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「気づけば30時間が経とうとしていた」——そうめんメーカーが返した”仕返し”リプライの正体

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年8月21日 更新
「気づけば30時間が経とうとしていた」——そうめんメーカーが返した”仕返し”リプライの正体

「そうめんなんて10分くらいだろ」。
そう思いながら渋々作り始めたら、倉庫を開けて原料を確認し、練って、延ばして、乾燥させて、裁断して——気づけば30時間が経とうとしていた。
8月20日早朝、そんな投稿がXで1万6000件を超えるいいねを集めました。
投稿主は個人ではなく、手延べそうめんを作るメーカーの公式アカウントです。

SNS上での便乗・応酬のうまさは、企業アカウントの運用担当者にとって毎回参考になる教材です。
今回は「家庭での調理」と「そうめんそのものの製造」という、話がすれ違ったまま盛り上がった珍しい事例を掘り下げます。

先に結論をまとめると:
– 発端は「そうめん作りに1時間かかった」という家庭調理の負担を訴える投稿だった
– そうめん製造元の公式アカウントが「作る=製造」の意味で応戦し、30時間という桁違いの数字でボケた
– 会話が本来かみ合っていない”すれ違いボケ”であることが、逆に多くの人の笑いと拡散を後押しした

何が起きたのか

きっかけは、そうめんを作るのに冷蔵庫を開けて薬味を出し、麺つゆを出し、茹でて、洗い物までして「1時間もかかった」という体験談でした。
この体験談は「大げさでは」「料理初心者なら当然」といった賛否を呼びながら拡散し、手延べそうめんを製造する「白滝製麺」の公式アカウントも反応することになります。
その顛末を振り返る形で投稿されたのが、次のツイートです。

この投稿では「本来簡単に作れるお手軽メニューのはずのそうめん」を1時間かかると言われるのは「シンプルに営業妨害」だとし、「だからメーカー直々に否定してる」と、白滝製麺がすでに反応していたことを踏まえて書かれています。
では、白滝製麺は実際にどう反応したのか。
単純な訂正ではなく、もっとひねった内容でした。
そこで実際の投稿を確認してみました。

メーカーはなぜ「30時間」と返したのか?

白滝製麺の公式アカウントが投稿したのは、こちらです。

「俺は『そうめんなんて10分くらいだろ』と思いながら渋々作り始めた。
ところが、倉庫を開けて原料を確認→練る→麺を延ばす→乾燥→裁断。
気づけば30時間が経とうとしていた」。
1万6000件超のいいねを集めたこの投稿は、「そうめんを作る」という言葉を「家庭で調理する」ではなく「そうめんという食品そのものを製造する」の意味に読み替えて答えたボケです。

手延べそうめん(機械でなく職人が手で延ばして作る製法のそうめん。
乾燥・熟成に時間がかかり、コシの強さが特徴)は、完成までに丸1日以上を要するとされる製造工程です。
数字自体を単純な誇張と断じることはできず、実際の生産工程を踏まえた”ボケ”だった可能性があります。

同じアカウントは続けて、実演の写真とともにこうも投稿しています。

「『そうめんなんて10分でできる』なんて言う人に見せてやりてえな」。
家庭調理の「10分」を、今度は製造工程の実演で切り返す形です。
「作る」という一言の解釈をずらすだけで、まったく違う土俵の話にすり替えて笑いを取る、練れた自虐風の切り返しになっています。

なお、白滝製麺は過去にも「そうめん作りは重労働」という発言でネット上の議論を呼んだことがあり、今回のやり取りはその”定番ネタ”の延長線上にあるとみられます。
今回、他社が同様の投稿で参戦したかどうかは確認できておらず、断定は避けます。

Shiritomo編集部の考察:噛み合わなさは狙って作れる

このやり取りが伸びた理由は、単なる面白リプライではなく、「言葉の解釈のズレ」を自覚的に利用した点にあります。
企業アカウントが炎上や批判めいた投稿に反応するとき、正面から否定・訂正するとどうしても角が立ちます。
今回のように「別の意味」にわざとすり替えて答えることで、指摘を否定せずに笑いに転換できるわけです。

SNS運用担当者にとっての示唆は明確です。
批判的な言及に反応する際、真正面から否定するのではなく、自社の実情(今回なら「実際の製造には長い時間がかかる」という事実)を”誇張したボケ”として提示すると、防御的にならずに好意的な拡散を得られる可能性があります。
ただしこれは「そもそも自社の作業内容が笑いのネタにできるほど極端」という前提あってこそ機能する手法で、どんな企業でも真似できるわけではない点には注意が必要です。

一方でリスクもあります。
相手の投稿を茶化す形になるため、受け取り方次第では「揚げ足取り」「上から目線」と映る可能性もゼロではありません。
今回うまくいったのは、否定ではなくあくまで自虐(重労働アピール)に振り切ったことで、攻撃性を感じさせなかった点が大きいとみられます。
便乗リプライを検討する際は、笑いの矛先が相手ではなく自社に向くよう設計できているかを、投稿前に一度立ち止まって確認する価値がありそうです。

まとめ

「そうめん作りに1時間」という何気ない愚痴に、そうめん製造元が「30時間」という桁違いの数字でボケて返したことで、話は思わぬ盛り上がりを見せました。
かみ合わないやり取りをあえて成立させる切り返しは、企業アカウントの”防御的でない反論”の好例と言えそうです。

さらに深掘りしたい方へ

企業アカウントのユーモアを交えた対応事例は、今後も本メディアで随時取り上げていきます。