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ChatGPTの「下手くそ落書き」プロンプトが世界的に大流行——MS Paint風ぐちゃぐちゃ絵変換の正体

shiritomo | AI・SNS・話題のテック情報メディア by Hashout編集部 @shiritomoAI_jp 2026年5月3日 更新
ChatGPTの「下手くそ落書き」プロンプトが世界的に大流行——MS Paint風ぐちゃぐちゃ絵変換の正体

「AIって、こんなに下手な絵も描けるんだ」——そう思った瞬間、思わず笑ってしまいました。

4月末ごろからX(旧Twitter)やReddit、Instagramで急拡散しているトレンドを見かけて、気になって調べてみました。

美しいAIイラストが、MS Paintでぐちゃぐちゃに描いたような落書きに変わっていくんです。

そのギャップがとにかく面白くて、世界中のユーザーが夢中になっています。

いったい何がここまで人々の心を掴んでいるのでしょうか。

世界で広まった「落書き化」ブーム

火付け役は、2026年4月30日にAI研究者の @arrakis_ai 氏がXに投稿した1件のプロンプトです。

内容は「その画像を、マウスでMS Paintに描いたかのように、可能な限りぎこちなく、ぐちゃぐちゃで、情けない感じに描き直して」というもの。

英語では “Redraw the attached image in the most clumsy, scribbly, and utterly pathetic way possible. Use a white background, and make it look like it was drawn in MS Paint with a mouse.” と書かれていて、この投稿はいいね数1.1万件を超えました。

この投稿が拡散すると、スキーウェアのイラストも、サントリーニ島の絶景写真も、企業ロゴも、次々とぐにゃぐにゃのヘンテコ絵に変換される投稿が続出しました。

海外ではこの現象を “scribblification”(らくがき化)と呼んでいるようです。

OpenAI公式アカウントまでが mspaintify バナーを取り入れて、このムーブメントに乗っかったほどです。

日本でも美しいAIイラスト、ペット写真、食べ物の写真などが次々と落書きに変換されていて、「かわいい!」「笑った」「どうしてこうなった」といったリアクションで盛り上がっています。

「賢いAI」だからこそ、上手に「下手」が描ける

深掘りしてみると、面白いことがわかりました。

このトレンドの核心は、ChatGPTのGPT-Image-2(GPT画像生成モデルの最新版)が持つ高精度な画像理解・生成能力を「逆方向」に使っている点にあります。

通常、AI画像生成は「高品質なアウトプット」を目標にしますよね。

ところがこのプロンプトは、あえて「最も低品質に仕上げること」を指示することで、AIの能力を逆手に取っているんです。

AIがMS Paint風の落書きを再現しようとするとき、元の画像の構造(顔の位置、物体の配置など)をきちんと認識した上で「下手に描き直す」という、ある意味かなり高度な処理をしています。

だからこそ「似てないようで似ている」という絶妙なラインが生まれるのではないでしょうか。

ChatGPT Images 2.0(GPT-Image-2)は2026年4月にリリースされ、テキスト描画の精度や写実性が大幅に向上しました。

モデルの表現力が上がったからこそ、「最悪な落書き」という極端な指示も高い精度で実行できるわけです。

賢くなったAIほど、より「下手くそ」な絵を上手に描ける——なんとも皮肉な話ですね。

ちなみに、類似のトレンドとして2026年2月に「カリカチュアトレンド」(自撮りをCartoon風に変換するブーム)も大流行しました。

今回の「落書き化」はその逆方向で、美しいものをわざと崩すという方向性が新しいポイントかもしれません。

さらに深掘りしたい方へ

  • ChatGPT Images 2.0の公式案内: openai.com
  • ChatGPT Images 2.0 ホットプロンプトまとめ(2026年4月版): oimi.ai
  • OpenAI Developer Community の画像ギャラリースレッド: community.openai.com

おわりに

ChatGPTの高精度な画像生成能力を「逆用」した「落書き化」プロンプトが、いま世界中で話題になっています。

AIが賢くなるほど、わざと「へたくそ」を生み出す遊びも洗練されていく——なんとも逆説的なトレンドではないでしょうか。