SNS運用Tips 読了 7 分

「バレリーさん出るまでやっちゃった」——原石160個は確定なのに、原神の診断キャンペーンが伸びない理由

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年8月15日 更新
「バレリーさん出るまでやっちゃった」——原石160個は確定なのに、原神の診断キャンペーンが伸びない理由

「バレリーさん出るまでやっちゃった😩💦」。
原神プレイヤーの投稿に添えられていた一言です。
診断結果をシェアするだけの投稿がタイムラインに次々流れてくるのに、1件ずつ見ていくといいねはほぼ1〜2件。
何十件と観測しても、この数字はほとんど動きません。
投稿数は明らかに多いのに、反応はほぼゼロ。
この落差は、SNSでキャンペーンを設計する人にとって見逃せないヒントになります。

先に結論をまとめると:
– 「#スネージナヤ職業適性テスト」は投稿数こそ多いものの、個々のいいね数は軒並み1〜2件で、実質的にバイラル(他人の共感を呼んで自然拡散すること)はしていません
– 理由は「診断結果をシェアすれば原石160個が全員に確定でもらえる」という無条件報酬型の設計にあります。
これはガチャ1回分に相当する価値ですが、報酬が確実なぶん、投稿は「義務の消化」に近くなります
– 話題性で自然拡散する設計と、報酬で投稿数だけを稼ぐ設計は別物です。
運用担当者はどちらを狙っているか、KPI(重要業績評価指標)を先に決めるべきです

何が起きたのか

原神の運営元HoYoverseは2026年8月13日から24日まで、「#スネージナヤ職業適性テスト」というWebキャンペーンを実施しています。
簡単な質問に答えると、「コロレフスキー劇場の役者」「ファデュイ オルジェイナヤ・パラタ士官」といった、新地域スネージナヤらしい職業が診断される仕組みです。
結果をシェアすると原石(ゲーム内通貨)160個が参加者全員に確定でもらえるほか、抽選で「紡がれた運命」というガチャ用アイテムが当たるチャンスもあります。

公式アカウントの告知どおり、参加は何度でも可能で、実際に「狩人」「スネージナヤエネルギー協会職員」など毎回違う職業が出るたびにシェアするプレイヤーが観測できました
たとえばこの投稿です。

「コロレフスキー劇場の役者」という診断結果を淡々と報告するだけの投稿で、いいねは2件。
フォロワーへの挨拶や感想はなく、フォーマットに沿ってハッシュタグと公式アカウントのメンションを添えるだけの構成です。
この「型」に沿った投稿が、確認できただけでも同じ密度で流れ続けていました。
ただ、投稿数の多さだけを見て「話題になっている」と判断してよいのか、実際のエンゲージメント(いいね・返信・引用などの反応)を確かめる必要があります。

調べて分かったこと

なぜ投稿は量産されるのに、いいねはほとんど付かないのか?

ハッシュタグで手動検索した投稿を見比べると、いいね数はほぼ1〜2件、リツイートやリプライは0件が大半でした。
投稿1件あたりのインプレッション(表示回数)も数十〜150程度と少なく、フォロワーの外まで届いている形跡はほとんど見当たりません
診断結果の報告というフォーマット自体が、他人にとっては「自分に関係ない情報」になりやすいことが背景にありそうです。
同じ質問に同じ選択肢で答えて出てくる結果は、見る側からすると目新しさに乏しく、共感や驚きを誘う要素が少ないのでしょう。

スネージナヤとは何か、なぜこのタイミングで診断キャンペーンなのか?

スネージナヤは、2026年8月12日に配信された大型アップデート「Ver.7.0『神に愛されぬ雪国』」で実装された新地域です。
原神の世界テイワットの北端に位置し、氷の女皇が統治する国という設定で、これまでの物語で何度も名前だけ登場してきた組織「ファデュイ」の本拠地にあたります。
新星5キャラクター「オデット」らの実装と合わせて、シリーズの中でも特に注目度の高いアップデートでした。
今回の診断キャンペーンは、その翌日にあたる8月13日から始まっており、新地域お披露目のタイミングに合わせたプロモーション施策と見てよさそうです。

再挑戦する動機がうかがえる投稿もありました。

「バレリーさん出るまでやっちゃった😩💦」というコメントとともに、「ファデュイ オルジェイナヤ・パラタ士官」という結果を報告しています。
原石は初回シェアの時点でもう確定しているはずですが、それでも特定のキャラクターが出るまで繰り返す人がいる。
これは報酬目当てというより、原神ファンの間で人気の高いキャラクター名(バレリー)が診断結果に組み込まれていることによる、コンテンツそのものへの興味に近い動機だと考えられます。

原石160個は原神プレイヤーにとってどれくらいの「価値」なのか?

原石は原神内のガチャ(祈願)や、体力にあたる「レジン」の回復に使われる基本通貨です。
ガチャ1回の抽選には原石160個、またはそれに相当する「紡がれた運命」1個が必要になります。
つまり今回の報酬は、シェアするだけでガチャ1回分がそのまま確定するという、決して小さくない金額感の還元です。
一般的な課金レートで見積もると、原石160個はおおむね300円弱の価値に相当すると考えられます。
無条件でこれだけの還元があるからこそ、投稿数そのものは着実に積み上がっていく構造になっています。

診断×シェア×報酬という手法は、原神だけの発明なのか?

診断コンテンツとシェア施策を組み合わせた手法自体は、ソーシャルゲームに限らず企業のSNSキャンペーンで広く使われています。
参加のハードルが低く、ユーザーが自然に投稿したくなる形式を作りやすいためです。
ただし、参加すれば例外なく報酬がもらえる「無条件型」と、抽選や条件達成が必要な「偶発型」とでは、生まれる投稿の性質が変わってきます。
無条件型は参加率と投稿数を安定して稼げる一方、投稿者自身の熱量が反応の薄さに表れやすい。
今回のキャンペーンは、まさにその典型例として観察できました。

Shiritomo編集部の考察:明日からやることは2つ

このキャンペーンを見て感じるのは、「投稿数が増えること」と「話題になること」は、SNS運用において別のKPIとして扱うべきだということです。
投稿数はキャンペーンの参加率を測る指標としては有効ですが、いいねやリツイートが伴わない投稿は、フォロワーの外側には届きません。
企業アカウントが同じような施策を検討する際は、まず「参加者を増やしたいのか」「参加者の外側にまで話題を広げたいのか」を先に決める必要があります。
前者なら今回のような無条件報酬型で十分機能しますが、後者を狙うなら、診断結果に「他人に見せたくなる要素」(意外性のある結果、他人と比較したくなる仕掛けなど)を仕込む設計が別途必要になるでしょう。
原石160個という金額感自体は魅力的なだけに、設計次第でもう一段階伸びる余地があった施策だと感じます。

まとめ

「#スネージナヤ職業適性テスト」は、投稿数だけを見れば盛況に見えるキャンペーンでした。
しかし実際のいいね数を確認すると、シェアは広がっても共感は広がっていないという、報酬型施策特有の姿が見えてきます。
数字の伸びをそのまま「バズっている」と読み替える前に、どの指標を見ているのかを一度立ち止まって確認する価値がありそうです。

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キャンペーンの詳細は、原神公式アカウントによる告知で確認できます。
スネージナヤ実装を含むVer.7.0の全体像は、HoYoverseの公式プレスリリースにまとまっています。