62,980円の限定機は即完売、なのに転売価格は値崩れ――ゼルダ40周年のひと月、本当の主役は「万魔殿」でした【編集部まとめ】
62,980円、一人1台まで。
9月9日、ゼルダの伝説40周年を飾るSwitch2限定モデルは予約開始からわずか数時間で主要通販サイトから姿を消しました。
そこから1ヶ月、本体は品薄が続いたのに、肝心の新作『時のオカリナ』ソフトは落ち着いて予約が進み、ムジュラの仮面の楽曲は無料で配信され、そして10月19日には転売価格がまさかの値崩れを起こしていました。
この1ヶ月の記事を並べてみたら、「限定ハードは即完売=高値安定」という定番が、今回は素直に成立していないことが見えてきました。
先に結論をまとめると:
– 即完売したのはSwitch2本体セット(62,980円)だけで、新作『時のオカリナ』ソフトは終始別売り、通常どおり予約・購入できた
– 本体の騒ぎと並行して、ムジュラの仮面の楽曲配信や新要素「万魔殿」の発表など、ソフト側の盛り上がりも同時に進んでいた
– 発売前から転売価格が下がり始め、「即完売=高値がつく」というお約束が、今回のゼルダ40周年では崩れていた
いま、ゼルダの伝説40周年に何が起きているのか
起点は9月8日の「ゼルダの伝説40周年 Direct」です。
ここから1ヶ月、この件は「本体」と「ソフト」という2本の線が別々のペースで動いていました。
9月9日に即完売したSwitch2限定本体は、発表の翌日に予約が始まり、わずか数時間で主要店舗の表示が「完売」に変わるという、任天堂の限定ハードにはおなじみの光景でした。
ただ、今回はそこで話が終わりませんでした。
本体が品切れで盛り上がっている間も、ソフト側では『ムジュラの仮面』の楽曲が無料で配信され、新作『時のオカリナ』には「万魔殿」という新要素が追加されると発表され、ハードの争奪戦とは無関係に情報公開が続いていました。
発売10日前の10月19日には、今度は転売価格が下がっているという報道が出てきます。
話の主役はハードの争奪戦からソフトの中身、そして転売の採算計算へと移っていったのです。
ここからは5つの出来事を時系列で見ていきます。
この1ヶ月、ゼルダの伝説40周年で起きた5つの出来事
1. 完売したのは「本体」だけ、ソフトはいつでも買えた
9月9日、予約開始からわずか数時間で主要な通販サイトが次々に「完売」の表示に変わりました。
狙われていたのは「ゼルダの伝説40周年アニバーサリーエディション」と名付けられたSwitch2本体セット(62,980円・一人1台まで)で、11月5日発売の新作『時のオカリナ』ソフト単体は別売りのまま通常どおり予約できる状態でした。
本体の完売がニュースになると「ソフトごと手に入らなくなった」と誤解されがちですが、実際にはそうではありませんでした。
ソフト自体はグラフィック一新に加え、自由なカメラ操作や任意タイミングのジャンプ、ダッシュ移動といった新要素を携え、10月1日には「ゲルドの砦」エリアの映像が公開されています。
足音や風の音、篝火の揺らめきまで作り込まれた環境音が話題になり、前日には「ハイラル城下町」の映像も出るなど、エリアごとに連日映像を公開する手法が取られていました。
ハードの争奪戦とソフトの情報公開は、最初から別のテンポで進んでいたのです。
2. 62,980円の本体は限定デザイン、肝心のソフトは同梱されない
10月5日に明らかになったのは、本体の価格と見た目でした。
グリーンとブラックを基調に、ハイラルの紋章とトライフォースをあしらった特別デザインで、価格は62,980円。
専用Proコントローラー(12,980円)とキャリングケース(3,980円)も同時発売されましたが、驚いたのは「40周年アニバーサリーエディション」と名付けられたこの本体に、同じ40周年を祝うはずの『時のオカリナ』が同梱されないという点でした。
名前だけ見るとソフトとのセット販売を想像しそうになりますが、実際はあくまで「40周年デザインの本体」という位置づけです。
そして同じタイミングで、10月9日からNintendo Musicにムジュラの仮面の楽曲が追加されること、Switch Online加入者向けにアイコンパーツの復刻配信が進んでいることも発表され、本体・音楽配信・アプリ内施策という複数のチャンネルが同時並行で40周年を盛り上げる構図が見えてきました。
3. ムジュラの仮面の音楽が、無料部分と有料部分に分かれて帰ってきた
10月5日の発表どおり、10月9日から『ムジュラの仮面』の楽曲がNintendo Musicで配信開始されました。
このサービスはNintendo Switch Online加入者であれば追加料金なしで使えるため、メインテーマを含む「タルミナでの冒険を彩る楽曲」を聴くだけなら上位プランへの加入は不要です。
公式アカウントの告知には11,640件のいいねがつきました。
一方、同じ週に動いていたアイコンパーツの配布は条件が違いました。
