AIが作ったデザインが、そのままIllustratorで開ける——Codexの新機能に現場が沸いた理由
「ドキドキが止まらない。
待ってた。
この機能本当に待ってた」。
7月13日、そんな投稿がXで1,000件を超えるいいねを集めました。
話題の中心は、OpenAIのコーディングツール「Codex(コーデックス:AIがプログラムやデザインを自動生成するツール)」が搭載した新しい画像生成機能です。
AIが作ったデザイン案が、レイヤーごとに分かれた状態でIllustratorやPhotoshopに読み込める形式で書き出せるようになったといいます。
SNS運用やコンテンツ制作でAI画像を使っている人なら、「ラフを描いて終わり」だった工程がどう変わるのか、気になるところではないでしょうか。
先に結論をまとめると:
– Codexに搭載された画像生成モデル「gpt-image-2」が、背景・文字・装飾ごとに分解した編集可能なデータを書き出せるようになった
– 現場のデザイナーからは「ラフ出しが一瞬で終わる」「仕上げの主導権はプロに残る」と歓迎の声が上がっている
– 現時点で確認できる主な出力形式はPhotoshop向けのPSD(レイヤー付き画像ファイル)が中心で、Illustrator形式への対応は今後広がっていく可能性がある領域
何が起きたのか
投稿したのはXで活動するクリエイターで、Codexで作らせたチラシのデザインが、背景・文字・装飾といった要素ごとに分かれたレイヤーデータとして書き出せたことに驚いていました。

ドキドキが止まらない。
— カワイ|プロデザ|即戦力デザイナーを育成 (@CostadelsolA) 2026年7月13日
待ってた。この機能本当に待ってた!!!!!
AIで作ったデザイン、もう「1枚画像」で終わらない。今、Codexでデザインを作ったんだけど、
Illustratorで編集できるデータになった。
Photoshopでも編集できるデータになった。
背景・文字・装飾も分かれてる。… pic.twitter.com/I43WOiwb2z
これまでのAI画像生成は、1枚の完成画像を出力して終わりという使い方が中心でした。
仕上げの微調整をしようとすると、画像編集ソフトで一から要素を切り出す手間がかかっていたのです。
今回話題になっているのは、その「切り出す手間」がAI側の処理で済んでしまうという変化です。
ただ、Xの投稿だけを見ていても、どういう仕組みでレイヤーが分かれているのかまでは分かりません。
そこで、実際に何が起きているのか一次情報を確認してみました。

なぜレイヤーごとに分解できるのか?
Codexの画像生成には、OpenAIが2026年4月21日に公開した新モデル「gpt-image-2」が使われています。
米OpenAIの開発者コミュニティでの発表によれば、gpt-image-2は「本番のワークフローに耐えられる」ことを意識して設計されたモデルで、文字の描画精度やレイアウトの正確さが従来モデルより大きく向上しているとされています。
レイヤー分解の仕組みを解説する海外の技術ブログによると、gpt-image-2には「思考モード(thinking mode:AIが答えを出す前に内部で手順を整理する処理)」という機能があり、これを使うことで画像の奥行き(前景・背景といった重なり順)や透明度を数値として明示的に計算させることができるといいます。
この情報をもとにPhotoshop向けのPSD形式(レイヤーを保持したまま保存できる画像ファイル形式)へ自動的に組み立てることで、背景だけ差し替える、文字だけ直す、といった編集が最初から可能な状態でデータが出来上がる、という流れです。
「1枚絵を出力して終わり」から「編集前提のデータを出力する」への転換が、今回の話題の核心だといえるでしょう。
現場のプロはどう受け止めているのか?
この機能を実際に試したデザイナーたちの反応を見ると、単純な「時短」以上の受け止め方をしているのが印象的でした。
「AIでラフを一気に出して、そこからプロが磨き上げる」という役割分担を前向きに評価する声が目立ちます。
ラフ案を何パターンも作る作業はAIに任せ、色味や余白のバランスといった細かな判断は人間が担う、という分業がより自然になってきているようです。
一方で、現状確認できているのはPhotoshop向けのPSD形式での出力が中心で、「Illustrator形式(.ai)でそのまま開ける」という表現には、今後さらに対応が広がっていく発展途上の要素も含まれていると見た方がよさそうです。
Shiritomo編集部の考察:SNS運用者が意識すべきは「素材」から「工程」への発想転換
これまでAI画像生成ツールは、SNS運用の現場では「完成品を素早く出す道具」として使われることが多かったように思います。
ですが今回の変化が示しているのは、AIが担う範囲が「完成画像」から「編集可能な半製品」へと一歩広がったということです。
バナー広告やキャンペーン投稿のように、テキストだけ差し替えたい・季節ごとに配色を変えたいといった運用が日常的に発生する現場では、この「レイヤーごと出力」の恩恵は大きいはずです。
過去にInstagram広告のクリエイティブ量産が課題になった際も、テンプレート化とレイヤー管理の効率化が鍵になった事例がありました。
AIが生成の初期段階からレイヤー構造を意識してくれるなら、量産型のクリエイティブ運用はさらに省力化が進むでしょう。
ただし、色や配置の最終判断をAIに委ねきってしまうと、ブランドごとの世界観が均質化するリスクも同時に高まります。
運用担当者には、AIが分解してくれたレイヤーの「どこを人間が触るか」を決める設計力が、これまで以上に求められるようになりそうです。
まとめ
Codexとgpt-image-2の組み合わせは、AI画像生成を「完成品」から「編集前提の素材」へと押し広げつつあります。
プロの仕上げ工程と組み合わさることで、デザイン制作のスピードと質を両立させる動きは、今後さらに広がっていきそうです。