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「普通に末澤誠也しか歌えないです」――Aぇ! group新曲の高音チャレンジ、”歌えない”のに拡散した理由

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年9月21日 更新
「普通に末澤誠也しか歌えないです」――Aぇ! group新曲の高音チャレンジ、”歌えない”のに拡散した理由

「あの、普通に末澤誠也しか歌えないです」。
Aぇ! groupの公式Xアカウントが投稿した1本のTikTokキャンペーン告知に、こんな”できません宣言”が相次いでいます。
挑戦してほしいと呼びかけられているのに、実際に伸びているのは「無理」「歌えない」という反応のほう。
SNSアカウントを運用する立場からすると、これは奇妙な現象に見えます。
この矛盾を追いかけると、参加型キャンペーンを設計するときのヒントが見えてきました。

先に結論をまとめると:
– あえて超えにくい難易度に設定したことで、挑戦の失敗そのものが拡散ネタになっている可能性がある
– TikTokの公式デュエット機能を使うことで、参加者の著作権への不安を取り除きやすくしているとみられる
– キャンペーン期間を発売前から発売後まで延ばし、話題が途切れない設計にしている

Xで話題になっていること

Aぇ! group(ジャニーズ関西ジュニアから改名して結成された6人組アイドルグループ)の公式Xアカウントが投稿したのは、11月4日発売の5th シングル「Emotion」に合わせた「高音ボイスチャレンジ」の告知でした。
「Emotion」を歌った動画をハッシュタグ「#AぇEmotion高音チャレンジ」付きでTikTokに投稿すると、公式TikTokアカウントの「ファンスポットライト」に取り上げられるかもしれない、という参加型企画です。

投稿から短時間でいいね7,330件・インプレッション21万3,000件を超え、リポストも1,500件を突破しました。

ただ、投稿への引用ツイートを見てみると様子が違いました。
「歌ってみます」という前向きな声より先に、「無理」「歌えない」という反応がずらりと並んでいたのです。
なぜ企業公式の呼びかけに、こんな”逃げ腰”の反応が集まって、しかもそれが拡散されているのでしょうか。

調べて分かったこと

なぜ「歌えない」がバズるのか?

鍵は「Emotion」という楽曲そのものの難易度にありました。
公式が配布したキャンペーン画像には「切り裂くようなハイトーンボーカルが際立つロックナンバー」と説明があり、この曲のサビを支えているのがグループ最年長メンバーの末澤誠也さんです。
末澤さんは女性でも出しにくいとされる高音域を武器にするメインボーカルとして知られており、ファンの間でも「末澤誠也の高音」は一つのベンチマークになっています。

つまりこのチャレンジは、最初から”普通のファンが歌いきれない”前提で設計されている可能性が高いといえます。
実際、引用ツイートには「こんにちわ末澤誠也だよ 音域テストを始めるよ 高音厨のお前らならば 余裕で歌えるね」というパロディ投稿も登場し、歌えるかどうかを試す”儀式”のようなやり取りがいくつも生まれていました。

歌の上手さを競うのではなく、「歌えなかった」という反応自体をコンテンツにできる設計だとすれば、参加のハードルが高いことはむしろ拡散の燃料になっていると考えられます。

参加のハードルは、どこで下げられているのか?

一方で、参加そのものへの心理的な壁を下げる工夫も見つかりました。
引用ツイートの一つに「これを待っていた!権利関係が気になって広めづらいなと思っていたのでデュエット機能ありがたい!」という投稿があります。
TikTokのデュエット機能を使えば、公式が用意した音源・映像の隣に自分の動画を並べる形で投稿できるため、楽曲を無断使用しているという不安を抱かずに参加できるというわけです。

歌唱力という高いハードルを設けながら、著作権まわりの不安という別のハードルは公式側が肩代わりする。
この組み合わせが「歌えないけど参加はできる」という余白を生み、失敗談も含めて投稿しやすい空気を作っていそうです。

いつまで続く企画なのか?

キャンペーン画像に記載された開催期間は9月21日から11月8日まで。
「Emotion」の発売日(11月4日)をまたいで設定されており、発売前は期待値を高める材料として、発売後はファンの歌唱動画そのものを新たな話題として使い続ける狙いがうかがえます。
単発の発売告知で終わらせず、約7週間にわたってファンの投稿を巻き込み続ける設計です。

Shiritomo編集部の考察:UGC施策で見るべきは「難易度」と「不安の肩代わり」

今回の件から見えるのは、参加型キャンペーンの成否を分けるのは難易度の高さそのものではなく、「挑戦できない」ことも投稿理由になるかどうかという設計だということです。
歌唱力に自信のない人でも、「無理でした」という一言と共に投稿すれば立派な参加になります。
ハードルを下げるだけがUGC(ユーザー生成コンテンツ)施策の正解ではなく、あえて残す難しさが会話のきっかけになる場合もあるわけです。

もう一つの示唆は、参加者が抱えがちな不安を運営側がどこまで先回りして解消できるかです。
今回は「著作権が心配で二の足を踏んでいた」という声が実際に存在しており、TikTokのデュエット機能という技術的な選択肢を告知に明記するだけで、その不安を一つ取り除けています。
自社のキャンペーンでUGCを狙う際も、参加のどこに心理的な壁があるかを事前に洗い出しておく価値がありそうです。

まとめ

「歌えない」という反応が拡散されるのは、皮肉ではなく設計通りの結果だったと考えられます。
難易度と参加のしやすさを別々に調整する視点は、SNS上で参加型企画を考える際の一つの手がかりになりそうです。

さらに深掘りしたい方へ

「Emotion」の発売情報や収録内容は、レーベル公式ページで確認できます。

Aぇ! group「Emotion」発売情報(Universal Music Japan)