくために、かつての「Googleは敵」という関係を越えた戦略的な提携です。
新しいSiriが変えるのは、スマートフォンの使い方そのものです。
これまでのSiriは「天気は?」「タイマーセット」といった単純な一問一答が中心でしたが、今回のアップデートで以下の機能が追加されます。
- 画面の内容を理解して回答:今見ているWebページや写真の内容を踏まえた質問が可能
- クロスアプリ操作:「写真を探してメールに添付して送って」といった複数アプリをまたぐ指示を一度の音声で実行
- 会話の文脈維持:前のやりとりを踏まえた連続会話が可能(一問一答からの脱却)
- 個人コンテキストの活用:メッセージや連絡先を検索して「友達の誕生日はいつ?」にも答えられる
また、iOS 27 Extensionsによって、デフォルトのAIモデルをGemini以外のサードパーティAIに切り替えることもできるようになります。

Dynamic Islandから召喚するSiri
デザイン面でも大きな変化があります。
新しいSiriはiPhoneの「Dynamic Island(ダイナミックアイランド)」を中心に体験が設計されています。
サイドボタンの長押し、あるいはウェイクワードで起動すると、Dynamic IslandにSiriのアニメーションが現れます。
質問に答えたあとは、透明なカードとして結果が表示される仕組みです。
画面を離れずにSiriが使えるため、操作の流れが途切れにくくなる設計です。
iOS 27ではSiri AI以外にも変化があります。
対応機種はiPhone 11以降で、アプリ起動が30%高速化、写真ライブラリ読み込みが70%、AirDropが80%速くなるとのこと。
ローカルで動作するLLM(端末内で完結するAIモデル)も搭載される見込みで、20Bパラメータ規模のオンデバイスAIが無料で使えるとあって、テック界隈では興奮の声が上がっています。
【今秋リリース】Apple、「iOS 27」発表 iPhoneがAI統合やパフォーマンス向上で大きく進化https://t.co/BEQMC8RAsW
— ライブドアニュース (@livedoornews) 2026年6月8日
高度なパーソナルAI「Apple Intelligence」と全く新しい「Siri AI」を中核に据えつつ、OSの基本パフォーマンスの大幅な引き上げなど、多岐にわたる進化を遂げるという。 pic.twitter.com/1tx48L87tL
iOS 27の対応機種がiPhone 11以降と判明したことで、日本のユーザーからも「まだ使える!」という安堵の声が広がりました。

iOS 27のサポート対象が発表されました。
— ギズモード・ジャパン(公式) (@gizmodojapan) 2026年6月8日
iPhone 11以降が対象.
つまりiPhone Xより以前のiPhoneは、そろそろ買い替え時ってことですね。#WWDC26 #wwdc pic.twitter.com/5GE85xMNXV
なぜ株価は下がったのか
発表直後に株価は一時5%近く下落し、時価総額で約2,300億ドル(約34兆円)が蒸発したというニュースが同時進行で流れていました。
大型アップデート発表のはずが、なぜ市場は冷たかったのでしょうか。
最大の理由として指摘されているのは「具体的なリリース日が明示されなかった」という点です。
Siri AIはベータとして2026年秋のリリースが見込まれているものの、正確な日程は不明。
Appleは2024年以降、AI対応Siriの開発遅延を繰り返してきた経緯があり、投資家は今回も「本当に使えるのか」を慎重に見極めていたようです。
テック調査会社Futurum GroupのCEO、ダニエル・ニューマン氏は「チェックボックスを埋めた感はあるが、まだ刺激が足りない」とコメント。
一方、Wedbush証券のアナリスト、ダン・アイヴス氏は「SiriとAIの本格収益化が進めば、株価はさらに75〜100ドル上乗せできる余地がある」と中長期では強気を維持しています。
もう一つの注目点は、EUでのAI機能制限です。
新しいSiri AIはEUと中国では提供されないことが明らかになりました。
EU規制対応として「欧州ユーザーには最新機能が届かない」という形を取ったAppleの判断は、「将来EUはAppleの不完全版しか使えなくなる」という議論を呼び、国際的なAI規制のあり方への問いかけへと広がっています。
これは割と示唆的な指摘でAppleですら「EUのためにAI撤廃します」ではなく「おめーのiPhoneフル機能使えねーから(笑)」で通したので、将来EUはマジで不完全版Appleと不完全版Windowsしか使えずGoogle検索もゴミなIT後進国になる可能性がある https://t.co/EuH5Ht0dce
— もみじ(Momiji) (@momiji_manjyuu) 2026年6月9日
さらに深掘りしたい方へ
- Apple公式:次世代Apple IntelligenceとSiri AIを発表(Apple Newsroom・英語)
- アップル反撃の狼煙「Siri AI」が今秋登場へ——WWDC26で語られた最新機能(Business Insider Japan)
- 次世代SiriはDynamic Islandから召喚(Gizmodo Japan)
まとめ
WWDC26のSiri AI発表は、AppleがGoogleと手を組んで本格的なAI時代へ踏み出した「宣言」でした。
株価の下落は純粋な失望というより、「本当に使えるか、秋のiOS 27リリースで証明して」という市場からの宿題のように見えます。
Dynamic Island中心の新体験が日本のユーザーにどう受け入れられるか、今秋が最初の大きな試練になりそうです。
