「漫画が作れる」――NovelAIの新モデルV5、日本語プロンプトで22キャラ同時生成の中身
「漫画が作れる(方法は模索中)」。
NovelAIの新しい画像生成モデルを試したユーザーが、Xにこう書き込んだのは8月21日の朝でした。
同じ投稿には、同じキャラクターを5パターンの角度・表情で並べた検証画像も添えられていました。
AIイラストや同人創作で日々プロンプトを組んでいる人にとって、モデルが1世代進むことは「描ける表現の幅」がそのまま広がることを意味します。
今回のアップデートで何がどこまで変わったのか、公式発表と実際に試したユーザーの声を照らし合わせて確認しました。
先に結論をまとめると:
– NovelAIは8月21日、新しい画像生成モデル「NovelAI Diffusion V5」を正式リリースしました
– 公式テストで最大22キャラクターを1枚に同時登場させられることが確認され、日本語プロンプトへの対応や多パネル漫画生成にも対応しました
– 上位プラン「Opus」ではV5専用の利用枠が時間経過で自動回復する仕組みが採用され、通常の使い方なら上限を意識せずに使えるとされています
何が起きたのか NovelAI公式が「これまでで最も完成度の高いモデル」と発表
NovelAIの公式Xアカウントは8月21日、新モデルの登場を次のように告知しました。
NovelAI Diffusion V5 ついに登場!
— NovelAI (@novelaiofficial) 2026年8月20日
日本語対応・最大22キャラ対応・マンガ生成
すべてを底上げした、これまでで最も完成度の高い画像生成モデル pic.twitter.com/YS42K2Kgw7
投稿に添付された告知画像には、「日本語自然言語対応、商用利用可能」の文字とともに、多彩なタッチのイラストやコマ割りの漫画風カットが数十点、コラージュ状に並べられています。
単体の高精細イラストだけでなく、複数パネルで構成された漫画的な作例が目立つ点が、これまでのバージョンと違う打ち出し方に見えました。
実際にモデルを触ったユーザーの反応を追うと、告知の文言がどこまで実感として裏付けられているのかが見えてきます。
調べて分かったこと
本当にV4.5の2倍の規模なのか?
NovelAIの公式ジャーナル記事によると、V5は前モデル「V4.5」と比べて「2倍以上の規模」で、社内で268,000 B200 GPU時間をかけて学習されたとしています。
画像を内部表現するVAE(画像を圧縮・復元する処理部分)のチャンネル数も、V4.5の16から32へと倍増しました。
数字だけを見ると単純な拡大に見えますが、公式は合わせて「自然言語理解の向上」も強調しており、タグの羅列ではなく、日本語の文章でそのまま指示を書けるようになった点が今回の目玉のひとつです。
日本語対応は「日本語テキストの書き起こしを使った学習」に裏付けられているとされ、中国語やドイツ語なども動くもののばらつきが出るとしています。
22キャラの漫画は本当に描けるのか?
公式テストでは「最大22人の異なるキャラクターを画面に同時登場させられた」と報告されています。
加えて、これまで2コマ程度が限界だった複数パネル生成が、ページ単位でまとめて生成できるようになったとのことです。
この検証を個人で行っていたのが、以下のユーザーです。
NovelAI V5が正式に公開されたため、
— 人定@人外娘専用アカウント (@ninJoMonster115) 2026年8月20日
現在試行中🦈
・下画像最大トークン数1471(V4.5の数倍)
・最大人物プロンプト登録数22名
・文字の安定性向上
・漫画が作れる(方法は模索中)
・精密参照は現時点で不可能 pic.twitter.com/CsuC1XjDiY
添付された画像を見ると、黒髪でサメを思わせる耳・ヒレ・尾を持つキャラクターが、白シャツに紺のプリーツスカートという同じ服装のまま、表情や角度を変えて5パターン並べられています。
もう1枚では同じキャラクターが水色の衣装に着替え、海中を泳ぐカットとビーチで手を振るカットが「Aloha!」という吹き出しつきで1枚にまとめられており、複数の場面をひとつの画像に収める多パネル的な生成の様子がうかがえました。
投稿者自身は「下画像最大トークン数1471(V4.5の数倍)」「最大人物プロンプト登録数22名」「文字の安定性向上」といった数値を挙げつつ、「精密参照は現時点で不可能」とも書いており、キャラクターの見た目を寸分違わず固定する機能まではまだ実現していないようです。
Opusプランなら無制限に使えるのか?
NovelAIの上位プラン「Opus」(月額制のサブスクリプション)では、V5の生成に専用の利用枠が設定されています。
この枠は時間の経過とともに自動で回復する「バッテリー」のような仕組みで、空の状態からフル回復するまでにおよそ1週間かかるとされています。
公式は「通常の使い方であれば、ほとんどの場合上限に達することはない」としており、Opus以外のプランでも、保有する課金ポイント「Anlas」を消費すればV5を利用できます。
枠を使い切った場合は、画像サイズに応じてAnlasを消費する従来の課金方式に切り替わる仕組みです。
Shiritomo編集部の考察:同人創作の「量産」がさらに進む
今回のアップデートで注目したいのは、多パネル漫画生成が実装されたことです。
同人イベントやSNS投稿でイラストを発信する個人クリエイターの間では、1枚絵より漫画形式のほうが閲覧数・保存数を稼ぎやすいと言われることがあります。
これまでは1コマずつ生成して手作業で組む必要がありましたが、ページ単位での一括生成が可能になれば、投稿の頻度自体を底上げできる可能性があります。
一方で、22キャラ同時生成や高精度な自然言語理解は、裏を返せば「量」で差別化してきたクリエイターと「質」で差別化してきたクリエイターの境界を曖昧にする変化でもあります。
SNS運用の観点では、こうしたツールの進化を追いかけるだけでなく、自分のアカウントが何を武器に見られているかを定期的に棚卸ししておくことが、これからより重要になりそうです。
まとめ
NovelAI Diffusion V5は、規模の拡大にとどまらず、日本語プロンプトや多パネル漫画生成といった「作り方」そのものを変える機能を伴って登場しました。
ユーザーの検証はまだ始まったばかりで、キャラクターの精密な参照など未解決の課題も残っていますが、AIイラスト・同人創作の裾野を広げる動きとして、今後の活用例にも注目したいところです。