こちらは「Nintendo Switch Online + 追加パック」加入者限定で、「NINTENDO 64 Nintendo Classics」収録の『ムジュラの仮面』本編をプレイするとプラチナポイントと交換できる仕組みで、配布期間は10月23日9:59まで。
無料で聴ける楽曲と、上位プラン限定のアイコンという2段構えになっていたことで、「楽曲は聴けるけれどアイコンは交換できない」という人も出てきそうな設計でした。
4. 時のオカリナに生まれた新要素「万魔殿」、ジャンプまで自由になった
10月14日、約4分30秒の紹介映像が公開されました。
11月5日発売、価格はパッケージ版8,980円・ダウンロード版7,980円(いずれも税込)。
今回の映像で明らかになったのが、倒した魔物の像が並ぶ博物館のような施設「万魔殿」です。
魔物の特徴を振り返ったり、タイムアタック形式で強敵と再戦したりできる仕組みになっています。
変更点はカメラ操作にも及んでいました。
原作では視点がほぼ固定されジャンプも決まった場所でしか飛べませんでしたが、Switch2版では自由にカメラを動かせ、ボタンひとつで任意のタイミングでジャンプできる形に変わっています。
移動中のダッシュも新たに加わりました。
ストーリーはフルボイス収録、音楽もオーケストラ演奏を取り入れ、本体のマイクに向けてオカリナを演奏するとゲーム内のリンクが同じ演奏を返す新機能も用意されています。
ハードの争奪戦の裏で、ソフトの中身は着実に固まっていきました。
5. 即完売の反動か、発売前から転売価格が値崩れしていた
10月19日時点で、本体単体の予約は主要な販売店の多くで終了していました。
一方で楽天ブックスは10月9日に予約を再開し、Amazon.co.jpでも在庫復活の報告があり、タイミング次第ではまだ注文できる状態でした。
週刊アスキーの報道によれば、「本体とProコンの全部入りセット」はすでに予約終了で、残っているのは「Proコントローラー+ソフト+ポーチ」か「本体+ソフト+フィルム」のセットのみだといいます。
ところが、発売日を迎える前からフリマアプリには転売品が並んでいました。
メルカリでは7万2千円台から8万5千円ほどの出品が見られ、7万2,999円で売れた例もあったとされています。
ただし、販売手数料10%を引いた手取りは定価(62,980円)との差が約2,700円しかなく、送料も引かれるため利益は2千円にも届かないという指摘がありました。
中古品の買取価格もゼルダ版49,700円は、通常モデル51,600円より低く、限定デザインのはずが「通常モデルより安い」扱いになりつつあったのです。
9月9日の即完売から1ヶ月あまりで、話の落着点は「高値」ではなく「値崩れ」でした。
5個の事例を1枚にまとめると
| 事例 | 数字 | 効いたもの |
|---|---|---|
| 本体セット即完売(9/9) | 62,980円・一人1台まで | 40周年Direct発表直後の限定デザイン |
| 本体価格・ソフト非同梱の判明(10/5) | 本体62,980円/Proコン12,980円/ケース3,980円 | グリーン&ブラックのハイラル紋章デザイン |
| ムジュラの仮面楽曲配信(10/9) | 告知にいいね11,640件、配布は10/23まで | NSO無料部分と追加パック限定部分の二段構え |
| 時のオカリナ新要素公開(10/14) | パッケージ版8,980円/DL版7,980円 | 新要素「万魔殿」とマイクでのオカリナ演奏 |
| 転売価格値崩れ(10/19) | 成約例7万2,999円、関連投稿にいいね1,277件 | 即完売からの供給再開と価格反転 |
Shiritomo編集部の考察
即完売は、本体の「品薄」を作っただけで、「高値」までは保証しませんでした。
通常、限定ハードの即完売は転売価格を押し上げる方向に働きますが、今回は楽天ブックスやAmazonでの在庫復活という供給の緩みが、プレミアム感が固まる前に天井を崩してしまったようです。
もう一つ見えてくるのは、本体の争奪戦とソフトの評価が、最初から別の時間軸で動いていたことです。
万魔殿やオカリナ演奏機能のような中身の情報は、本体の品薄状況に関係なく積み重ねられていました。
限定グッズを狙う読者が明日からできることは2つ。
完売表示を見てもAmazonや楽天ブックスの再入荷を確認すること、デザインにこだわらないなら転売価格の下落を待つ選択肢もあることです。
まとめ
ゼルダの伝説40周年のこの1ヶ月は、本体の争奪戦という派手な出来事の裏でソフトの新要素が静かに積み上げられ、最後には転売価格の値崩れという意外な結末を迎えました。
ソフトと本体それぞれの発売日を迎えたとき、この動きがどう答え合わせされるのか見ていきたいところです。
さらに深掘りしたい方へ
40周年の本体セット以外にも、Switch2本体の値付けを巡る動きがこの1ヶ月いくつもありました。
Switch2、1万円の値上げを経ても週販はPS5の4倍という記事、Switch2本体に「選べるソフト セット」が登場した記事も合わせてご覧ください。




