Xが4000アカウントをクリエイタープログラムから除外、盗用検知は「3倍」に
150万件。
Xが今回の検知サイクルで見つけ出した「盗用投稿」の数です。
数字だけ見ても実感が湧きにくいですが、Xは2026年4月9日時点で「1分あたり208件」のペースでボットアカウントを停止しており、盗用投稿検知の150万件はそれとは性質の異なる、別軸での大規模な数字です。
SNS上で収益化に取り組んでいる人、あるいはこれから始めようと考えている人にとっては、無視できない話でしょう。
Xのプロダクト責任者ニキータ・ビア氏が7月16日に発表した更新は、クリエイタープログラムの不正対策を大きく強化するものでした。
約4000アカウントがプログラムから除外され、盗用された投稿の元の作者には合計100万ドル以上が還元される見込みです。
運用担当者やクリエイター本人が「自分は大丈夫か」を確認しておく価値は十分にあります。
先に結論をまとめると:
– Xは新しいGrokモデルで重複コンテンツの検知精度を従来の3倍に引き上げ、約4000アカウントを収益化プログラムから除外した
– ウォーターマークや導入文を加えて転載元をごまかしても、収益化された表示は元の投稿者に振り分けられる仕組みになった
– 意図的なエンゲージメント誘発(「返信してくれたらフォローします」等)を3回以上繰り返すと、プログラム除外に加えてアカウント停止の対象になる

Xで何が起きているのか
発端は、ビア氏がXで発表した「不正コンテンツへの取り締まり強化」でした。
原文の投稿を日本語に訳すと、「この1カ月、収益分配プログラムを不正利用するために、小規模アカウントの投稿を機械的に転載する大規模アカウントを複数特定しました。
現在これらの投稿を洗い出し、還元先を修正しています」という趣旨の内容です。
Some updates on the creator rev share program:
— Nikita Bier (@nikitabier) 2026年7月16日
1. Soliciting engagements (“I’ll follow everyone who replies”) 3 or more times will results in removal from the program and your account will be forwarded to the policy team for suspension. Grok now catches all of these.
Nearly…
このアナウンスに続いて、実際の個別対応も次々と公開されています。
7月4日には、ある大規模アカウントへの個別対応も投稿されました。
「コンテンツの大半がオリジナルではなく、他のクリエイターの投稿を再アップロードしたものと判明したため、収益分配プログラムから除外しました」という趣旨の通知です。
My apologies @jeetusp. It looks like we made a mistake:
— Nikita Bier (@nikitabier) 2026年7月4日
We reviewed your account and found that the vast majority of your content is not original and is simply re-uploading other creator's content.
We have removed you from the revenue sharing program. pic.twitter.com/GhbUDua7jQ
これらは一連の取り締まりの一部で、6月にも同様の除外通知が複数確認されています。
ただ、公開の場でここまで具体的に「誰が・なぜ除外されたか」を明かすやり方は珍しく、日本のクリエイター界隈でも波紋が広がっています。
調べて分かったこと
なぜ今、これほど強く取り締まるのか
TechCrunchの報道によると、今回の更新の核心は新しいGrok(Xの生成AI)モデルによる重複コンテンツ検知の精度向上です。
従来モデル比で検知精度が3倍になり、直近のサイクルだけで150万件の盗用投稿が見つかりました。
これまではウォーターマークを付けたり、冒頭に一言足したりするだけで検知をすり抜けられるケースがありました。
新モデルはそうした小細工も見抜けるようになったとされています。
ここで重要なのは、罰則の設計です。
盗用が確認されると、収益化された表示回数(インプレッション)は自動的に元の投稿者へ付け替えられます。
つまり「バレたら投稿を消せば終わり」ではなく、収益そのものが遡って本来の作者に渡る仕組みになっているわけです。
今回のサイクルでの還元総額は100万ドルを超える見込みだといいます。

エンゲージメント誘発も同時に厳格化された
もう一つの柱が、いわゆる「エンゲージメントベイト」対策です。
「返信してくれた人は全員フォローします」のような機械的な反応を誘う投稿を、意図的に3回以上繰り返すとどうなるか。
プログラムから除外されるだけでなく、ポリシーチームによるアカウント停止の審査対象になります。
単なる注意ではなく、収益停止と凍結リスクが直結する厳しさです。
これはSNS運用の実務にも直結する変更です。
フォロワー獲得や初速のエンゲージメントを稼ぐために「いいねしたら○○」「リプ欄で○○してください」といった定型文を使っているアカウントは少なくありません。
こうした運用は、意図せずガイドライン違反に該当する可能性があります。
日本のクリエイターへの影響は
日本語圏のユーザーからは、今回の発表を受けて「自然な交流を心がけよう」という呼びかけが広がっています。
他人の投稿を無断で再構成して伸ばす手法や、機械的な反応稼ぎのテンプレート投稿は、もはや軽い話では済みません。
収益化の可否だけでなく、アカウントの存続にも関わる問題になってきたと言えるでしょう。
Shiritomo編集部の考察:明日からやることは2つ
まず、自社・自分のアカウントが定型文でのエンゲージメント誘発をしていないか棚卸しすることです。
「いいねで○○をプレゼント」のようなキャンペーン文言も、頻度や表現次第では対象になり得ます。
次に、他アカウントのコンテンツを引用・転載する際は、必ず出典を明記し、単なる再構成に留めないことです。
今回の対応で興味深いのは、Xが「誰が・なぜ除外されたか」を公開の場で個別に説明している点です。
通常、プラットフォームのモデレーションは内部的に処理され、外部からは基準が見えにくいものです。
今回は透明性を高めることで、ルールの浸透を狙っているように見えます。
SNS運用担当者にとっては、こうした公開事例そのものが「何がアウトなのか」を学べる貴重な教材になります。
今後も同様の個別対応が続くようであれば、業界のガイドラインとして定着していく可能性が高いでしょう。
まとめ
Xはクリエイター向け収益分配プログラムの不正利用対策を大幅に強化し、約4000アカウントを除外、150万件の盗用投稿を検知しました。
エンゲージメント誘発の定型文にも厳しい目が向けられており、SNS運用担当者は自社アカウントの投稿スタイルを見直すきっかけにすべきタイミングです。
さらに深掘りしたい方へ
- X Cracks Down On Accounts That ‘Game The Revenue Share Program’(Forbes)
- X says it’s reducing payments to clickbait accounts(TechCrunch)
【訂正】(2026年8月16日) 「月間ボット停止件数(208件超)の何千倍」は「1分あたり208件」の誤りでした。
訂正しておわびします。