7,031いいねの告知ツイートが伝えた、『本と鍵の季節』がゲームになるという知らせ
「『本と鍵の季節』が集英社ゲームズさんからゲーム化されます」。
2026年7月31日未明、作家・米澤穂信さん本人がXにそう投稿しました。
文面はわずか数行でしたが、いいね7,031件、リポスト3,232件、引用ポスト511件という反応が数時間で積み上がりました。
作家自身の告知がここまで拡散するのは、原作ファンの多さと、ゲーム化そのものへの意外感の両方が重なった結果と言えそうです。
ミステリー小説の読者にとっても、ゲームプレイヤーにとっても、初めて聞くニュースだったはずです。
先に結論をまとめると:
– 『本と鍵の季節』が集英社ゲームズより「ドラマライク アドベンチャー」としてゲーム化、2026年冬にNintendo SwitchとSteamで発売予定
– 開発はiMel株式会社、堀川次郎役に浦和希さん、松倉詩門役に梅原裕一郎さんがキャストされた
– 原作にはない、米澤穂信さんの書き下ろし新エピソード「ユーズド奇譚」が追加収録される

Xで広がった発表の反響
米澤穂信さんの告知ポストには、対応プラットフォームと発売時期に加えて「堀川次郎と松倉詩門、二人の図書委員による本と鍵の物語を、どうぞお楽しみ頂けますように!」という一文が添えられていました。
『本と鍵の季節』が集英社ゲームズさんからゲーム化されます。発売は今冬です。対応プラットフォームはNintendo Switch と Steam になります。堀川次郎と松倉詩門、二人の図書委員による本と鍵の物語を、どうぞお楽しみ頂けますように!https://t.co/wXs525lqyu
— 米澤穂信 (@honobu_yonezawa) 2026年7月31日
引用ポストの多くは、原作既読の読者からの驚きと期待の声でした。
「まさかゲームになるとは思わなかった」という反応と、「あの空気感がゲームでどう再現されるのか気になる」という反応が両方目立ちます。
ただ、告知だけでは「ドラマライク アドベンチャー」が具体的にどんなゲームなのか、ここまではまだ見えてきません。
実際に集英社ゲームズの発表ページや各ゲームメディアの報道を確認してみました。
調べて分かったこと
そもそも『本と鍵の季節』とはどんな作品なのか?
『本と鍵の季節』は米澤穂信さんが2018年に集英社から刊行した小説で、〈図書委員〉シリーズの第1作にあたります。
高校2年生の図書委員・堀川次郎が、同じく図書委員の松倉詩門と組んで、放課後の図書室に持ち込まれる小さな謎に挑む連作短編集です。
開かずの金庫やテスト問題の盗難など、日常の中の違和感を掘り下げる「日常の謎」系ミステリーとして書かれており、2022年には続編『栞と噓の季節』も刊行されています。
米澤さんといえば『氷菓』(アニメ化もされた古典部シリーズ)が広く知られていますが、こちらは別シリーズにあたります。
「ドラマライク アドベンチャー」とは何か?
集英社ゲームズの発表によると、本作は「テキストを『読む』体験と『観る』体験を融合させた」というコンセプトの新ジャンル「ドラマライク アドベンチャー」として作られています。
キャラクターデザインは原作小説のキービジュアルを手がけた丹地陽子さんが続投し、堀川次郎役を浦和希さん、松倉詩門役を梅原裕一郎さんが演じるフルボイス仕様です。
対応言語は日本語・英語・繁体字中国語・簡体字中国語で、価格やレーティングは記事執筆時点では未発表でした。
原作とどう違うのか?
最大の追加要素は、米澤穂信さんによる書き下ろし新エピソード「ユーズド奇譚」です。
既刊6編に加えてゲームオリジナルの謎が1本増える形になり、原作既読の人にとっても「読んだことのない話」が用意されていることになります。
既存エピソードをなぞるだけの映像化ではなく、原作者自身が新しい謎を書き下ろした点は、ノベルゲーム化としては珍しい待遇と言えるでしょう。
Shiritomo GAME編集部の考察:小説家がゲーム化に「自分の言葉」で立ち会う意味
出版社系ゲームレーベルによる小説のゲーム化自体は珍しくありませんが、今回注目したいのは、告知が版元や開発会社の公式アカウントではなく、原作者本人のポストから始まった点です。
原作ファンにとって「原作者が納得して送り出した企画である」という安心材料になり、7,031いいねという反応の大きさにも直結したと見られます。
もう一つ興味深いのは、書き下ろしエピソードの存在です。
他媒体展開でありがちな「原作の後追い」ではなく、原作者が新しい謎を書き下ろすことで、原作既読者にも新規の体験価値を提示している点は、他の小説原作ゲーム化を検討する版元にとっても参考になる設計ではないでしょうか。
ミステリー小説とアドベンチャーゲームは相性が良いジャンルの組み合わせであり、今後も同様の「日常の謎」系作品のゲーム化が続く可能性がありそうです。
まとめ
米澤穂信さんの一言から始まった『本と鍵の季節』のゲーム化発表は、原作ファンとゲームプレイヤー双方の関心を集めました。
書き下ろしエピソードを携えて、2026年冬にNintendo SwitchとSteamでどんな物語が描かれるのか、続報を待ちたいところです。