「#リプでやる」がXで数千件超えの大流行——フォロワーとの往復リプライがバズる本当の理由
朝起きてXを開いたら、通知が止まらない体験をしたことはありませんか。
2026年6月22日の早朝5時頃から、Xで「#リプでやる」というハッシュタグを使った参加型テンプレートが一気に広がりました。
投稿者がシンプルなリストを貼り付けるだけで、フォロワーから次々とリプライが届き続けるあの感覚。
「絡みの少なかった人から返事がきた」「久しぶりにXが楽しくなった」という声がタイムラインを埋め尽くしています。
気になって調べてみると、この現象の裏にはXアルゴリズムの根本的な変化があることがわかりました。
「なぜ今この形式がバズるのか」を、SNS運用者の目線でひもといてみます。
「#リプでやる」ってどんな参加型フォーマット?
仕組みはシンプルです。
投稿者が「好感度(0〜100)」「勝手に呼んでる呼び名」「第一印象」「リアルで会える?」などの質問リストを一枚のポストに並べ、最後に「#リプでやる」とつけて投稿します。
フォロワーはそのポストにリプライして各項目を答えるだけ。
返事を書いた側も投稿者側も、リプライが届くたびに通知が届くので、自然と往復の会話が生まれる構造になっています。
バリエーションも豊富です。
「告白されたらどうする?」「家に泊まれる?」などプライベートな設問を加えたものや、ゲームの「好きなキャラは?」「プレイスタイルは?」といったコミュニティ特化型のものまで、参加者が自由にカスタマイズしながら広がっています。
「絡みの少ない人や初見さんも歓迎」という空気が醸成されるのも、このフォーマットの特徴です。
テンプレートが広まりやすい理由のひとつは、「答えるだけで参加できる」という低い参入ハードルにあります。
自分でゼロから話題を作らなくても、質問に答えるだけで交流に参加できるため、発信に慣れていないユーザーも気軽に関わることができます。
6月22日朝から数千件超えの投稿が飛び交った
今回のバイラルは2026年6月22日の朝5時頃から加速し始めました。
ゲーム好きのアカウントを中心に火がついたのが最初でしたが、その後は日常系アカウント、イラスト系、育児系と、ジャンルを超えて一気に広がっていきました。
投稿数は短時間で数千件を超え、Xのトレンドにも上位表示される動きをみせています。

「通知の快楽」という言葉で参加者が表現するように、次々とリプライが届く感覚そのものが参加者を増やすループを生み出しています。
「プライバシーの線引きはどこか」という議論も一部で生まれましたが、それすらもリプライ数を押し上げる要因となり、ムーブメント全体の熱量を維持しました。
プライベートな質問項目が含まれていることで「答えた=ある程度打ち解けた」という認識を双方が共有し、その後の継続的なやり取りに発展するケースも多く見られました。
なぜ今この形式がバズるのか——Xアルゴリズム「リプライ75倍」の衝撃
この現象を理解するうえで欠かせないのが、2026年1月20日にXが公開したアルゴリズムの仕組みです。
Grokベースのトランスフォーマーモデルに移行したXの新アルゴリズムでは、各エンゲージメントに次のような重み付けがされています。
いいねを基準(1倍)とすると、リポストは約2倍、単発のリプライは約13.5倍、そして往復リプライ(会話)は約75倍のスコアが付与されます。
つまり、フォロワーとひとつ往復すれば、75枚の「いいね」に相当する評価がアルゴリズムから得られる計算になります。
「#リプでやる」が生み出すのは、まさにこの「往復リプライ」の連鎖です。
一つのポストに複数のフォロワーが返信し、投稿者がお礼や追加コメントを返すことで、次々と「75倍ポイント」が積み上がっていきます。
これが「なぜ今この形式が広まるのか」の構造的な答えです。
アルゴリズムがリプライを重視する方向にシフトしたことで、リプライを自然に引き出すテンプレート形式の参加型投稿がバズりやすい環境になっているわけです。
ただし注意点もあります。
「RTしてくれた人全員フォロー」「コメントしてくれた方にプレゼント」といったいわゆる「エンゲージメントベイト(エンゲージメント誘発を目的とした仕掛け投稿)」は、Grokによって低質なエンゲージメント誘発と判定されペナルティが課されます。
「#リプでやる」が機能する理由は、強制せず自然な交流意欲を引き出しているからであり、そこには本質的な違いがあります。

SNS運用者・マーケターが学べること
企業アカウントが「#リプでやる」をそのまま使うことは、ブランドの世界観と合わなければ逆効果になりかねません。
しかし、このフォーマットが示すバイラルの構造——「答えるだけで参加できる、往復が自然に生まれる設計」——は、ブランドのコミュニティ施策に応用できるものです。
たとえば、「あなたが最初に買った弊社商品は?」「好きな使い方を教えてください」といったリプライを促す設問型投稿は、ユーザーのUGC(ユーザー生成コンテンツ)を引き出しながら、同時にアルゴリズム上の評価も高めることができます。
重要なのは「答えやすさ」と「本音が出やすい設問設計」です。
ユーザーが考えすぎずに答えられる設問、かつ答えること自体が少し楽しい内容になっているかどうかが、リプライ数を左右します。
SocialReport編集部の考察
「#リプでやる」のバズが示しているのは、SNSの交流設計に「仕掛け」が必要な時代になったということだと思います。
かつては「いい内容を投稿すれば自然に拡散する」という考え方が機能していましたが、2026年のXはアルゴリズムが往復リプライを75倍評価する構造になっています。
つまり、コンテンツの質だけでなく、「会話が生まれやすい構造かどうか」が投稿のリーチを大きく左右するようになっています。
SocialReportのデータ分析の観点から見ると、エンゲージメント率の高い企業アカウントには、一方的な情報発信だけでなく、ユーザーが返しやすい問いかけや選択肢を含む投稿が多いという傾向があります。
「#リプでやる」が生む自然な往復会話の構造は、その設計の一つの完成形といえるかもしれません。
ただし、ブランドが同じことをする際には「ユーザーに得があるか」という視点が欠かせません。
回答することで何かを発見できる、気持ちが高まる、コミュニティへの帰属感が増すといった価値設計があってこそ、本物の往復が生まれます。
「バズらせる」ために会話を設計するのではなく、「ユーザーが自然に話したくなる場所を作る」という視点が、2026年のX運用の核心ではないでしょうか。
さらに深掘りしたい方へ
- Xで伸びない人が見落としている「リプライ75倍の法則」(note)
- 2026年2月速報 Xアルゴリズム完全攻略(キャンつく)
- X(旧Twitter)で本当に大事なのは「リプをくれるフォロワー」か「おすすめで見てるだけの人」か?
まとめ
「#リプでやる」の大流行は、SNS上の自然な交流欲求と、Xアルゴリズムのリプライ重視という構造的な変化が重なって生まれた現象です。
往復リプライがいいねの75倍のスコアを持つ時代において、「答えやすい設問設計」と「本音が引き出しやすい問いかけ」を起点にしたコミュニティ施策の価値は、これからさらに高まっていきそうです。