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aiboの国内販売終了から3週間、ソニーが東大とUCバークレーに試作機を貸し出した理由

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年7月18日 更新
aiboの国内販売終了から3週間、ソニーが東大とUCバークレーに試作機を貸し出した理由

6月25日、ソニーは「aibo」の国内販売終了を発表しました。
愛用者の間に動揺が広がったちょうど3週間後の7月17日、同社は今度は東京大学とUCバークレー校に研究用の試作機を貸し出すと発表しています。
同じ「aibo」というブランドをめぐって、正反対に見える二つのニュースが立て続けに出たわけです。
ロボットや生成AIの動向を追っている方には、なぜこのタイミングで研究連携が発表されたのか、背景を整理しておく価値があるニュースです。

先に結論をまとめると:
– ソニーは7月17日、aiboの研究用試作機を東京大学(岡田慧研究室)とUCバークレー校(Kanazawa Angjoo研究室)に貸与すると発表しました
– 目的は次世代aiboの製品開発とロボットの社会実装、「フィジカルAI」への応用研究への貢献です
– 7月21〜23日開催の国際学会「SIGGRAPH 2026」でも試作機を展示する予定です

「aiboは終わらない」——販売終了発表から始まった動き

話は6月25日にさかのぼります。
ソニーはこの日、現行モデル「aibo」の国内販売を在庫がなくなり次第終了すると発表しました。
ただし修理やサポート、アプリ運営といったサービスは継続するとしており、事業そのものをやめるわけではないという説明も添えられていました。
それでもXでは動揺の声が広がっています。

「aiboをあきらめない」という愛用者の投稿が広がったのも、この頃のことです。
ただ、販売終了の発表だけを見ていても、ソニーが次に何をしようとしているのかは分かりません。
そこで7月17日に出た新しい発表を確認してみました。

なぜ今、大学と組む必要があったのか?

調べてみると、7月17日の発表内容はこうでした。
貸与先は東京大学大学院情報理工学系研究科の岡田慧教授の研究室と、UCバークレー校電気工学・コンピュータサイエンス学科のKanazawa Angjoo助教授の研究室の2カ所です。
ここへaiboの研究開発用試作機と開発ツールを貸し出すというものでした。
東大側は「人とロボットが共生する社会」の実現に向けて、社会性や触覚を活かした学習技術を研究するとしています。
一方のUCバークレー側は、他者との身体的なやり取りや触覚情報を取り入れたロボット学習アルゴリズムの開発を目指すとしています。
愛用者の投稿にあったような「あきらめない」という思いは、あながち的外れではなかったようです。

aiboがロボット研究に選ばれた理由

ここで気になるのは、なぜ工場用ロボットではなく犬型のaiboが研究対象に選ばれたのかという点です。
ソニーの説明によれば、aiboは人との触れ合いを前提に設計された「社会性ロボット」であり、産業用ロボットとは根本的に性質が異なります
効率よく物を運んだり組み立てたりする能力ではなく、人の表情や仕草を読み取り、寄り添うように振る舞う能力こそがaiboの本質だということです。
この特性が、いま業界で注目されている「フィジカルAI(現実世界で身体を持って動作するAIの総称)」の研究に向いていると判断されたわけです。
実際、「フィジカルAI」という言葉自体、この夏のAI業界で急速に存在感を増しているキーワードです。
半導体大手のCEOも来日時に「次の産業革命」として繰り返し言及していました。
ソニーの今回の動きも、そうした業界全体の潮流と無関係ではなさそうです。
商業化の具体的な時期はまだ未定ですが、SIGGRAPH 2026での展示を通じて、研究成果が世界に広く共有される見通しです。

Shiritomo編集部の考察:LLMの次はロボットの「身体」が競争軸に

これまでのAI業界の話題は、ChatGPTやClaudeのような対話型AI(LLM)の性能競争が中心でした。
しかし今回のソニーの動きは、AIが「言葉」だけでなく「身体を通じた学習」でも競争が始まっていることを示しています。
SNS担当者やマーケターの視点で見れば、aiboのような親しみやすいキャラクター性を持つロボットには強みがあります。
単なる技術デモ以上にブランドとの相性が良く、ファンコミュニティを巻き込みながら研究を進められる点です。
今後、他の家電・玩具メーカーも同様に「愛着のわく既存製品」を研究プラットフォームへ転用する動きが広がるかもしれません。

まとめ

販売終了の発表から3週間、ソニーは「aiboの終わり」ではなく「次世代aiboの始まり」を示す形で東大・UCバークレーとの連携を発表しました。
フィジカルAI研究の進展とともに、aiboというブランドがどう再定義されていくのか注目です。

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