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「女の子に仮面ライダーを勧めるなら?」——ライフネット生命公式が割り込んでエグゼイドを猛プッシュ、企業SNSの”ファンダム参入”戦略を深掘りしました

shiritomo | AI・SNS・話題のテック情報メディア by Hashout編集部 @shiritomoAI_jp 2026年6月28日 更新
「女の子に仮面ライダーを勧めるなら?」——ライフネット生命公式が割り込んでエグゼイドを猛プッシュ、企業SNSの”ファンダム参入”戦略を深掘りしました

Xを眺めていたら、思わず二度見するツイートを見かけました。

「女の子に仮面ライダーを勧めるなら?」という投稿に、ライフネット生命の公式アカウントが熱量たっぷりのリプライを添えていたのです。
推薦作品は『仮面ライダーエグゼイド』。
ピンクカラーの使い方から医療ドラマとしての完成度まで、まるで長年のファンが語るように丁寧に解説されていました。
保険会社の公式アカウントがこんな回答をするとは——気になって深掘りしてみました。

「エグゼイド生命」と呼ばれた保険会社の話

ライフネット生命公式(@lifenetter)が、Xのユーザー・えのきさんの「女の子に仮面ライダーを勧めるなら?」という投稿にリプライしたのは2026年6月のこと。

推薦のポイントは大きく2点でした。
「ピンクカラーの多用で女性層にも入りやすいデザイン」と「医療ドラマとして見ても完成度が高いストーリー構成」。
他のユーザーが電王やフォーゼを挙げる中、ライフネット生命公式はエグゼイドにこだわり、そのこだわりが470いいねを集める反響を生みました。

「企業らしからぬオタクぶり」とファンに喜ばれた——という反応も自然に出てくるのですが、実はこれには深い背景があります。

ライフネット生命 × エグゼイドの長期戦略

ライフネット生命がエグゼイドと縁を深めたのは、2016〜2017年に放送された『仮面ライダーエグゼイド』のキャスト(宝生永夢役・飯島寛騎さんほか)をCMに起用したことが発端です。
その後もシリーズは続き、最新のスペシャルWEB CMでは松田るか・飯島寛騎・岩永徹也の3名が出演し「あれからもうすぐ10年…」というフレーズで始まる力作となっています。

ファンの間では「エグゼイド生命」という愛称が定着しており、ライフネット生命公式もこれを把握していて、ある日曜日の午前中に「ライフネット生命」と「エグゼイド生命」の投稿数を比較したところ「エグゼイド生命が4倍の投稿数でした」とXで自ら報告するほど。

このポストが「企業の公式が冗談みたいなノリで自己観測してる」と話題になり、さらなる親しみを生みました。

なぜこの戦略が刺さるのか

マーケティング視点から見ると、この一連の動きには精密な設計があります。

エグゼイドをリアルタイムで視聴していたのは主に2016〜2017年当時の小中高校生。
今の彼ら・彼女らは20代後半〜30代初頭で、就職や結婚・子育てを機に生命保険を検討し始めるちょうどそのタイミングです。
「保険の話になったとき、なんとなく親しみを感じているブランドが頭に浮かぶ」——これがライフネット生命の狙いです。

さらに言えば、今回のリプライは「CMを打つ」ではなく「会話に加わる」行動です。
ファンコミュニティの文脈を読んで、自然な参加者として発言する。
470いいねは数字として大きくはありませんが、「保険会社がこんなことするの!?」という驚きが拡散力を生みます。

この構造は、先日話題になった紀文公式Xのスーパー目撃投稿(1万いいね)とも共鳴しています。
企業公式が「中の人」としてコミュニティに溶け込む動きが、SNSで相次いでいます。

紀文公式Xのスーパー目撃投稿が1万いいね、企業SNSの「ゆるさ」の正体「本当にのりふみだと思われてる…?」——紀文公式Xのスーパー目撃投稿が1万いいね、企業SNSの「ゆるさ」の正体を深掘りしましたスーパーのお菓子コーナーで、こんな親子の会話が聞こえてきたとしたら——「のりふみの肉まん、持ってきていいよ」

仮面ライダーファンの反応

ライフネット生命公式の長年にわたるエグゼイド愛についてはファンの間でも認知されており、「エグゼイド好きすぎる」「もうエグゼイド生命に社名変えて」という声が毎回SNSに流れています。

こういうファンの反応もCMリリースのたびにバズを引き起こし、6月のリプライ事件はその延長線上で起きました。
つまり、これは偶発的な「中の人の暴走」ではなく、蓄積されたブランドの文脈から生まれた「当然の一手」なのです。

さらに深掘りしたい方へ

SocialReport編集部の考察

ライフネット生命のケースが示すのは、「ファンダムへの参入」が短期的なキャンペーンではなく、長期的なブランド資産の構築として機能しているという点です。

単発のコラボCMであればここまでの共鳴は生まれなかったでしょう。
約10年かけてエグゼイドキャストを段階的に起用し、公式がファンの言語(「エグゼイド生命」という愛称)を受け入れ、さらにはXでの投稿数を自ら観測して報告する——この一貫した振る舞いがブランドキャラクターとして定着しています。

SNS担当者への示唆として考えると、「ファンコミュニティの中に居場所を作る」ことと「中の人感を演出する」ことは似て非なるものです。
ライフネット生命の場合は後者でなく前者で、だからこそ「やらされている感」がありません。
コミュニティの文脈を正確に読み、そこへの参加を蓄積する戦略は、認知や購買の「最後の一押し」になる可能性を持っています。

保険加入の決め手は価格だけではありません。
「なんとなく好き」「中の人と気が合いそう」という感覚が選択に影響する今の消費行動において、ファンダムの中に居続けるブランドは、それだけで優位な立ち位置にあると言えます。

まとめ

ライフネット生命公式のリプライは「ファンが喜ぶから」という単純な理由だけでなく、10年近い戦略の一部として成立していました。
企業公式がSNSで「自分たちらしさ」を発揮できる場を見つけ、継続的に参加し続けることが、長期的なブランド好意形成につながる——そんな事例として記憶しておきたいと思います。