PDFを頼んだらGrokが「cheese…planets…」を連呼、xAIが認めた「まれなエラー」
「match it without and your they and two for planets can practical and often cheese……」。
PDFの作成を頼んだユーザーに返ってきたのは、こんな脈絡のない英単語の羅列でした。
2026年8月20日ごろから、対話AI「Grok」の一部プラン「Grok Lite」で、意味の通らない長文回答が相次いで報告されています。
AIをリサーチや文章づくりの相棒として日常的に使っている人にとって、「急に返答が壊れる」という現象は他人事ではありません。
この記事では、実際に何が起きていたのか、開発元のxAI(イーロン・マスク氏が創業したAI企業)がどう説明したのかを一次情報から整理します。
先に結論をまとめると:
– 8月20日ごろから「Grok Lite」の一部ユーザーが、PDF出力などを依頼した際に無意味な単語の羅列が延々と続く回答を受け取ったと報告
– xAIは「まれに起こる一時的な生成エラー」と説明し、新しいチャットを始めるか回答を再生成すれば通常は直ると案内した
– 米国時間8月21日時点で異常な応答はおおむね収まったとみられ、海外メディアのCNETも再現できなかった
Grok Liteで何が起きていたのか
きっかけは、PDF出力を依頼したユーザーが受け取った回答でした。
求めていた内容とは無関係に、「match it without and your they and two for planets can practical and often cheese」というような、文法も意味も成立しない英単語の連なりが延々と続くという現象です。
別のユーザーからは、強化学習(AIに試行錯誤を繰り返させて学習させる手法)に関する研究のリンクが、同じものを何度も繰り返し表示されるという報告も上がりました。
いずれも共通しているのは、頼んでいない内容が、しかも支離滅裂な形で長々と返ってくるという点です。
ふだん的確な回答を返すはずのAIが、突然こうした挙動を見せたことで、Xでは驚きや戸惑いの声、冗談交じりの反応が上がったとみられます。
ただ、そうした声だけでは、実際に何が起きていたのかまでは分かりません。
そこで一次情報を確認しました。
実際に確認された範囲はどこまでか
海外メディアの報道を確認すると、今回の不具合が確認できたのは「Grok Lite」ユーザーが、Web版のGrok.comに直接アクセスした場合に限られています。
X.com上のGrokアカウントに話しかけた場合には、同様の問題は確認されていません。
つまり「Grokというサービス全体」で起きた不具合というより、Grok Liteの特定の利用経路で発生した現象だったということになります。
セッションを更新すると改善したという報告がある一方で、複数回試しても直らなかったというユーザーもいたようです。
原因の特定までは報じられていませんが、通常の会話とは異なる出力パターンが一定期間だけ発生していたという点は、複数の報道で共通しています。
xAIはどう説明したのか
木曜朝(現地時間)、xAI・Grokの公式Xアカウントがこの件に反応しました。
要旨としては、あの支離滅裂な文章は、まれに発生する一時的な生成エラーであり、新しいチャットを始めるか回答を再生成すれば通常はすぐに直る、という説明です。
原因の技術的な仕組みまでは明かされていません。
「まれ」「一時的」という言葉を選んでいる点から、xAI側もモデル自体の恒常的な欠陥とは位置づけていないことがうかがえます。
もう直っているのか
米国時間8月21日の時点では、異常な応答はおおむね収まったとみられています。
米CNETが改めて試したところ、同様の不具合は再現できなかったと報じられました。
突発的に発生し、1〜2日ほどで沈静化したという時系列は、xAIの「一時的なエラー」という説明とも整合しています。
とはいえ、公式に技術的な原因が公表されたわけではないため、同様の現象が今後まったく起こらないと保証されたわけではありません。
Shiritomo編集部の考察:明日からやることは2つ
今回の一件が示しているのは、無料プランや軽量版のAIモデルほど、こうした「一時的な生成エラー」が起きやすい可能性があるという点です。
有料の上位モデルより計算資源が絞られていることが多く、負荷や設定変更のタイミングで挙動が不安定になりやすいと考えられます。
AIをSNS運用や記事執筆の下書きに使っている人が明日からできることは2つあります。
ひとつは、AIの出力をそのまま貼り付けず必ず一読してから使う習慣を崩さないこと。
もうひとつは、重要な作業ほど「新しいチャット」で仕切り直す癖をつけておくことです。
今回もxAI自身が復旧策として案内していた方法であり、原因不明のトラブルに遭遇したときの初動として覚えておいて損はありません。
まとめ
Grok Liteで起きた意味不明な長文回答は、xAIが「まれな一時的エラー」と説明した通り、数日で沈静化したとみられます。
ただしAIは常に安定して同じ品質を返すとは限らない、ということを改めて可視化した出来事だったと言えるでしょう。