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「アンチコメントも養分として取り込みますよ」――Xでコメント制限を解除した運用の中身

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年10月30日 更新
「アンチコメントも養分として取り込みますよ」――Xでコメント制限を解除した運用の中身

「ネトウヨに荒らされるのが嫌でフォロワーさん以外のコメントを制限していたのですが。
アルゴリズムを味方につけるために解放します。
今後はアンチコメントも養分として取り込みますよ。」

10月30日午後1時19分、Xにこう投稿したアカウントが2,000件を超えるいいねを集めました。
荒らされるのが嫌で絞っていたはずの制限を、あえて外す。
普通に考えれば「また荒れるだけ」に思える判断ですが、そこには「表示を伸ばすなら、賛否を問わず会話そのものを増やした方が得」という計算があります。
コメント欄の運用に悩むSNS担当者にとっても、他人事では済まない話かもしれません。

先に結論をまとめると:
– フォロワー以外のコメントを制限していたXアカウントが、アルゴリズム対策を理由に制限を解除し、アンチコメントも「養分」として取り込む方針に転換した
– Xでは会話の発生自体が表示を伸ばす材料になる、という見方があり、いいねよりコメントが付くことを重視する運用判断
– 引用ツイートでは「左派はリプ欄解放した方が良い」「私もコメント解放してみます」と、同じ発想に乗ろうとする反応が見られた

何が起きたのか

投稿したのは「とある甘味処の店主」と名乗るアカウント(@nishichibakaede)です。
もともとはフォロワー以外からのコメントを制限していました。
本人の説明によれば、理由は「ネトウヨに荒らされるのが嫌」だったからだといいます。
政治的な話題にも踏み込んで発言してきたアカウントで、こうした制限は荒れを防ぐための自衛策だったようです。

それを10月30日の午後、自ら解除すると宣言しました。
狙いは「アルゴリズムを味方につける」こと。
賛同コメントでも反対コメントでも、コメントが付いて会話が生まれること自体を、表示を伸ばすための材料にするという発想です。

この投稿は、2,074件のいいね・379件のリポスト・113件の返信・11件の引用を集め、インプレッション数(投稿が表示された延べ回数)は14,688件に達しています。
ただ、この数字だけ見ても「なぜ賛同されたのか」までは分かりません。
そこで、引用ツイートの反応や、Xのアルゴリズムの実際の仕組みを確かめてみました。

調べて分かったこと

なぜこの投稿は広く共感されたのか

このアカウントは2011年7月から使われている長期アカウントで、投稿数は6万件を超えています。
甘味処(和菓子や喫茶を扱う店)の店主としての日常的な発信に加えて、政治的な話題への言及も続けてきたようです。
つまり「荒れやすい話題を発信してきたからこそ、荒れ対策として制限をかけていた」という前提自体に一貫性があります。
だからこそ、その制限を自ら外すという判断に、フォロワー以外の人も含めて「なるほど」という反応が集まりやすかったと考えられます。

荒れることを前提にした上で、それを逆に「アルゴリズム対策」として取り込むという逆転の発想が、単純な「制限を外しました」という報告以上の面白さを持たせていたようです。

Xのアルゴリズムは本当に「アンチコメント」を味方にするのか

Xは2023年に推薦アルゴリズムの一部をソースコードとして公開しており、その中では「いいね」の重みを0.5、「リプライ(返信)」の重みを13.5とする設定が確認できます。
単純計算では、リプライはいいねの27倍の重みを持つことになります。
会話が発生すること自体が、プラットフォーム側にとって「エンゲージメントの高い投稿」と判断される材料になりやすい、ということです。

ただし、これはあくまで2023年に公開された時点のコードの話です。
現在の実際の重み付けは非公開で、当時のまま使われているかどうかは確認できません。
断定はできませんが、「会話量そのものが評価される」という大枠の考え方は、複数のSNS解説記事でも繰り返し語られており、今回の投稿者の判断とも符合します。
賛成コメントであろうと反対コメント(アンチコメント)であろうと、返信という行為が発生する時点で、アルゴリズム上は「会話が生まれた投稿」として扱われやすい、と言われています。

引用ツイートに見える2つの共感ポイント

引用ツイートの反応を見ると、同じ発想を持つ人が複数いたことが分かります。

1件目は、「左派はリプ欄解放した方が良い。
ネトウヨのクソリプは養分。」という投稿です。
元の投稿者と似た立場から、同じ理屈をより直接的な言葉で言い換えています。

2件目は、「Xのアルゴリズムで会話が発生した方がフィルターバブル破れるのでは作戦です。
私もコメント解放してみます」という投稿です。
フィルターバブル(自分と似た意見の情報ばかりに囲まれ、視野が狭くなる現象)を壊す手段として会話を増やすという、もう一段広い視点からの共感が示されています。

この2件だけから「多くの人が賛同した」とまでは言えませんが、少なくとも「政治的な立場を問わず、同じ発想に乗ってみようとする人が実在した」ことは確かです。

アンチコメントとどう向き合うか

今回のように制限を解除してアンチコメントごと取り込む運用は、誰にでも向いているわけではありません。
実際に誹謗中傷に近いコメントが来たときの対応をどうするかは、別の課題として残ります。
Xには投稿ごとに返信できる相手を絞る機能や、特定のコメントを非表示にする機能があり、「会話を増やしたいが、際限なく荒れるのは避けたい」という場合は、全面解放ではなく段階的に試すという選択肢もあります。
アンチコメントを「取り込む」と言い切れるのは、ある程度の耐性や、荒れても発信を続ける意志があるアカウントに限られるとも言えそうです。

Shiritomo編集部の考察:会話量と炎上リスクは引き離せない

SNS運用の文脈では、「コメントが付く投稿は伸びる」という話と「炎上は避けたい」という話が、しばしば別々に語られます。
しかし今回の件は、この二つが実はトレードオフの関係にあることを示しています。
アンチコメントを完全に排除すれば会話量は減り、会話量を増やそうとすればアンチコメントも増える可能性がある。
企業の公式アカウント運用では、炎上リスクを避ける方が優先されることが多いですが、個人の発信者であれば「どこまで会話を取り込めるか」を自分の裁量で決められます。
今回のアカウントのように、もともと荒れやすい話題を扱ってきた発信者ほど、この判断の振れ幅は大きくなります。
運用担当者としては、自分のアカウントが「会話を取り込める体力があるか」を先に見極める必要がありそうです。

まとめ

フォロワー以外のコメントを制限していたXアカウントが、アルゴリズム対策を理由にその制限を解除し、アンチコメントも「養分」として取り込む運用に切り替えました。
会話の発生自体が表示を伸ばす材料になるという考え方は、Xが過去に公開したアルゴリズムの重み付けとも符合しており、同じ発想に乗って自分も制限を解除してみようとする人も出てきているようです。

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Xが2023年に公開した推薦アルゴリズムのソースコードは、twitter/the-algorithmで確認できます。
会話(リプライ)に関する重み付けの設定箇所を見ると、今回の運用判断の背景がより具体的に分かります。