「あるうちに行きましょう」――しまむら奥のゲームコーナー、before/afterに1.8万いいねが集まった理由
「みなさんゲームコーナーはあるうちに行きましょう……」。
そう添えられた1件の投稿には、before/after形式の2枚の写真が並んでいました。
片方には懐かしいUFOキャッチャーやパトカーを模した乗り物型ゲーム機が並ぶ売り場、もう片方には同じ場所にメンズ衣料の陳列棚がびっしり並ぶ光景。
しまむらの店舗の片隅に残っていたゲームコーナーが姿を消した瞬間を捉えたこの投稿に、1.8万件超のいいねが集まりました。
衣料品店のはずのしまむらに、なぜゲームコーナーがあったのか。
そしてなぜ今、それが次々と姿を消しているのか。
子どもの頃に立ち寄った記憶がある人ほど気になる話題です。
先に結論をまとめると:
– しまむら店舗の一角に残っていたゲームコーナーのbefore/after写真が1.8万いいねを集め、大きな反響を呼んだ
– 同様の投稿は過去にも見られ、しまむらのゲームコーナー撤去は一部店舗で以前から進んでいた動きである
– 背景には、ゲームセンター業界全体で採算性が下がり続けているという構造的な事情がある
before/afterの1枚に映っていたもの
投稿者の@junkurege氏が投稿したのは、シンプルな呼びかけの一言と2枚の写真でした。
みなさんゲームコーナーはあるうちに行きましょう… ←before after→ pic.twitter.com/a4ZmTo0m0n
— Jun (@junkurege) 2026年8月30日
「before」側の写真には、SEGA製のUFOキャッチャーや、パトカー型の乗り物ゲーム機、ぬいぐるみが入った複数のクレーンゲーム機が所狭しと並んでいる様子が写っています。
一方の「after」側は同じ場所とは思えないほど様変わりしており、ゲーム機はすべて撤去され、代わりにメンズ向けの衣料品ラックがずらりと並んでいました。
この投稿には、レトロゲームセンターの写真収集で知られるアカウントが「🥲」の一言とともに、自身が撮影した別の施設のゲームコーナー写真を添えて引用する動きも見られました。
🥲 https://t.co/NYwiwYR4Fy pic.twitter.com/1UtTr3qeiI
— ゲーセンは行けるうちに行け@ゲーセン画像募集中! (@FM_Pro2996) 2026年8月30日
同じような「懐かしいゲームコーナーがいつの間にか消えていた」という経験をした人が、それだけ多いことがうかがえます。
しまむらにゲームコーナーがあったのはなぜ?
そもそも、なぜ衣料品チェーンのしまむらの店内にゲームコーナーが設置されていたのでしょうか。
過去の店舗訪問記録などによれば、こうしたコーナーは主に2000年代前後、大型化した郊外店舗の一角に設けられたケースが多いようです。
中心はUFOキャッチャーなどのプライズゲーム機やメダルゲーム機、子ども向けの乗り物型ゲーム機でした。
買い物に来た家族連れの子どもを飽きさせないための、いわば”待合スペース”としての役割を担っていたと考えられます。
ただ、こうしたコーナーはすべての店舗にあったわけではなく、設置されていない店舗も多数存在します。
今回話題になったのも、あくまで「一部の店舗に残っていたコーナーが撤去された」という個別の出来事です。
なぜ今、こうしたコーナーが次々と姿を消しているのか?
ゲームセンター業界全体を見ても、店舗数の減少傾向はここ10年続いています。
業界動向を伝える報道では、2020年度のアミューズメント施設数が前年度比で18.1%減少したと報じられています。
要因として挙げられているのは、スマートフォンアプリの普及や新型コロナウイルス流行による外出控えです。
こうした流れは、量販店内の小規模なゲームコーナーにとってはより厳しく働きやすいと考えられます。
単独のゲームセンターと違い、これらのコーナーは店舗全体の一角を間借りする形で運営されているためです。
収益性が下がれば、アパレル売り場など本業のスペースに転用される優先度が上がりやすい立場にあります。
実際、今回の投稿でも撤去後にはゲーム機のあった場所がそのまま衣料品ラックに置き換わっていました。
新しい業務用ゲーム機(プライズゲーム機以外の筐体)の開発・供給自体が減っているという事情も、老朽化した機器の入れ替えを難しくしている一因と見られます。
結果として、古い筐体が動いているうちは”懐かしさ”として愛される一方、故障や契約終了のタイミングで静かに撤去されていく、という流れが起きやすい状況です。
Shiritomo GAME編集部の考察:「なくなってから気づく」施設への向き合い方
今回の投稿がこれだけ広がった理由は、写真そのものの珍しさよりも、「あるうちに行きましょう」という呼びかけの言葉が持つ切実さにあるように思います。
閉店や撤去のニュースは大きく報道されない限り気づきにくいものです。
多くの人が「気づいたらなくなっていた」という経験をしているからこそ、before/afterという分かりやすい構図に強く反応したのではないでしょうか。
ゲームに限らず、日常の風景の一部になっている小さな施設ほど、なくなる直前の告知がないまま静かに姿を消しがちです。
こうした投稿が定期的にバズる現象自体が、「気づいたら消えていた」を防ぐための、SNSならではのアーカイブ機能を果たしているとも言えそうです。
まとめ
しまむら店内に残っていたゲームコーナーのbefore/after写真は、単なる懐古ではなく、ゲームセンター業界全体が抱える採算性の課題を映し出す1枚として多くの共感を集めました。
まだコーナーが残っている店舗も、いつまでもその姿があるとは限らなさそうです。