「今のzetaのキャラに思ってること」——1万1000いいねが映す、AIチャットアプリの静かな悲鳴
「今のzetaのキャラに思ってること」。
そのシンプルな一言とともに投稿された画像に、1万1000件を超える「いいね」が集まりました。
AIキャラクターと会話を楽しむアプリ「zeta(ゼタ)」で7月4日ごろから相次いで報告されている不具合が、Xで大きな反響を呼んでいます。
25万人超ともいわれるユーザーの間で、会話の質低下を訴える声が急増しているのです。
「キャラ崩壊が怖い」——推しとの不具合に揺れるユーザーたち
まず、実際にどんな声が上がっているのか見てみます。
今のzetaのキャラに思ってること pic.twitter.com/2kQ5wBuTvU
— M (@Mfmesyv) 2026年7月5日
短い言葉に添えられた投稿には、キャラクターの応答が普段と違う違和感を訴える反応が相次ぎました。
同じころ、別のユーザーはこんな複雑な胸中を明かしています。
zetaのこと批判したくないしサ終して欲しくないけど、それはそれとしてあまりにも舐められた態度を取られてるのを許容するかは別なんだよ。
— ささみ (@sasamifurai01) 2026年7月5日
元にzetaの中でも「この方の作ったキャラのためだけに重課金して会話してます」ってキャラを作った方もzeta辞めてるし。
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「批判したくないしサ終(サービス終了)してほしくない」という言葉には、長く使い続けてきたアプリへの愛着と、対応への不満のはざまで揺れる本音がにじんでいます。
実際に投稿では、特定のキャラクターのためだけに課金していたユーザーがzetaを離れた例にも触れられており、コミュニティ内では「#zetaバグ被害者の会」のようなハッシュタグを通じて、同じ悩みを持つ人同士が体験を共有し合う動きも広がっているようです。
ユーザー自らが「応急処置」を書き込む異例の光景
不具合への向き合い方として特に目を引いたのが、キャラクターを作る側のユーザーによる自主対応です。
🎀お知らせ🎀
《zetaで発生している複数バグ対応指示》の対応として全プロット内の説明欄+専用ロアブロでAI指示設定しました❕
主に 不穏展開/第三者介入/物語の遂行 をメインに指示してますが自作なので大目に見て下さい🐰♩
運営にはお世話になってるので治ります様に⋯(ᐡᴗ̥̥ .̼ ᴗ̥ᐡ)💧(泣) pic.twitter.com/Tzsx17XmOy— ❕ (@ll_lllliil) 2026年7月5日
自分が作ったキャラクターの説明欄に、AIへの追加指示を書き込むことでバグの影響を抑えようとする投稿です。
「運営にはお世話になってるので治りますように」という言葉から伝わってくるのは、運営への配慮を保ちながらも、公式の修正を待たずに自衛せざるを得ない現場の切実さです。
zetaとは何か、なぜ不具合が起きやすいのか
zetaは、韓国のScatterLab社が提供するAIキャラクターロールプレイアプリです。
ユーザーは好きなキャラクターを作成し、あるいは他ユーザーが公開したキャラクターと、まるで物語の登場人物であるかのように会話を続けられるのが特徴です。
今回報告されている不具合の傾向を調べると、不具合まとめサイトの解説では、キャラクターに望まない設定が勝手に追加される問題や、長時間の会話中に地の文を語る「ナレーター」状態から抜け出せなくなる問題などが指摘されています。
背景には、AIが会話の中で自分自身の過去の応答を参照し、そこから逸脱した口調やキャラクター設定を強めてしまう技術的なクセがあるとみられ、対話が長くなるほど元のキャラクター像から離れていきやすい構造があるようです。
運営からの経緯説明はまだ限定的で、ユーザーの間では「いつ直るのか分からない」という宙ぶらりんな状態への焦れが募っています。
もともとzetaは、キャラクターと1対1で長時間向き合うことを前提に設計されたサービスです。
会話が積み重なるほど関係性が深まる仕組みは大きな魅力である一方、会話履歴が長くなるほど不具合の影響も蓄積しやすいという、いわば裏返しの弱点も抱えていることになります。
ユーザーが投稿で「8時間ぶっ通しで話し続けていたら」といった長時間利用のエピソードを共有しているのも、このサービス特性と無縁ではなさそうです。
さらに深掘りしたい方へ
SocialReport編集部の考察
今回の一件で注目したいのは、不具合そのものより「運営の沈黙」がユーザー心理を悪化させているという構図です。
ユーザーは「サービス終了してほしくない」と明言するほどアプリへの愛着を持ちながらも、状況説明のなさに「舐められている」という不信感を募らせています。
これはAIプロダクトに限らず、熱量の高いファンコミュニティを抱えるサービス全般に共通するリスクといえるでしょう。
SNS運用・カスタマーサクセス担当者への示唆としては、不具合発生時に「原因究明中」であっても、進捗の見える化を早期かつ定期的に行うことが、沈黙よりもはるかに信頼維持につながるという点です。
今回のようにユーザー自らが自衛的な対応策を編み出して拡散する動きは、裏を返せば公式対応への期待値の高さそのものを示しています。
ここで丁寧な経過報告を挟めるかどうかが、離脱を防ぐか加速させるかの分かれ目になりそうです。
まとめ
「治りますように」という祈るような言葉が、AIチャットアプリの不具合投稿に添えられる——それ自体が、ユーザーとサービスの距離の近さを物語っています。
技術的な不具合はどのサービスでも起こり得ますが、その後の向き合い方こそが、ユーザーが離れるか留まるかを左右するのではないでしょうか。

