「有線マウス、今どき使ってる人いる?」に203件の返信が来た理由
「今どき、有線マウス使ってる人なんているって」。
プログラマーのふもさん(@fumokmm)がXに投稿したこの一文に、200件を超える返信と80件以上の引用が集まりました。
ゼロだと思っていた「いる」の声に、投稿者本人も反応せざるを得なくなったようです。
無線化がここまで進んだ2026年に、なぜ有線マウスを使い続ける人が一定数いるのでしょうか。
パソコン周辺機器を選ぶときの参考になるよう、実際の性能差や実用面の事情を調べてみました。
先に結論をまとめると:
– 有線と無線(2.4GHzドングル式)の遅延差は、人が体感できるレベルではほぼなくなっている
– それでもプロゲーマーの多くは無線を選んでおり、有線を選ぶ理由は「速さ」より「電池切れの心配がない」「操作感に慣れている」といった実用面にある
– 有線マウスは今も数千円台の現行製品として普通に買えるため、乗り換える理由が薄い層には支持され続けている
「いないよねガール」に有線派が続々と手を挙げた
きっかけは、紫髪のキャラクターが「いないよねぇ!!?」と叫ぶ「#いないよねガール」というイラストフォーマットを使った投稿でした。
ふもさんは「今どき有線マウスを使っている人なんていないよね」という前提で投稿しましたが、実際には有線マウスを愛用しているという返信が次々と寄せられています。
元の投稿には次のような反応がついていました。

#いないよねガール
— ふも (@fumokmm) 2026年7月31日
今どき、有線マウス使ってる人なんている? pic.twitter.com/8s8YdSIgdw
引用ツイートの多くはいいね数が1〜3件程度と、いわゆる大バズではありません。
ただし、実在するユーザーが自分の使用実態を具体的に書き込んでいる点は見逃せません。
ここからは、その声の背景にある技術的な事情を掘り下げていきます。
調べて分かったこと
有線と無線、遅延の差は本当にあるのか?
「有線のほうが速い」というイメージは根強いですが、現在のゲーミング向け無線マウスは専用の2.4GHzドングル(無線受信機)を使う方式が主流で、有線とほぼ変わらない応答速度を実現しています。
ポーリングレート(マウスの位置情報をPCへ送る頻度)1000Hzでの理論上の遅延は有線・2.4GHz無線ともに約1ミリ秒前後とされ、その差は240Hzモニターの1フレーム(約4.17ミリ秒)にも満たない水準です。
ただしBluetooth接続は仕組み上どうしても遅延が大きくなりやすいため、ゲーム用途で無線を選ぶ場合は2.4GHzドングル対応モデルを選ぶのが前提になります。
プロゲーマーはむしろ無線を選んでいる?
意外に思われるかもしれませんが、eスポーツ機材の使用実態を集計する海外サイト「ProSettings」の2026年7月時点データでは、使用率上位10機種はすべて無線マウスという結果になっています。
Razer Viper V3 ProやLogitech G Pro X Superlight 2などが上位を占め、性能面だけで見れば無線が主流という状況です。
つまり、今回話題になった「有線派」は性能で有線を選んでいるというより、慣れた操作感や運用の都合を優先している人が多いと見られます。
実際、引用ツイートの中にはこんな声もありました。
おん? やるか?? やんのか???
— エイリ@ゆるゲーム配信 (@areeiri9999) 2026年7月31日
無線マウスは操作感がしっくりこないんだよねぇ https://t.co/74Ms65fStl
「無線マウスは操作感がしっくりこない」という感覚的な理由は、スペック表には出てこない部分です。
センサーの重量バランスやクリック時の伝わり方など、長年同じマウスを使ってきた人ほど無線への乗り換えに慎重になる傾向があるようです。
バッテリー切れの心配がないという実用性
無線マウスの弱点としてよく挙がるのが、バッテリー管理の手間です。
電池式・充電式問わず「思ったより早く電池が切れた」「充電を忘れて作業中に止まった」といった声はネット上のレビューでも珍しくありません。
有線であればこの心配自体が存在しないため、仕事や作業の途中でマウスが使えなくなるリスクを避けたい人には合理的な選択になります。
出張先での予備機として有線マウスを選んだという声もありました。
trackpad がですね、、、壊れるんですよ。。。出張中にmacbookの。それ以来、USB-A mouseは出張の持ち物に加わった。。。#いるよねボーイ https://t.co/ZKsl1rGjom
— なおっぴ (@naopi298) 2026年7月31日
トラックパッドの故障をきっかけに、外出時の持ち物として有線マウスを加えたという事例です。
バッテリー切れや接続不良を気にせず「差せば必ず動く」という安心感は、無線には代えがたい価値として語られています。
今も現行で買えるG300SとPS/2接続というマニアックな支持
話題の中で名前が挙がったLogicool G300S(後継のG300Srを含む)は、9個のプログラムボタンを備えた左右対称デザインの有線ゲーミングマウスで、現在も数千円台で購入可能なエントリーモデルです。
長年販売が続いているモデルであることも、「今さら買い替える理由がない」という有線派の実感を裏付けています。
さらにマニアックな例として、PS/2接続(USB以前に主流だった接続方式)を今も使っているという声も見られました。
PS/2はBIOS(PCの基本的な起動処理を担うプログラム)レベルで信号を処理する仕組みのため、キーボードであれば同時押し可能なキー数に制限がかかりにくいという特性があるとされています。
一方でPCを起動したまま抜き差しできない、対応するマザーボードが年々減っているといった制約もあり、あくまで一部の愛好者向けの選択肢と言えそうです。
Shiritomo GADGET編集部の考察
今回の一件で興味深いのは、「性能で選ぶ層」と「運用のしやすさで選ぶ層」が分かれていることです。
プロゲーマーが無線を選ぶのは操作性能を突き詰めた結果ですが、一般ユーザーの有線支持は「トラブルを避けたい」「同じものを長く使いたい」という別の軸にあります。
これはマウスに限った話ではなく、ミニPCやリモートワーク環境の普及で「複数のPCを使い分ける」人が増えていることとも関係していそうです。
メインPCは無線、サブ機や緊急用は有線、といった使い分けは、今回の引用ツイートにも実際に見られました。
周辺機器メーカーにとっても、無線化を一律に押し進めるより、こうした併用ニーズに応える低価格な有線モデルを残す判断には一定の合理性があると考えられます。
まとめ
有線マウスが選ばれ続けているのは、懐古趣味というより「電池切れがない」「操作感が変わらない」という実用面の安心感によるところが大きいようです。
無線が主流になった今だからこそ、あえて有線を選ぶという選択肢の価値が見え直されているのかもしれません。
さらに深掘りしたい方へ
有線・無線マウスの遅延やプロゲーマーの使用機材について、より詳しいデータを知りたい方は以下も参考になります。
