「直したらもっと間違いが増えた」——230万回表示されたエンジニアの愚痴が突いた急所
「協力会社がAIで資料作って、そのチェックをウチの会社してるんやが」。
IT業界で働くサニー・ネバーランドさん(@LongLegsSunny)がXに投稿したこの一文から始まる愚痴は、公開から数日で230万件を超える表示回数、1万7000件以上のいいねを集めました。
内容はシンプルです。
協力会社が生成AI(テキストや画像などを自動で作り出す人工知能)で作った資料に間違いが多く、指摘して直させても、指摘していない箇所まで勝手に書き換えられて戻ってくる。
しかもその修正版にも、また新しい間違いが混ざっている——というものです。
サニーさんはこの実態を協力会社との定例ミーティングで議題に挙げ、契約を切る可能性まで口にしたと明かしています。
「無限ループ」に共感が集中
投稿への反応で目立ったのは、「これが現実」という共感の声でした。

生成AIを使えば資料作成が速くなる、というのはよく聞く話です。
ただしサニーさんの投稿が示したのは、その裏側にある別の現実でした。
AIに修正を頼むと、指示していない部分まで書き換わってしまう。
しかも直したはずの箇所に、また別の誤りが入り込む。
この「直しても直らない」ループこそが、現場のエンジニアたちの神経を逆なでしたようです。
反応した一人はこう投稿しています。
昨日オレも会社で言ったな。
— ノーウェル / メルクーリオ (@NowellGartelt) 2026年7月7日
「AIが出してきたものの正否を判断できないような人間がAIを使うべきではない」って https://t.co/LSr6ReFTPO
「AIが出してきたものの正否を判断できないような人間がAIを使うべきではない」という指摘は、多くのリツイートを集めました。
AIそのものよりも、それを使う人間側の検証責任が問われた形です。
一方で、サニーさん自身の続報にも注目が集まりました。
そもそもAIなんか使って仕事できるわけねぇだろ
ど素人がその道のプロの足元に近づくことはできるけど
追い越すなんて絶対できないからな
だってAIの学習元なんやから
コピーがオリジナルを超えること絶対無理
限界決めてるのは本家なんやから
日進月歩で進化して成長する職人に敵うわけねーだろ https://t.co/48qJx2hiji— サニー・ネバーランド🎩Vtuber (@LongLegsSunny) 2026年7月7日
「そもそもAIなんか使って仕事できるわけねぇだろ」という強い言い回しの投稿は、最初の愚痴以上に賛否を呼び、「AIは使い方次第」派と「そもそも過信するな」派の対立を浮き彫りにしました。
なぜAIは「指摘していない箇所」まで書き換えるのか
気になって調べてみると、この現象には生成AI特有の構造的な理由があるようです。
生成AIは、修正指示を受け取ると文章全体を新しく「生成し直す」仕組みで動いています。
ピンポイントで1行だけを書き換える人間の編集作業とは異なり、指示された箇所以外の文脈も含めて丸ごと作り直すため、意図せず別の表現が変わってしまうことがあります。
さらに、AIが自信満々に事実と異なる内容を出力してしまう「ハルシネーション」のリスクも常につきまといます。
文体が整っているぶん、誤りが紛れ込んでいても気づきにくいというのが厄介な点です。
各社の研究機関が指摘するように、AIの出力は「完成品」ではなく「下書き」として扱う必要があります。
固有名詞・数値・時期といった具体的な情報ほど、人の目で個別に確認する作業が欠かせないようです。
さらに深掘りしたい方へ
Shiritomo編集部の考察
今回の一件が示しているのは、AIの「速さ」と「正確さ」を混同してはいけないという教訓ではないでしょうか。
エンゲージメントの伸び方を見ると、単なる不満の吐露よりも「あるある」として共感できる具体的な失敗談のほうが拡散されやすい傾向があります。
サニーさんの投稿が230万インプレッションまで伸びたのも、多くの現場担当者が同じ経験を心当たりとして持っていたからでしょう。
企業のSNS担当者や広報担当にとっても示唆的です。
自社の資料作成にAIを取り入れる際は、「誰が最終チェックの責任を持つか」を明確にしておかないと、今回のような信頼低下につながりかねません。
AIの出力をそのまま社外に出す前に、二重チェックの体制を整えておくことが、遠回りに見えて一番の近道になりそうです。
まとめ
生成AIによる資料作成は便利な一方、修正のたびに新しい間違いが生まれる「ループ」のリスクと隣り合わせです。
AIを使うこと自体が悪いのではなく、出力を検証する体制がないまま丸投げすることにこそ問題があるのだと、今回の一件は教えてくれています。

