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グーグルとサムスンがAIスマートグラスを発表——ジェントルモンスターとのコラボが「かけるAI」の時代を変える

shiritomo | AI・SNS・話題のテック情報メディア by Hashout編集部 @shiritomoAI_jp 2026年5月21日 更新

スマートフォンを取り出さなくても、歩きながら道案内してもらえたら——そんな未来が、いよいよ現実になりつつあります。

2026年5月19日、Google I/O 2026で、GoogleとSamsungが共同開発したAIスマートグラスのデザインが初公開されました。
しかも、フレームのデザインを手がけるのが韓国発のファッションアイウェアブランド「Gentle Monster(ジェントルモンスター)」という点も話題を集めています。
テクノロジーとファッションの本気のタッグ——これは単なるガジェット発表ではなく、「身につけるAI」の形が変わる瞬間かもしれません。

Gemini搭載、でもレンズに画面はない

今回発表されたAIスマートグラスは、Android XRプラットフォームをベースに、Googleの生成AI「Gemini(ジェミニ)」を搭載しています。
「Hey Google」と声をかけるか、フレームをタップするだけでGeminiが起動する仕組みです。

注目すべき点は、初代モデルがレンズ内にディスプレイを持たない「オーディオグラス」であるという点です。

見た目は普通のメガネと変わらない。
でも耳元から情報が届いてくる——Googleが目指しているのは、そういう「溶け込むAI」の体験です。
カメラ・マイク・スピーカーを内蔵しており、視覚と音声のマルチモーダル入力でGeminiが動作します。

主な機能は次のとおりです。

  • ナビゲーション: Google Mapsと連携したターンバイターン(曲がり角ごとに案内)のルート案内を音声で提供
  • リアルタイム翻訳: 相手の声を聞きながら、別の言語でそのまま出力。
    話者の声のトーンを再現する技術も組み込まれる
  • 周囲の状況認識: カメラが捉えた景色や看板をGeminiが解析し、レストランのレビューや駐車標識の意味を教えてくれる
  • メッセージ・カレンダー管理: 通知の読み上げや予定の追加が音声だけで完結

また、処方レンズ(度入りレンズ)への対応予定も発表されており、普段メガネをかけている人でも使えるという点はMeta Ray-Ban(メタ レイバン)との大きな差別化要素になっています。

ジェントルモンスターという選択の意味

Gentle Monsterは、ソウル発のアイウェアブランドとして、独自の世界観を持つ店舗デザインと実験的なフレームデザインで知られています。
創業者のキム・ハングク氏は今回の発表で「大胆で美しく、人間的な方法でファッションとテクノロジーを融合することがビジョンだった」とコメントしています。

テクノロジー企業がスマートグラスを出すたびに「ダサい」という声が上がってきた歴史があります。
Googleは以前にも「Google Glass」を発売しましたが、普及には至りませんでした。
あの失敗を踏まえ、今回はデザインを外部の専門家に委ねた——そこにGoogleの学習と意志を感じます。

なお、同時にWarby Parker(ワービーパーカー)デザインのモデルも発表されており、Gentle Monsterがより実験的な印象であるのに対し、Warby Parkerはクラシックで普段使いしやすいスタイルとのことです。

Meta Ray-Banとの違いはどこか

現在、AIスマートグラス市場で先行しているのがMeta(メタ)とRay-Ban(レイバン)のコラボモデルです。
MetaのAIアシスタントを搭載し、音声での情報検索や撮影ができます。

GoogleとSamsungのモデルはこれに真正面から挑む形になりますが、差別化ポイントとして以下が挙げられています。

  • GoogleマップやGeminiとの深いネイティブ統合: 検索・ナビ・翻訳がGoogleのエコシステムそのもの
  • Androidだけでなく、iPhoneにも対応予定: より広いユーザー層への訴求
  • 処方レンズ対応: Meta Ray-Banのディスプレイ搭載モデルでは未対応の機能

アナリストの試算では、発売価格は600〜900ドル(約9万〜13万円)になるとも言われています。
スペックの詳細は2026年7月のSamsungの「Unpacked」イベントでさらに開示される見込みです。

「かけるAI」が問う、私たちの日常

ここで一つ、私の考えをお伝えします。

これまで「AIを使う」には画面を見る必要がありました。
スマートフォンを取り出して、タップして、テキストを読む。
でもAIスマートグラスが普及すれば、目の前の景色を見ながら同時にAIと対話できる。
情報を「引き出しに行く」行動が、「自然に届いてくる」体験に変わる——これは思っている以上に、生活の流れを変える可能性があります。

翻訳機能ひとつとっても、海外旅行中に相手の言葉がリアルタイムで耳に入ってくる体験は、今までのどんなアプリとも異なる感覚を生むはずです。

2026年秋の発売が楽しみであると同時に、「ずっとAIに囲まれている」感覚にどう向き合うか、という問いも静かに頭に浮かんでいます。

まとめ

Google I/O 2026で発表されたGoogleとSamsungの共同開発AIスマートグラスは、Geminiを搭載しながら普通のメガネのような外観を実現した「オーディオグラス」です。
Gentle MonsterとWarby Parkerというファッションブランドとのコラボで、テクノロジーとスタイルを両立させようとする姿勢が明確で、処方レンズ対応やiPhone互換性など実用面でも差別化を図っています。
2026年秋の正式発売に向け、AIウェアラブル市場の競争はいよいよ本格化しそうです。

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