広告はKling、物語はSeedance――動画生成AI新定番2つ、使い分けの境界線

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年10月19日 更新
広告はKling、物語はSeedance――動画生成AI新定番2つ、使い分けの境界線

1人につき画像1枚と声の登録だけで、2人が出演する20秒の動画がワンテイクで出来上がる。
9月に一部ユーザーだけへ公開されたこの実験的なモデルが、10月15日に正式版「Kling 4.0」としてフルリリースされました。
一方、ByteDanceの動画生成AI「Seedance 2.5」も7月31日の発表時点で、同様の編集機能を備えたモデルとして先に公開されていました。
2つの最新モデルの仕様を比べると、得意分野の違いが見えてきます。
広告動画や短編ストーリーをAIで作ろうとしている人にとっては、どちらを選ぶかが新しい悩みどころになりそうです。

先に結論をまとめると:
– Kling 4.0は10月15日に正式リリース。
最大30秒のワンテイク生成・最大15素材の参照・10キーフレーム入力に対応
– Seedance 2.5は7月31日公開。
画像30枚・動画10本・音声10本をまとめて参照素材にできる編集力が強み
– 広告や商品紹介など「安定した画づくり」はKling、連続したストーリー展開はSeedanceが向くという整理ができそうです

何が起きたのか

Kling AIを開発する快手(Kuaishou)は、現地時間10月15日(日本時間16日)に「Kling 4.0」をグローバルで正式リリースしました。
これまで一部ユーザー限定だった新モデルが、誰でも使える状態になった形です。
公式発表によると、Kling 4.0は720p・1080p・4Kの解像度に対応し、1080pと4Kでは10bit HDRの出力も可能になりました。
最大10枚のキーフレーム画像を入力に使える「マルチキーフレーム」と、画像・動画あわせて最大15素材を組み合わせられる「Omni Reference」が新機能の中心で、いずれも最大30秒のワンテイク生成に対応しています。
音声は2チャンネルのステレオ出力に対応し、対応言語には日本語も含まれています。

一方のSeedance 2.5は、ByteDanceが7月31日に公式ブログで発表し、すでに一般提供が始まっているモデルです。
最大30秒の音声付き動画をワンパスで生成できる点はKling 4.0と似ていますが、参照できる素材の種類と量に違いがあります。
公式発表によると、画像30枚・動画クリップ10本・音声クリップ10本をひとつのパスで参照素材として入力できるとされており、タイムスタンプ単位で映像・音声を指定して編集する機能も備えています。
発表時期で見るとSeedance 2.5が先行していましたが、Kling 4.0の正式リリースによって、2つのモデルの性能差が改めて比較できる状況になりました。

調べて分かったこと

何が違うのか

公式発表されたスペックを並べると、違いが見えてきます。
Kling 4.0は最大15素材の参照と10キーフレーム入力によって、人物やカメラワークの一貫性を保ったまま複雑な動きを作ることに力を入れたモデルです。
対してSeedance 2.5は画像30枚・動画10本・音声10本という、より多くの素材を一度に読み込める設計で、タイムスタンプ単位の精密な編集機能を備えています。
同じ「30秒のワンテイク生成」という土台の上で、Klingは動きの安定性と一貫性、Seedanceは素材の多さと編集の精密さに力点を置いていることが分かります。

結局、どちらを選べばいいのか

動画生成AIを選ぶときの基準は、作りたい動画の種類によって変わります。
広告や商品紹介のように「同じ人物・同じ画づくりを保ったまま短く見せる」用途では、キーフレームで細かく動きを制御できるKling 4.0の設計が活きやすいと考えられます。
一方、複数のシーンや素材を組み合わせて物語を展開したい場合は、画像・動画・音声を多く読み込めてタイムスタンプ単位で編集できるSeedance 2.5の方が自由度が高くなりそうです。
どちらも進化が速い分野なので、今回の比較がそのまま数カ月後にも当てはまるとは限りません。
新しいバージョンが出るたびに、この基準を見直す必要があるでしょう。

Shiritomo編集部の考察:ツールの選び方よりコストで決まる場面も増える

動画生成AIの機能差は年々縮まっており、今回のKling 4.0とSeedance 2.5も「できること」自体はかなり近づいています。
SNS運用や広告制作の現場でツールを選ぶときは、機能の優劣よりも生成1本あたりのコストや商用利用条件が決め手になる場面が増えているというのが実務上の実感です。
快手とByteDanceはいずれも中国発の大手テクノロジー企業で、動画生成AIの分野で競い合う構図が続いています。
この競争が続く限り、数カ月単位で「最新モデル」が入れ替わり続けることを前提に、ツールを使い捨てる発想で向き合うのが現実的かもしれません。

まとめ

Kling 4.0は10月15日の正式リリースで一貫性と動きの安定性を強化し、Seedance 2.5は7月の発表時点から素材の多さと編集の精密さで先行しています。
広告向きか物語向きかという使い分けの目安は見えてきましたが、両モデルとも進化が速いため、今後も基準の見直しが必要になりそうです。

さらに深掘りしたい方へ

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