『ウィッチャー4』はgamescomに出ないのに、Xで歓声が上がった理由
「待つだけの価値はある」。
CD PROJEKT REDの共同CEO、ミハウ・ノヴァコフスキ氏は動画の中でそう言い切りました。
ドイツで開催されるゲーム見本市「gamescom 2026」を目前に控えたタイミングで公開された、この短い動画。
中身は新作『ウィッチャー4』の発売日ではなく、あくまで「2028年」という目標時期の共有でした。
普段は新作情報を心待ちにするファンが集まるこの時期に、あえて「まだ見せられない」と発表する。
ゲームの続報をXで追いかけている人なら、この選択の不思議さに気づいたはずです。
なぜ今、情報を出し切らない発表をしたのか。
実際に何が公開されたのかを調べました。
先に結論をまとめると:
– 『ウィッチャー4』は2028年リリースを目標に、500名以上のチームが開発を進めています
– gamescom 2026にウィッチャー4自体は出展されず、代わりに『ウィッチャー3』の新拡張「追憶の調べ」(2027年予定)が披露されます
– Xでは「待てる」という好意的な声が目立つ一方、長期化を心配する声も混ざっています
gamescom直前に飛び込んできた「2028年」の発表
事の発端は、CD PROJEKT REDの公式アカウントが投稿した1本の動画でした。
ファミ通のXアカウントも、この発表をいち早く日本語で伝えています。
アクションRPG『ウィッチャー4』は2028年発売を目標。
gamescomを前に共同CEOが明かす
アクションRPG『ウィッチャー4』は2028年発売を目標。gamescomを前に共同CEOが明かすhttps://t.co/hj5Q5X55rO
— ファミ通.com (@famitsu) 2026年8月24日
今回のgamescomではまだ内容を見せる段階ではないものの、500名以上で開発進行中とのこと pic.twitter.com/VOdvLi1SUi
投稿にもある通り、今回のgamescomでは本編の中身を見せる段階にはまだなく、500名以上の体制で開発が進んでいることが明かされた形です。
ノヴァコフスキ氏は動画の中で「じっくり時間をかけさせてほしい。
待つだけの価値はある」とファンに語りかけ、本作を「私たちにとって最大で、最も大胆で、最も野心的なゲーム」と位置づけました。
2028年という具体的な年数が公式の口から語られたのは、今回が初めてです。
ただ、この「目標」という言葉には引っかかりも残ります。
そこで、なぜ今2028年なのか、gamescomでは結局何が見られるのかを一次情報から確かめてみました。
なぜ2028年まで待つ必要があるのか?
『ウィッチャー4』は2022年に開発着手が発表され、開発コードネーム「Polaris」として進んできたタイトルです。
これまでのシリーズが自社製の「REDengine」で作られていたのに対し、本作では初めて外部エンジンの「Unreal Engine 5(アンリアルエンジン5:Epic Games社が提供する3Dゲーム開発エンジン)」を採用。
開発チームがEpic Gamesと連携し、オープンワールド(マップの区切りなく自由に探索できる広大なゲーム空間)向けにエンジンを調整してきた経緯があります。
エンジンを一から乗り換えた分、土台作りに時間がかかっているとみられます。
主人公は前作『ウィッチャー3』の主人公ゲラルトの娘にあたる剣士シリに変更されることも、2024年の発表時点で明らかにされていました。
今回公開されたコンセプトアートでも、そのシリの姿を確認できます。
獲物とみられる巨大な獣にまたがり、手にした武器を振るうシリの姿が描かれた1枚です。
The Witcher 4 | Ciri Concept Art
TheWitcher4
The Witcher 4 | Ciri Concept Art#TheWitcher4 pic.twitter.com/hbaXJIPKzb
— Shinobi602 (@shinobi602) 2026年8月24日
500名以上という開発規模は、CD PROJEKT REDにとっても過去最大級です。
「同社史上最大かつ最も野心的な作品」という位置づけは、投入している人員規模の大きさが裏付けになっているとみられ、それだけの作り込みを要するからこそ2028年という長めの目標時期になったとも言えそうです。
gamescomでは結局何が見られるのか?
では、なぜあえてこのタイミングで「情報はまだない」と発表したのか。
答えは、gamescom 2026の主役が別のタイトルにあるからです。
同イベントの「Opening Night Live」では、『ウィッチャー3』の完全新作拡張パック「追憶の調べ」の詳細が披露される予定になっています。
11年ぶりとなるこの拡張は2027年発売予定で、シリーズ古参スタッフが立ち上げたFool’s Theory社との共同開発。
ゲラルトの新たな冒険が描かれ、ウィッチャー4への「橋渡し」的な位置づけとも言われています。
つまり今回のgamescomは、次回作の露出よりも旧作の拡張に注目を集める場として設計されているわけです。
ファンの反応は好意的なのか?
「情報を出し切らない発表」に対して、Xの反応は総じて肯定的でした。
中でも印象的だったのが、こちらの投稿です。
「ウィッチャー3のDLCが2027年、ウィッチャー4が2028年。
最高な状況が続いてるな!」——そんな喜びの声が、1,000件を超えるいいねを集めています。
Witcher 3 DLC in 2027 and Witcher 4 in 2028 🤩
— MrMattyPlays (@G27Status) 2026年8月24日
We're eating gooooooooooooooood! https://t.co/3y2E4s2rcY
一方で、返信欄には「まだ2年以上先か」「気長に待つしかないね」といった声も見られ、待機の長さそのものへの不安が消えたわけではありません。
CD PROJEKT REDはこれまでも『サイバーパンク2077』や『ウィッチャー3』本体の発売延期を経験しており、「targeting」(目標としている)という表現には、今回もあくまで目安であるという含みが感じられます。
2028年という数字は確定した発売日ではなく、現時点での見込みにとどまる点は留意しておきたいところです。
Shiritomo GAME編集部の考察:「見せない発表」が拡散する理由
今回の投稿群で興味深いのは、最も反応を集めたのが公式アナウンス系の投稿ではなく、コンセプトアート1枚の画像投稿だったことです。
ファミ通の日本語ツイートが400いいね前後だったのに対し、シリの一枚絵は5,000件を超えるいいねを集めました。
テキストで状況を説明する投稿より、ビジュアルを一目で見せる投稿の方が、言語の壁を越えて拡散しやすいという構図が見えてきます。
もう一つ注目したいのは、CD PROJEKT RED側が「情報を出さない」ことを逆に発表の軸にした点です。
通常、企業のSNS発信は「新情報を出す」ことで話題を作ろうとしますが、今回は「まだ見せられる段階ではない」という正直な説明そのものが、誠実さとして好意的に受け止められています。
過度な期待をあおらず進捗だけを淡々と示す発信は、長期開発タイトルのファンとの関係を保つうえで、他のパブリッシャーにも参考になりそうな手法です。
まとめ
『ウィッチャー4』は2028年を目標に、500名以上の体制で開発が進められていることが明らかになりました。
gamescom 2026での主役は『ウィッチャー3』の新拡張「追憶の調べ」に譲る形となりましたが、Xでのファンの反応を見る限り、待機期間の長さよりも「作り込みへの期待」の方が上回っているようです。
