「ぜひまたXに取り組みたい」和泉氏の一言に、21年待ったファンが色めき立った理由
「ぜひまたXに取り組みたい」。
カプコンの現『ロックマン』シリーズプロデューサー・和泉真吾氏が、ドイツで開催されたゲームイベント「Gamescom 2026」の取材でそう語りました。
対象は『ロックマンX』シリーズ。
ナンバリング最新作『ロックマンX8』が発売されたのは2005年で、実に21年が経過しています。
ゲーム好きのSNSアカウントを中心にX上で拡散されたこの発言、実際のところ「新作決定」を意味するのかを調べてみました。
ゲームのニュースを日常的に追っている読者にとっても、シリーズの現在地を知る手がかりになるはずです。
先に結論をまとめると:
- 和泉氏の発言は「機会があれば検討したい」という条件付きの意欲表明で、新作の開発決定を示すものではありません
- 現在カプコンが優先しているのは2027年発売予定の完全新作『ロックマン:デュアル オーバーライド』で、Xシリーズはその先の話です
- 『ロックマンX8』(2005年)以来ナンバリング新作が途絶えて21年、ファンの間では期待と同時に「本格的な続編を」という声も出ています
「ぜひまたXに取り組みたい」――Gamescomでの一言
きっかけは、ゲームニュースアカウントのgamenohanashiさんが投稿した1件の速報でした。
和泉氏の発言をいち早く伝えるこの投稿には、シリーズでおなじみの青い戦士と、赤い戦士と見られるキャラクター、複数の敵ロボットが並んで描かれたイラストが添えられています。
『ロックマンX』新作に、現『ロックマン』シリーズPの和泉真吾氏が意欲。「ぜひまたXに取り組みたい」と語った。
— ゲームのはなし (@gamenohanashi) 2026年9月6日
Game InformerのGamescom… pic.twitter.com/lUMQCTEkOH
投稿時点でいいねは2,345件、リツイートは1,000件を超え、引用ツイートも200件以上つきました。
数字だけを見ても、Xシリーズへの関心の高さがうかがえます。
ただ、SNS上の反応の熱量と、実際に語られた内容の重みが一致しているとは限りません。
そこで一次情報にあたって、発言の正確な文脈を確かめてみました。
調べて分かったこと
和泉氏は本当に何と語ったのか?
米ゲームメディアGame Informerの取材(Gamescom 2026)で、和泉氏は新作『ロックマン:デュアル オーバーライド』について話す中で、Xシリーズを今後手がける意思があるかを問われました。
それに対する回答が次の内容です。
「私の立場から言えば、はい、それはぜひ取り組みたいことです」「ロックマンXは、ロックマンブランドの中でも重要なシリーズです」「そのシリーズを大切に思っていますし、機会があれば、ぜひ検討したいと思っています」(英語原文を要約・翻訳)
つまり、「新作を作る」という確約ではなく、「機会があれば前向きに考えたい」という意欲の表明にとどまっているというのが実際のところです。
開発が決定した、あるいは進行中だと読める発言は見当たりませんでした。
なぜ今、Xシリーズの話が出たのか?
背景にあるのは、カプコンがGamescom 2026で発表した完全新作『ロックマン:デュアル オーバーライド』の存在です。
ロックマンシリーズ40周年にあわせて開発された作品で、2027年の発売が予定されています。
和泉氏はこの新作のPRで各メディアの取材を受けており、Game Informerのインタビューもその一環でした。
つまり和泉氏の頭の中では、まず目の前の『デュアル オーバーライド』を成功させることが最優先事項です。
Xシリーズへの言及は、あくまで「その先に何を考えているか」を聞かれた際の答えという位置づけになります。
実際、和泉氏は今年3月の別のインタビューでも「新作と過去作コレクションを交互に出していきたい」という趣旨の展望を語っており、Xシリーズの復活もそうした長期的な構想の一つとして語られたと見るのが自然です。
ロックマンXシリーズは、この21年どうなっていたのか?
『ロックマンX8』以降、ナンバリングの完全新作こそ出ていませんが、シリーズ自体が眠っていたわけではありません。
過去作をまとめた『ロックマンX アニバーサリー コレクション』のような移植・復刻タイトルは発売されており、スマートフォン向けのスピンオフ展開もありました。
ファンの間で語られる「ソシャゲではなく本格的な新作を」という声は、こうした過去作再販・スマホ展開が続く一方で、正統な新作という形での続編が長く出ていない状況への反応と見ることができます。
21年間ナンバリング新作が出ていないという事実は、シリーズを追い続けてきたファンにとって、それだけ重く受け止められる数字なのでしょう。
Shiritomo GAME編集部の考察:意欲表明がなぜここまで拡散したのか
今回の発言自体は「機会があれば検討したい」という、企業インタビューにありがちな慎重な言い回りです。
それにもかかわらず2,000件超のいいねと1,000件超のリツイートを集めたのは、発言の中身より「誰が・どのシリーズについて言ったか」の方が拡散力を持ったからだと考えられます。
プロデューサー本人の名前とシリーズ名がセットで話題になると、内容の確度にかかわらず「新作フラグ」として受け取られやすい構造がXにはあります。
長期間音沙汰のなかったIP(知的財産)ほど、わずかな言及でも増幅されやすいという点は、他のシリーズでも繰り返し見られる現象です。
ファン側としては、意欲表明と開発決定を混同せず、続報を待つ姿勢が引き続き必要になりそうです。
まとめ
和泉氏の「ぜひまたXに取り組みたい」という発言は、21年ぶりのシリーズ復活を約束するものではなく、あくまで前向きな意欲の表明でした。
カプコンの優先事項は2027年発売の『ロックマン:デュアル オーバーライド』であり、Xシリーズの続報は今後の展開次第と言えそうです。