「ハ・イ・チュウ」の語呂合わせが、22年目もXで愛された8月12日
「巨峰」「グレープ」「コーラ」。
8月12日、Xのタイムラインには自分の推しフレーバーを挙げる投稿が次々と流れました。
数字の「8・1・2」を「ハ・イ・チュウ」と読む語呂合わせから生まれた「ハイチュウの日」は、2026年で認定から22年目を迎えています。
台風の影響で空模様がすっきりしない地域もあった一日でしたが、甘い話題だけはよく晴れていたようです。
SNS運用に関わる人にとって、この日の盛り上がり方は「なぜ22年たっても飽きられないのか」を考える材料になります。
企業アカウントの投稿と個人ユーザーの投稿がどう重なり合ってタイムラインを作っていたのか、実際の一次情報を確認しながら見ていきます。
先に結論をまとめると:
- 「ハイチュウの日」は森永製菓が制定し、2004年に日本記念日協会へ正式登録された記念日です
- ハイチュウ自体は1975年発売のロングセラーで、今年も新フレーバーが記念日に合わせて投入されていました
- 記念日マーケティングが強いのは「メディアに取り上げられやすい」「ユーザーが自発的に語りたくなる」の2点にあります
Xで見えた「好きなフレーバーを語りたくなる」動き
森永製菓の公式サイトによると、ハイチュウの日は「ハ(8)イ(1)チュウ(2)」という語呂合わせに加え、夏休みや帰省で家族と過ごす時間が長いこの時期を、ハイチュウのおいしさで盛り上げようという狙いから2004年に制定されたとのことです。
SNS上ではこの由来自体はあまり語られず、代わりに「今日は何が好きか」というシンプルな投稿が広がっていました。

たとえば1700件以上のいいねを集めた投稿は、ぶどう・りんご・いちごの絵文字を添えて「8月12日はハイチュウの日」と一言だけ伝えるものでした。
8月12日はハイチュウの日🍇🍏🍓 pic.twitter.com/Wk0w11Q9bs
— よこやまありちゃん (@kimikun5981) 2026年8月12日
この投稿には動画も添付されており、ワンシーンには「巨峰 meets コンコード」という文字が映っていました。
ぶどう系フレーバーの組み合わせを楽しむ様子が読み取れる内容で、投稿者自身のフレーバー愛が伝わってきます。
ただ、こうした個人の投稿だけを見ていても「なぜこの記念日がここまで浸透しているのか」までは分かりません。
そこで、記念日そのものと商品の歴史を一次情報で確認してみました。
そもそもいつからある記念日なのか?
日本記念日協会のデータベースおよび森永製菓の公式リリースを確認したところ、「ハイチュウの日」は前述の通り2004年に認定・登録された記念日でした。
制定から20年以上が経過していますが、毎年新しい切り口で話題化されている点が特徴です。
2026年は「ハイチュウプレミアム<南高梅>」が7月28日に新発売され、記念日のタイミングに合わせて夏らしい酸味のあるフレーバーが投入されていました。
同じ8月12日には、複数の「今日は何の日」を紹介するアカウントが、国際青少年デーや世界ゾウの日などと並べてハイチュウの日を取り上げていました。
きょう8月12日は
— はな言葉🌷葉菜桜花子🌷新刊発売 (@hanacotoba_jp) 2026年8月11日
国際青少年デー
航空安全の日(茜雲忌)
君が代記念日
ハイチュウの日
太平洋横断記念日
配布の日
アルプスの少女ハイジの日
世界ゾウの日
誕生花はハイビスカス
花言葉「優美」 pic.twitter.com/jN3K4n4lDK
この投稿自体はハイビスカスの花言葉を紹介するイラストが添えられており、ハイチュウそのものを主題にした内容ではありません。
それでも「今日は何の日」としてハイチュウの日が定番の項目として扱われている点は、記念日としての認知が定着していることを示しています。
なぜ50年以上も定番商品でいられるのか?
ハイチュウは1975年、「森永チューレット」という商品の後継として発売されました。
発売から半世紀近くがたちますが、途中で販売が途切れた時期もあったと言われています。
1984年に発生した江崎グリコ・森永事件の影響で一時販売を中止し、1986年にスティックタイプの商品として再投入されたとする情報がありますが、この経緯については一次資料での確認が限定的なため参考情報にとどめます。
現在では海外展開も進んでおり、アメリカや台湾でも販売される、日本発のソフトキャンディとしては珍しい存在になっているようです。
企業アカウントはどう便乗していたのか?
今年はセブン-イレブンでも動きがありました。
7月30日から8月12日にかけて、対象のハイチュウ9種・ラムネ3種の中から3個を購入すると、映画とのコラボによるオリジナルドアプレートがもらえるキャンペーンが実施されていたようです。
ハイチュウの日単独の企画ではなく別作品とのコラボ企画ではありますが、キャンペーンの終了日が記念日の8月12日と重なっている点は、記念日を軸に販促の締め切りを作る手法として参考になります。
Shiritomo編集部の考察:語呂合わせ記念日は「自社ハッシュタグ」より強い
記念日マーケティングが機能しやすい理由は、企業の自主的なキャンペーンと違い、記念日そのものがすでに世の中の「今日は何の日」文化に組み込まれている点にあります。
日本記念日協会に認定された記念日は、カレンダーアプリや「今日は何の日」系アカウントに自動的に取り上げられやすく、企業が広告費をかけずとも母数の大きい露出を得られます。
今回のハイチュウの日でも、商品と無関係な「今日は何の日」アカウントが自然に取り上げていたのは象徴的でした。
SNS担当者への示唆は2つです。
1つは、自社に関連する記念日がすでに登録されているかを確認し、投稿カレンダーに組み込んでおくこと。
もう1つは、記念日単体で終わらせず、セブン-イレブンの事例のように「期間限定キャンペーンの締め切り」として記念日を使うことです。
投稿だけで完結させず、オフラインの購買行動と接続させることで、話題化と売上の両方に効かせられる可能性が高まります。
まとめ
ハイチュウの日は、語呂合わせという単純な仕掛けながら、22年かけてユーザーの自発的な投稿を引き出す文化として定着していました。
記念日そのものの強さと、それに乗る企業の販促設計の両方が噛み合っていた一日だったと言えそうです。