「次へを押したら偽ウイルス警告で埋め尽くされた」——ニコニコ大百科の詐欺広告、ユーザー報告から即日ブロックまで
「次へ」というボタンを押した瞬間、ブラウザ全体が真っ赤な警告画面で埋め尽くされた。
5月31日の朝、そんな体験をしたユーザーがニコニコ大百科での出来事をXに投稿しました。
驚いたのはその後の展開です。
ニコニコ代表のくりたしげたか氏(@sigekun)が同日中に公式アカウントで対応を発表し、7000件を超えるいいねと感謝の声が集まったのです。
この一件、SNS運用の観点から見てもなかなか興味深い話でした。
何が起きたのか
ニコニコ大百科のページを閲覧していたhapinano氏(@hapinano)は、ページ内に「次へ」と書かれた緑色のボタン広告を見つけました。
「まさか……」と思いながらもクリックしてみると、予感通り詐欺広告でした。
ニコニコ大百科の広告にデカデカと「次へ」ってあったので「まさか……」と思いアクセスしたら案の定詐欺広告だった。 pic.twitter.com/tlNMP7Jp2c
— hapi⇒ a.k.a. hapinano (@hapinano) 2026年5月31日
ブラウザが「ウイルスに感染しました。
今すぐ対処してください」という偽の警告画面で埋め尽くされるタイプの広告で、いわゆるサポート詐欺(テクニカルサポート詐欺)と呼ばれるものです。
hapinano氏が状況を画像付きでXに投稿したところ、2000件以上のいいねを集めました。
ここで事態は動きます。
ニコニコ代表のくりたしげたか氏がそのXへの投稿を引用する形で、こう報告したのです。
ご迷惑をおかけしてすみません
該当の広告をブロックしたことをご報告します https://t.co/gTFXMtrMR9— くりたしげたか(to i)🌰ニコニコ代表の人 (@sigekun) 2026年5月31日
「ご迷惑をおかけしてすみません 該当の広告をブロックしたことをご報告します」——短い一文でしたが、この投稿は7200件以上のいいねを集め、Xには称賛のコメントが相次ぎました。
「これだからニコニコは信用できる」の意味
ユーザーからの反応は非常にポジティブなものでした。
「後手でもちゃんと対応してくれる」「ニコニコさんは信用できる」という声が並び、中には「対応の速さに感動した」というコメントも。
なぜこれほど好意的に受け取られたのでしょうか。
ポイントは、代表者が自ら・同日中に・名指しで対応したことです。
大手プラットフォームではユーザーからの問い合わせがサポートチームに回り、数日後に定型文で返信が来るパターンが多い中、今回は代表が当日に公開のXで「ブロックした」と報告しました。
透明性と即応性が、「信頼感」に直結した例と言えるでしょう。
また、被害としては「マルウェアに感染することなく、ブラウザのタブを閉じるだけで対処できた」という軽微なものでした。
これはユーザーが落ち着いて行動できたこと、そして悪意のある広告の仕組みを理解していたことが大きかったと思います。

サポート詐欺(偽ウイルス警告)の仕組み
今回出現した広告は「サポート詐欺」と呼ばれるタイプです。
日本のトレンドマイクロによると、被害が拡大しているとして注意喚起が出されています。
仕組みはシンプルです。
- 「ウイルスに感染しました」「今すぐ電話してください」という偽の警告画面をブラウザ上に表示する
- 警告音や音声メッセージで不安を煽る
- 表示された電話番号にかけると、偽のサポートセンターに繋がり、「修復費用」などを名目に金銭を要求される
最大の防御策は「閉じるだけ」です。
ページ全体が警告画面に見えても、実際にはブラウザのタブを閉じるだけで問題ありません。
絶対に表示された電話番号に電話しないことが重要です。
このような広告はニコニコ大百科に限らず、外部広告ネットワーク(Google Adsなど)を利用しているあらゆるウェブサイトで表示される可能性があります。
広告ネットワーク側が悪意ある広告主に入稿されたコンテンツを審査しきれないことが根本的な原因で、掲載サイト側が直接コントロールしにくいという難しさがあります。
SNS運用者への示唆
この一件は、運営者や企業のSNS対応として参考になる点があります。
ユーザー報告を見逃さない体制:くりたしげたか氏が報告ツイートに気づき、即対応できた背景には、代表自身がXを日常的にチェックしていることがあります。
担当チームだけでなく、経営層がユーザーの声に直接触れていることの強みが出たケースです。
公開で対応する透明性:DMや非公開対応ではなく、Xで公開してブロック完了を報告したことが、「見ている人全員への安心感」を生みました。
問題が起きたことを隠すより、素早く対応した事実を広く伝える方がブランドへの信頼につながることを改めて示しています。
さらに深掘りしたい方へ
まとめ
ニコニコ大百科での詐欺広告出現と、その後の迅速な対応は「ユーザー信頼はどう築かれるか」を考えるよいケースになりました。
問題が起きること自体は防ぎきれなくても、報告を見逃さず素早く誠実に対応することが、長期的な信頼につながります。
自社のSNS運用でも、ユーザーからの声をリアルタイムでキャッチできる体制を整えておくことの重要性を改めて感じた一件です。

