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官公庁の公式Xが嵐にお礼を投稿したら8万いいね——政府アカウントがエンタメに乗っかるリスクとは

shiritomo | AI・SNS・話題のテック情報メディア by Hashout編集部 @shiritomoAI_jp 2026年6月1日 更新
官公庁の公式Xが嵐にお礼を投稿したら8万いいね——政府アカウントがエンタメに乗っかるリスクとは

5月31日の夜、私のタイムラインにちょっと変わった投稿が流れてきました。

「27年近くお疲れ様でした」

投稿者は内閣広報室の試行アカウント(@PressSec_JP)。
嵐が東京ドームでラストツアーのファイナル公演を開いたその日に、政府の公式SNSアカウントが感謝のメッセージを投じたのです。

26年半にわたって国民的アイドルとして活動してきた嵐が、2025年に活動終了を発表。
2026年5月31日の東京ドーム公演でその幕を閉じました。
そのタイミングを捉えて動いた政府アカウントの投稿は、SNS上で予想外の広がりを見せました。

81,634いいねと766引用に見る「賛否の温度差」

@PressSec_JP の投稿内容は、嵐が観光庁ナビゲーターや外務省親善大使として日本文化を国際発信してきた実績を挙げながら感謝を述べるものでした。

この投稿は一夜で81,634いいね、3,085,449インプレッション(投稿が表示された延べ回数)を記録。
ところが766件の引用ツイートの中身を見ると、賛否が真っ二つでした。

「嵐は真に国民的アイドルで国家行事に何度も出演しているから、国が感謝するのは自然のことなんですよ」という擁護の声がある一方、

「みんな〜!これが本当の政治利用だよ〜!」という皮肉が1万いいね超えを記録しました。

いいね数では「好意的な反応」が圧倒的多数でも、引用欄での批判が独り歩きしていく——これがSNS上の「賛否分離現象」の典型例です。

そもそも@PressSec_JPとはどんなアカウントなのか

調べてみると、@PressSec_JP は2026年5月1日から6月1日の1ヶ月限定の「試行アカウント」でした。
内閣広報官の佐伯耕三氏が「中の人」として、首相の近くから見た映像や写真を「柔軟にタイムリーに発信する」目的で開設されたものです。

試行期間のわずか1ヶ月の間にも、首相記者会見のレアカットを連投したり、産経新聞の記事を引用して「そのとおりです」と一言添えたりと、政府公式としてはかなり踏み込んだ発信を行ってきたことが報じられています。

嵐の感謝投稿は、その路線の延長にある「エンタメ寄りのソフト広報」だったと言えます。

ブランドSNSの「どこまで乗っかるか」問題

企業や官公庁のSNS担当者が常に悩むのが、話題の出来事への「便乗投稿」をどこまで許可するかという線引きです。

今回のケースで参考になる点がいくつかあります。

関係性の明示が防衛になる: @PressSec_JP の投稿は「観光庁ナビゲーター」「外務省親善大使」という実績を根拠として示しました。
単なる「話題乗っかり」ではなく、自分たちとの接点を明示することで、投稿の正当性を主張する構造になっていました。

エンゲージメントと炎上リスクは表裏一体: 81,634いいねという高エンゲージメントは、同時に「炎上の的」になりやすい土台でもあります。
注目を集めるということは、批判にもさらされるということです。

タイミングは諸刃の剣: 当日に投稿したことで話題の熱に乗れた反面、「ファンにとって特別な日に政治が入り込んでくる」という不快感を呼び込みました。

公式アカウントの「関係性」が問われる時代

政府や企業の公式SNSが、エンタメや社会現象に反応することは世界的に珍しくなくなっています。
アメリカのホワイトハウスや各省庁は早くからそうした発信を行ってきました。

ただ、日本の文脈では「政府がアイドルに言及する」こと自体への拒否感を持つ層が一定数存在します。
同じ投稿内容でも、「この組織がこのタイミングでこれを言う」という文脈次第で、受け取られ方は大きく変わります。

今回の@PressSec_JPのケースは、「なぜ自分たちが感謝する立場にあるのか」を説明することで一定の説得力を持たせていましたが、それでも批判を防ぎきれませんでした。
SNSでのブランド発信は、投稿内容の正確さよりも「この組織がこれを言うことへの納得感」が先に問われる時代なのかもしれません。

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まとめ

内閣広報室の試行アカウントが嵐の活動終了に合わせて投稿した感謝メッセージは、81,634いいねを獲得しながらも激しい賛否を呼びました。
「関係性を明示した上で乗っかる」という手法は一定の説得力を持ちましたが、公式アカウントのエンタメ便乗投稿が持つリスクと影響力の大きさを改めて示した事例だったと言えます。