サントリー公式VTuber「燦鳥ノム」がAI化 Pictoriaと組んで新時代へ踏み出す
「今までのわたくしがいなくなるわけではございませんので、ご安心くださいね」――。
そんなやさしい一言が、5月20日にX(旧Twitter)へ投稿されると、瞬く間に6,000件以上のいいねを集めました。
発信したのはサントリー公式VTuber「燦鳥ノム」。
彼女が告知したのは、自身のAI版キャラクター「AI燦鳥ノム」のデビューです。
お披露目は5月26日(火)20時から行われる生放送。
コーポレートVTuberとしては異例の試みが、いま静かに注目を集めています。
燦鳥ノムは2019年にサントリーが立ち上げた公式VTuber。
約7年にわたってファン(「ノム友」と呼ばれます)と丁寧に関係を築いてきたキャラクターです。
そこに突如飛び込んできた「AI化」という言葉に、ファンからは期待と戸惑いの声が入り混じりました。
だからこそ彼女が最初に発したメッセージは、自分が「消えるわけではない」という安心の言葉だったのでしょう。
X(旧Twitter)での反応
公式アカウントからの発表ツイートは、投稿直後から大きな反響を呼びました。
燦鳥ノム自身も重大発表として正式に告知しています。
【重大発表】
— 燦鳥ノム☂️サントリー公式Vtuber (@suntory_nomu) 2026年5月20日
この度なんと
「AI燦鳥ノム」
のデビューが決定いたしました☆""ハ(Ծ∇Ծ✿)
5/26(火) 20時~
お披露目生放送をお楽しみに(Ծ◡Ծ✿)#ノムlivehttps://t.co/PuPIxgrhSX
カルチャーメディアKAI-YOU.netも速報を配信し、その投稿には6,800件超のいいねが集まりました。
「AI VTuber『紡ネン』でも知られるPictoria社が開発を担当」という情報もここで広く知られることになります。
サントリーの公式VTuber「燦鳥ノム」AI化を発表https://t.co/2q6Om3TaIB
— KAI-YOU(カイユウ) (@KAI_YOU_ed) 2026年5月20日
AI VTuber「紡ネン」でも知られるPictoria社が開発を担当。燦鳥ノムさんは「今までのわたくしがいなくなるわけではございませんので、ご安心くださいね」とコメントを残しています☔ pic.twitter.com/pGkXAaU1kw
ファンからは「楽しみ」「どんな感じになるの?」といった期待の声と同時に、「人間のノムちゃんと何が違うの?」という疑問も多く見られました。
AI VTuberがまだ一般に浸透していない中で、コーポレートVTuberがその先陣を切ることへの新鮮な驚きが広がっています。
開発を担うPictoriaとは
今回のAI化を担当するのが、AI VTuber専門企業の株式会社Pictoriaです。
同社は日本初のAI VTuber「紡ネン(つむぎねん)」を2021年に世に送り出し、2024年にはYouTubeチャンネル登録者数10万人を突破。
AI VTuberというジャンルを日本で切り拓いてきた先駆者的な存在です。
AI VTuberとは、人間がリアルタイムで声や動きを操作する従来のVTuberとは異なり、アバターとAI(大規模言語モデル・音声合成技術)を組み合わせて動作するキャラクターのことです。
Pictoriaが開発した紡ネンは、視聴者のコメントを機械学習で解析し、感情や表情をリアルタイムに変化させる仕組みを持ちます。
理論上は24時間365日稼働できる点が人間ライバーとの大きな違いです。
「AI燦鳥ノム」についてPictoriaは、「キャラクター性や合成音声のニュアンスなど、細かな調整を積み重ねて形にしています」とコメントしています。
単なる自動応答ボットではなく、7年かけて育まれた「燦鳥ノムらしさ」をAIで再現することに注力しているといいます。
LLM(大規模言語モデル)でキャラクターの言葉づかいや個性を学習させ、音声合成で彼女独特の話し方を表現する、という二段構えのアプローチが採られているとみられます。
「消える」のではなく「増える」
ここで押さえておきたいのは、今回のAI化が既存の燦鳥ノムの「引退」や「置き換え」ではないという点です。
サントリー側も、Pictoria側も、「新たな派生展開」と位置づけています。
人間ライバーが担う配信・ライブ活動はこれまで通り継続しながら、AIバージョンが別軸で動く形です。
ミニキャラ版の展開も示唆されており、キャラクターとしての「燦鳥ノム」がAIによって複数の場所に同時展開できるようになる、という構図に近いかもしれません。
これは企業VTuberならではの戦略とも言えます。
ノム友との絆は維持しながら、AIを使って接点の数を増やす。
ブランドと生活者をつなぐ新しいインターフェースとして「AI燦鳥ノム」が機能することが期待されているのでしょう。
コーポレートVTuberの次のステージ
燦鳥ノムのAI化は、企業がVTuberを活用するという文脈でも大きな意味を持ちます。
これまで企業VTuberは「ブランドの顔」として機能してきましたが、活動は人間ライバーの稼働時間に依存していました。
AIが加わることで、ファンからの問いかけに24時間応答したり、SNSでリアルタイムにコミュニケーションしたりすることが現実味を帯びてきます。
消費者と企業ブランドが「いつでも会話できる」関係性を構築するツールとして、AI VTuberは今後注目されそうです。
サントリーという大手食品メーカーがこの試みに踏み出したことは、業界へのシグナルとしても強烈です。
他の企業VTuberにとっても、「次の一手」として選択肢に挙がってくる可能性があります。
まとめ
サントリー公式VTuber「燦鳥ノム」が、AI VTuber専門企業Pictoriaと組んで「AI燦鳥ノム」としてデビューします。
5月26日20時からのお披露目生放送で、そのクオリティと「ノムらしさ」がどこまで再現されているか、ぜひ確認してみてください。
人間ライバーとAIが共存する新しいVTuberの形が、ここから始まるかもしれません。