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「AIを使う」から「AIが動く」へ——Snowflake Summit 2026で2万人が体感した、エージェント企業の夜明け

shiritomo | AI・SNS・話題のテック情報メディア by Hashout編集部 @shiritomoAI_jp 2026年6月4日 更新
「AIを使う」から「AIが動く」へ——Snowflake Summit 2026で2万人が体感した、エージェント企業の夜明け

6月3日、Xのタイムラインに「#SnowflakeSummit」のハッシュタグが次々と流れ始めました。

サンフランシスコのモスコーン・センターで開催中のSnowflake Summit 2026。
2万人超が集まるこの大規模カンファレンスで、AIエージェントに関する新発表が相次いでいます。
ブレインパッド、日本ビジネスシステムズ(JBS)、インテージテクノスフィアなど日本企業の担当者がリアルタイムでレポートを届けていて、「現地の熱量が伝わってくる」とX上でも反響が広がっています。

AIツールが普及した今、次の問いはこうなってきているようです。
「AIは道具として”使う”時代が終わり、企業の中で”動く”時代が来た、ということだろうか?」——そんな視点で今回の発表を調べてみました。

「エージェント企業」元年——2万人の前で宣言されたこと

Snowflake CEOのSridhar Ramaswamy氏は今回のサミットを、一言で「Agentic Enterprise(エージェント企業)元年」と定義しました。

AIエージェントが企業データにアクセスし、承認なしに動き続けると情報漏洩やガバナンス崩壊を招く——その問いに答えるべく発表されたのが「Agentic Control Plane」という概念です。
企業のデータ・AIモデル・ビジネスアプリケーションを統合する制御層として機能し、すべての意思決定がガバナンスと信頼に基づいていることを保証する仕組みになっています。

具体的なプロダクトとして注目されたのが次の2つです。

まず、Snowflake CoWork(旧Snowflake Intelligence)。
知識労働者のための「パーソナルAIエージェント」で、SQLを書かなくてもデータ分析ができます。
ビジネスユーザーが自然言語でエージェントと対話しながら意思決定を進める、という未来像を体現した製品です。

次に、CoCo(旧Cortex Code)。
開発者向けのエンタープライズAIコーディングエージェントで、VS Code・Claude Code・Excelとの拡張機能に加え、バックグラウンドでタスクを実行する「Cloud Agents」機能が追加されました。
手元の操作なしに処理を走らせ続けられるのは、エンジニアにとっては大きな変化になりそうです。

さらに両製品を支える共通基盤としてCortex Senseも発表されています。
AIエージェントが必要とする企業データ・業務定義・運用知識を自動的に収集し、共有コンテキスト層として提供する機能です。
今回のサミット全体を通じてハルシネーション(AIの事実誤認)対策としてコンテキストの重要性が繰り返し強調されており、Cortex Senseはその解答として位置づけられています。

「信頼は加速装置」——Anthropicとの協業が示すもの

Snowflake Japan公式アカウントもサミット期間中にこう投稿しています。

Anthropicとの取り組みに触れたこの投稿の通り、Anthropic共同創業者のDaniela Amodei氏もサミットに登壇。
「信頼は加速装置(Trust is an accelerant)」という言葉が参加者の間で印象的なフレーズとして広まっています。

AI活用を急ぐあまりガバナンスを後回しにすると、かえって失速する——その逆説的なメッセージは、企業のAI推進担当者には深く刺さったようです。
「まずガバナンスを整えることが、AIエージェントを安全に早く展開するための近道だ」というメッセージとして受け取られています。

調べたら、こんな成果事例が出てきた

一次情報として各社のプレスリリースやレポートを当たってみました。

Accentureが発表した数字が特に印象的でした。
「分析問い合わせが数週間から数秒に短縮」「コンピュート時間を85%削減」というものです。
「数週間」と「数秒」の差は単なる効率化ではなく、意思決定のプロセスそのものが変わることを意味します。

Sanofi製薬では、社内AIが営業担当に対して顧客医師の治療履歴と戦略的重要性を踏まえた訪問プランを自動生成するデモが披露されました。
「AIが判断の材料を揃える」だけでなく「次のアクションまで提案する」という段階まで来ているわけです。

また、Natoma(MCPゲートウェイプロバイダー)の買収も発表されました。
Google Drive・Slack・JiraなどのSaaSツールをAIエージェントが「安全に見られる」環境を実現する技術で、企業内のデータサイロを解消するための一手です。
ガバナンスの管理範囲を「データ」から「行動」へと拡張するという思想が、この買収からも読み取れます。

採用実績の数字も示されています。
CoWorkは前四半期比でアカウント数が2倍以上に成長し、CoCo(開発者向けコーディングエージェント)はすでに7,100以上のアカウントで稼働中とのこと。
「AIを検討している段階」から「AIが業務で動いている段階」へ、実際に移行している企業が確実に増えてきていることが数字からも読み取れます。

さらに深掘りしたい方へ

「数字が出てきた」——SaaStr AI 2026で感じた、AIエージェント時代の本格始動「数字が出てきた」——SaaStr AI 2026で感じた、AIエージェント時代の本格始動去年のAIカンファレンスには「エージェントが来る」という予告だけがあった。 SaaStr AI 2026では、具体的な数字が出てきた。

まとめ

「AIを道具として使う」フェーズから「AIがエージェントとして動く」フェーズへ——Snowflake Summit 2026は、その転換点を2万人の前で宣言した場でした。
CoWork・CoCo・Cortex Senseというプロダクト群は、エージェント時代のガバナンスをどう設計するかという問いへの、現時点での一つの答えです。
「信頼が加速装置になる」というメッセージと合わせて、しばらく頭に残りそうです。