「許諾得てると思ってたわ」——にゅスニーカーが所ジョージ公式じゃなかった理由
「所ジョージが遊びで『にゅ』カスタム作ったのは知ってたけど、サンガッチョは所ジョージに許諾を得て製造販売してるもんだと思ってたわ」。
Xにこう投稿したユーザーには、53件のいいねと5件のリツイートが付きました。
対象は「にゅスニーカー」と呼ばれる靴です。
ニューバランスのロゴ「N」を、ひらがなの「にゅ」に変えたようなデザインで、価格は2万5000円前後とされています。
見た目のインパクトが強い分、Xでは「ニューバランスの公式コラボでは」「所ジョージさんが監修したのでは」という思い込みが繰り返し発生しています。
パロディ商品がどこまで「本家公認」に見えてしまうかは、ブランドを運用する側にとっても他人事ではないテーマです。
先に結論をまとめると:
– 「にゅスニーカー」はニューバランス・所ジョージさんとは無関係な、SANGACIOという別ブランドの独自商品です
– 発端は所さんが番組内で語った「Nを『にゅ』に変えたら面白い」という遊びのアイデアです
– SANGACIOは公式サイトで繰り返し無関係を明言していますが、誤解は今もXで再生産され続けています
何が起きたのか
きっかけは、所ジョージさんがニューバランスの「N」ロゴを「にゅ」というひらがなに置き換えて面白がる、という遊び心のある発言でした。
この発想を土台に、SANGACIOという日本の靴ブランドが「にゅ~ず」というシリーズを商品化し、実際に販売しています。
ハンドメイドの限定生産で、見た目のインパクトからXで度々話題になり、その都度「これって公式?」という反応が広がってきました。
今回話題になった投稿でも、サンガッチョは所ジョージに許諾を得て製造販売してるもんだと思ってたわという一文が、多くの人の共感を集めました。
所ジョージが遊びで「にゅ」カスタム作ったのは知ってたけど、サンガッチョは所ジョージに許諾を得て製造販売してるもんだと思ってたわ。まぁ確かに所ジョージに許諾得るのも変な話か。
— チャーメン (@chamenchamen) 2026年8月21日
「にゅ」買うのは所ジョージファンぐらいだろ、って思ってたけど、それはその通りっぽいな。 https://t.co/wiRhOJMlZ4
投稿者自身も「所ジョージに許諾を得るのも変な話か」と書き添えており、勢いのある誤解というより、パロディ商品にありがちな“なんとなくの信頼”に近い反応です。
ただ、SNS上の好意的な受け止め方とは裏腹に、ブランド側の説明を確認すると事情はもう少し込み入っています。
調べて分かったこと
SANGACIOとはどんなブランドなのか?
SANGACIOは通称「靴工房サンガッチョ」と呼ばれる日本の靴ブランドです。
2015年ごろから活動しており、既製の型を使わず一足ずつ手作業で仕上げる「袋マッケイ製法」という製法を採用していることが特徴とされています。
「にゅ~ず」はこのブランドのオリジナル商品で、以前は「にゅバランス」という、より直接的にニューバランスを連想させる名称でも呼ばれていました。
現在はこの旧称を避け、独自の名称「にゅ~ず」として展開されています。
この改称自体が、ブランド側が「本家との混同」を意識してきたことのあらわれとも読み取れます。
なぜ「公式」だと誤解されるのか?
SANGACIOの公式サイトでは、ニューバランスや世田谷ベースとは一切関係がないと明記されています。
それでもXで拡散されるたびに誤解が再燃するのは、デザインの元ネタが所さんの発言であることに加え、限定生産で入手しにくい商品ほど「知る人ぞ知る公式コラボ」に見えやすい、という構造があるためだと考えられます。
実際、Xでは肯定・否定どちらの反応も見られました。
厳しい評価をした投稿も見つかります。
サンガッチョって話を通したわけでもなく、完全無断丸パクリだったのか、それはどうしようもなく途轍もなくダサいなhttps://t.co/FPMBELhxV8 https://t.co/uAjgcyXGyX
— 🐢 🦊 🐈 (@kituneponyo) 2026年8月21日
一方で、購入者の感想には好意的な声も少なくなく、反応は一枚岩ではありません。
無許諾のオマージュ商品という立て付けそのものへの賛否と、デザインの好き嫌いが、Xの上では混ざって語られている状態のようです。
Shiritomo編集部の考察:発信元を明示しない企画のリスク
パロディ・オマージュ企画は、ゼロから作るより短期間で話題化できる反面、「発信元がどこか」を受け手が誤読するリスクを常に抱えています。
今回のケースでは、ブランド側は公式サイトで否定文を出しているものの、それがX上の会話にはほとんど届いていません。
SNS上で誤解が広がっている企業・ブランドが取れる対応は、大きく2つに分かれます。
ひとつは公式サイトの注記を充実させる従来型の対応、もうひとつは話題になっているポストそのものに直接返信して訂正する対応です。
静的な否定文はサイトを訪れた人にしか届きませんが、話題のポストへの返信は、まさに誤解している当人のタイムラインに直接届きます。
誤解の拡散スピードに追いつきたいなら、後者のほうが有効に働く場面は多いはずです。
今回のSANGACIOのように改称という手段を取るのも一つの防御策ですが、それだけでは過去の呼称で検索・言及してくる人までは防ぎきれません。
まとめ
「にゅスニーカー」は所ジョージさんの遊び心から着想を得たものの、製造・販売しているのはニューバランスとも所さんとも関係のない別ブランドの商品です。
話題性のある元ネタを使ったオマージュ企画は、面白がられるほど「公式」との境界が曖昧になりやすいことを、今回のXの反応が示しています。