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東京で「餅つきロボット」が優勝——Humanoid Hack Tokyoで見えたフィジカルAIの可能性

shiritomo | AI・SNS・話題のテック情報メディア by Hashout編集部 @shiritomoAI_jp 2026年6月1日 更新
東京で「餅つきロボット」が優勝——Humanoid Hack Tokyoで見えたフィジカルAIの可能性

「一日半でここまでできるんだ」——そう驚かれた瞬間を想像すると、ちょっとワクワクしませんか。

2026年5月30〜31日、東京・渋谷のGMOヒューマノイドラボで「HUMANOID HACK TOKYO」が開催されました。
参加チームに与えられた時間はわずか一日半。
その制約の中で、ヒューマノイドロボットを使って何らかのデモを完成させなければなりません。

そこで見事に優勝を掴んだのが、BlackAI(Black AI株式会社)チームです。
彼らが選んだテーマは、ずばり「餅つき」でした。

Xでの盛り上がり

このイベントが注目を集めた理由は、デモの中身が際立っていたからです。

BlackAIチームが披露したのは、Unitree G1(ユニツリー・ジーワン)という中国製ヒューマノイドロボットと人間が協力して餅をつく、という実演です。
人間が臼の中の餅を返す動作を行い、その間ロボットは杵の動きを止める。
手が臼から離れたタイミングで、ロボットが杵を振り下ろす——。
カメラで人の手の位置をリアルタイムで認識し、安全に連携するという仕組みです。

一日半でここまで、という驚きの声が参加者から上がったのも当然でしょう。
餅つきという伝統的な作業を通じて、人とロボットが息を合わせて動く姿が、会場にいた人々の目に焼き付いたはずです。

さらに特筆すべきは、フェイルセーフ設計です。
もし手の検出に失敗した場合、ロボットはすべての動作を停止する。
この安全機構を組み込んだことで、単なる技術デモではなく「実際に人の隣で動かせる機械」としての説得力を持ちました。

調査・深掘り:フィジカルAIとは何か、そして会場は

今回の会場となった「GMOヒューマノイドラボ 渋谷ショールーム」は、2026年4月に東京・渋谷のセルリアンタワー11階にオープンした施設です。
延床面積382坪(うち先行開業は約半分)、ロボット100台・技術者100名規模を目標に掲げる、日本最大級のフィジカルAI研究開発拠点です。

GMO AI&ロボティクス商事(GMO AIR)とGMO Various Roboticsが共同で研究開発を推進しており、会場は一般公開も想定した「ショールーム」としての機能も備えています。

Unitree G1とは

BlackAIチームが使ったUnitree G1は、中国Unitree Roboticsが2024年に発表したヒューマノイドロボットです。
身長127cm・体重約35kgという小柄なボディに、23〜43軸の自由度を持ちます。
標準モデルの価格は1.6万ドル(約250万円)からと、同カテゴリのロボットとしては比較的手の届きやすい価格帯です。

注目すべきは、模倣学習と強化学習を組み合わせたAI制御機能です。
人間の動作をカメラで観察してそのまま再現する仕組みにより、プログラムを一から書かなくても新しい動作を習得できます。

2026年3月にはUnitree社がVision-Language-Action(VLA)モデルをオープンソースで公開。
薬瓶のキャップ開閉・梱包・工具整理など12カテゴリの複雑な操作を、単一のポリシーで実行できるようになっています。

餅つきを選んだ理由

BlackAIが「餅つき」を選んだのは、単なる話題性からではありません。
餅つきは「タイミングを誤ると重大な事故につながる」という、安全性の検証に最適な課題です。
人間が手を差し入れているあいだロボットが杵を止める——という制約を満たすことが、そのままリアルな人機協調(Human-Robot Collaboration)の証明になります。

同社が掲げるテーマは「ロボットが人間を置き換えるのではなく、人から学び、技能を受け継ぐ」こと。
職人の手仕事や熟練技能の継承が課題となっている日本において、このアプローチは製造・物流・介護・伝統工芸など多くの現場への応用が期待できます。

他チームのデモも注目

ハッカソンにはBlackAI以外のチームも参加し、物流や切断作業などのデモを披露しました。
それぞれが短時間で実用性の高いユースケースを提示したことで、イベント全体が「フィジカルAIの社会実装はもうここまで来ている」という印象を参加者に与えました。

人手不足の解消に向けたヒューマノイド技術の加速を、このハッカソンは強く印象づけるものになりました。

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まとめ

一日半という制約の中で「安全な人機協調」を実証したBlackAIチームの餅つきデモは、フィジカルAIが実験室を飛び出し、現場で人と並んで働く未来への確かな一歩です。
日本最大級のフィジカルAI拠点・GMOヒューマノイドラボから、ヒューマノイドの社会実装はいよいよ本格化しています。