「みんなやって!!!」1万8000いいね超えのBeautyPlusビジューデコ加工、広がった理由
「beautyplusのビジューデコ加工 みんなやって!!!」――そう書かれただけの投稿に、1万8,000件を超える「いいね」と380万を超える表示回数がついています(本稿執筆時点)。
写真には、宝石のような粒がキラキラと肌や髪、着ている服にまで散りばめられていました。
投稿主のa___ya420さんは、実は同じ加工を使った別の投稿でもすでに1,700件超のいいねを集めていて、いわば”二段ロケット”のように話題が広がった形です。
SNS運用に関わる人にとっては、企業側が用意した一機能がここまで自然に拡散していく様子は、UGC(ユーザーが自発的に作るコンテンツ)を生み出す設計のヒントになりそうです。
先に結論をまとめると:
– BeautyPlusの「ビジューデコ加工」は、写真の肌・髪・小物に宝石のようなスタンプを重ねる加工で、公式が新機能として名付けたものではなく、ユーザーの間で広まった呼び方とみられます
– きっかけは投稿者a___ya420さんの1投稿(1万8,000いいね超え)で、同じ人物の先行投稿(1,700いいね超え)に続き、この投稿単体で閲覧数380万超まで伸びました
– BeautyPlusは公式ストアの説明によると世界8億人以上が使う写真加工アプリで、企業が用意した既存機能をユーザーが自分の言葉で再命名・拡散した典型的な事例といえます
「みんなやって!!!」から始まった連鎖
きっかけの投稿は、それだけを見ると呼びかけ以上の説明がありません。
ただ添えられた3枚の写真を見ると、加工の中身がすぐに伝わります。
着物姿で車内から撮った1枚は、顔の下半分を手で隠しながらリップグロスを構えるポーズで、頬や首、伸ばした腕、着物の生地にまでハート形やしずく形の色とりどりの宝石が散らされていました。
2枚目は打って変わってスイーツの写真で、抹茶ラテやチーズケーキ、クマの形のクッキーが並ぶテーブルに、同じような宝石の粒がまぶされています。
3枚目はヒョウ柄のキャップとタンクトップ姿で駅のベンチに座る一枚で、腕や肩にキラキラした粒が点々と乗っていました。
同じ加工でも「自撮り」「フード」「街中スナップ」と使われ方が幅広い。
この投稿は1,896件の引用リツイート(本文を引用した上でのリツイート)を集めていて、これは通常のリツイート数(627件)を上回る数字です。
ただ、いいねや引用の数だけでは「なぜこの加工がここまで真似されたのか」までは分かりません。
そこでBeautyPlusというアプリ自体と、ビジューデコ加工の正体を確認してみました。
調べて分かったこと
ビジューデコ加工とはそもそも何なのか?
BeautyPlusは2013年ごろに登場したとされる写真・動画編集アプリで、App Storeの説明によると世界中で8億人以上が使用しているとされています。
ただしこれはアプリの運営元(Pixocial Technology)が自ら公表している数字で、第三者機関が集計した数値ではない点には注意が必要です。
アプリには400種類以上のフィルターに加え、スタンプ・AR(拡張現実)エフェクト・ブラシなど写真を飾り付ける機能が豊富に用意されています。
一方で、公式のアプリ説明文や公式note(BeautyPlus公式アカウントが運営する情報発信サイト)を確認した限り、「ビジューデコ加工」という名称そのものの解説は見当たりませんでした。
つまりこの呼び方は、BeautyPlusが用意しているスタンプ・エフェクト機能をユーザーが組み合わせて使い、そこにユーザー自身が「ビジューデコ」という呼び名を付けて広めた可能性が高いということです。
企業が機能名を決めるのではなく、使い手側が名付けて広まる――これ自体、SNS時代らしい現象だと感じます。
なぜ今このタイミングで拡散したのか?
先行して投稿されたもう1件のツイートでは、投稿者自身が「海外SNSでバズってるらしいビジューデコ加工」と綴っていました。
海外SNSでバズってるらしいビジューデコ加工、可愛すぎない?🎀⁰BeautyPlus使っていつもの写真が一気に今っぽくなった☆キラキラ足すだけでこんなに雰囲気変わるのすごい…しばらくハマりそう📸♡#ビューティープラス #BeautyPlus #写真加工 #写真加工アプリ #bedazzled #ビジューデコ pic.twitter.com/uLoK9o6kj3
— 里寿 (@a___ya420) 2026年8月21日
この投稿には車内で手のひらや髪、肩に宝石の粒を散らした写真が1枚添えられていて、灰色のニットを着た様子が写っています。
「海外で流行している」という部分は投稿者本人の認識であり、Shiritomo編集部が海外の一次情報で裏を取れたわけではないため、そのまま事実として断定はできません。
ただ、実際に「bedazzled(宝石をちりばめる)」という英語のトレンドワードは海外の写真加工文化にたびたび登場する言葉で、似た系統の加工が国境を越えて流行するのは珍しいことではないようです。
そして、この1件目の投稿から日をおかず、同じ投稿者による2件目の投稿が先述の1万8,000いいねという規模で伸びました。
beautyplusのビジューデコ加工
— 里寿 (@a___ya420) 2026年8月21日
みんなやって!!! pic.twitter.com/uVJKJOzuoI
同じ人物が同じテーマで連投し、後発の投稿がより大きく伸びる――これはSNS運用の観点からも見逃せないポイントです。
1回目の投稿で反応を確かめ、2回目でより見せ方を工夫した写真(着物・スイーツ・スナップという3種の組み合わせ)を投げたことが、拡散の後押しになった可能性があります。
Shiritomo編集部の考察:ブランドが学べるのは「機能の再解釈」を待つ姿勢
BeautyPlusという企業から見ると、今回の拡散は自社がキャンペーンとして仕掛けたものではなく、既存機能をユーザーが独自に再解釈し、名前まで付けて広めた結果です。
ここに、企業アカウント運用者へのヒントがあります。
第一に、拡散の起点は「機能を目立たせること」よりも「使い方の自由度を残すこと」でした。
BeautyPlusはスタンプやフィルターを豊富に用意していますが、「これを使ってビジューデコ加工をしましょう」と誘導していたわけではありません。
ユーザーが自撮り以外の被写体(今回でいえばスイーツ)に転用したことで、想定外の使われ方が新しい話題を生んでいます。
企業がすべての使い方を規定しない余白を残すことが、UGCの温床になっていると言えそうです。
第二に、引用リツイートがリツイートを上回るという数字の構造は、「見て終わり」ではなく「自分もやってみたい」という模倣衝動を誘発したことの表れではないかと考えられます。
ブランド側が新機能を告知する際も、単に機能説明で終えるのではなく、真似しやすい・アレンジしやすい見せ方をセットで示すことが、拡散の再現性を高める鍵になるのではないでしょうか。
まとめ
BeautyPlusの「ビジューデコ加工」は、企業が主導したキャンペーンではなく、1人のユーザーの連投がきっかけで広がった加工トレンドでした。
公式が名付けた機能ではないからこそ、自撮りからスイーツまで使い方が自由に広がっていったことが、今回の拡散の核にあるようです。