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フクチマミ氏の漫画が刺す「炎上に飛びつく自分」——処罰欲求とドーパミンの正体

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年7月24日 更新
フクチマミ氏の漫画が刺す「炎上に飛びつく自分」——処罰欲求とドーパミンの正体

3枚組の漫画が、公開からわずか24時間で100万ビューを超えました。
7月23日、漫画家・イラストレーターのフクチマミ氏が投稿したのは、炎上案件を見かけるたびについスマホを構えてしまう自分自身を描いた作品です。
「これは正しいことをしている」という気分と、その裏側で脳が放っているとされるドーパミンの快楽を、たった3枚で言い当てています。

自分にも心当たりがある、という人は少なくないはずです。
炎上を追いかける行為がSNS上でどう増幅し、どんな企業リスクにつながっていくのかを知っておくことは、SNS担当者にとって決して他人事ではありません。
この記事では、漫画が指摘した「処罰欲求」の正体と、それが企業アカウント運用にどう関わってくるのかを整理します。

先に結論をまとめると:
– フクチマミ氏の漫画は「炎上に加担する自分」を可視化し、24時間で100万ビュー超を記録した
– 「叱る」「罰する」という行為は、脳の報酬回路(快楽や意欲を生み出す神経の仕組み)を刺激するとする研究・専門家の指摘がある
– SNS担当者にとっては、炎上の“燃料”が正義感由来だと理解しておくことが、初動対応や謝罪文設計のヒントになる

フクチマミ氏の漫画が突きつけた「自分ごと」の炎上心理

今回話題になった漫画は、新刊『〈叱る依存〉がとまらない』(村中直人氏著)のプロモーションを兼ねた投稿でした。
内容は、炎上案件が流れてくると「正義の味方」になった気分でスマホを手に取ってしまう自分の姿を描き、その快感の裏にある心理を解説するというものです。
SNSで拡散したのは、批判している側の後ろめたさをそのまま代弁したような構成だったからでしょう。

元の投稿はこちらです。

反応は一様ではありませんでした。
「まさに自分のことだ」と共感する声が広がる一方、炎上への飛びつきを揶揄する「ドパガキ(ドーパミンに突き動かされて叩きに来る人、を指すネットスラング)」という言葉も飛び交い、社会学者やイラストレーターらの間でも賛否が分かれています。
ただ、この「共感」と「反発」が同時に起きること自体が、漫画が描いた構造——正義感の裏にある快楽——を裏付けているとも言えそうです。
では、その快楽の正体は実際どういう仕組みなのでしょうか。

調べて分かったこと

なぜ人は炎上に飛びつくのか?

脳科学者の中野信子氏は、こうした心理を「正義中毒」という言葉で説明しています。
脳が「自分は正しいことをしている」と判定した瞬間にドーパミンが放出され、快楽中枢が刺激されるという指摘です。
この快楽に慣れてしまうと、罰する対象を無意識のうちに探し求めるようになり、簡単には抜け出せなくなるとされています。
集団の同質性を重んじる傾向が強い日本社会では、この構造が特に働きやすいという見方もあります。

「叱る依存」とは何か?

フクチマミ氏の漫画が紹介していた新刊のテーマである「叱る依存」も、根っこは同じ現象を指しています。
著者の村中直人氏(臨床心理士)は、叱るという行為が叱られる側の成長にはほとんど効果がない一方で、叱る側の脳では報酬回路が働き、ドーパミンが分泌されると説明しています。
つまり「相手のため」のつもりでも、実際には叱る本人の快楽が行為を継続させている、という構図です。
紀伊國屋書店出版部も新刊のプロモーションとして、精神科医・松本俊彦氏との対談動画を紹介する投稿を行っています。

なぜ賛否が分かれたのか?

一方で、この漫画には「ドパガキ」という揶揄も向けられました。
炎上に加担する人を茶化すような言葉が広がったこと自体、「自分は違う」と距離を置きたい心理が働いた結果とも読めます。
社会学者やイラストレーターの反応が割れたのも、炎上心理を「誰にでも起こりうる仕組み」として捉えるか、「一部の人の問題」として切り離すかで立場が異なったためでしょう。
断定はできませんが、この分裂そのものが、正義感と快楽が絡み合う構造の複雑さを表しているのではないでしょうか。

Shiritomo編集部の考察:明日からやることは2つ

炎上の心理メカニズムを理解することは、SNS担当者にとって単なる雑学ではありません。
まず1つ目は、炎上初期の投稿者が「正義感」で動いていると前提すること。
感情的な反論や火消しを急ぐと、相手の処罰欲求を刺激し、かえって延焼を招きます。
事実確認と謝罪の順序を丁寧に踏むほうが、鎮火は早まる傾向があります。

2つ目は、社内向けのリスク教育に「処罰欲求」という言葉を持ち込むことです。
炎上に飛びつくのは特別な人ではなく、誰の脳にも備わった快楽の仕組みだと共有しておくと、担当者自身が野次馬的な拡散に加担するリスクや、SNS運用中の感情的な投稿を防ぐ効果も期待できます。
フクチマミ氏の漫画がここまで広がったのは、専門書の内容を「自分ごと」に翻訳したからです。
企業の炎上対応マニュアルも、同じように「なぜ人はこうなるのか」を平易に言語化しておく価値があるでしょう。

まとめ

フクチマミ氏の漫画は、炎上を追いかける行為の裏にある処罰欲求とドーパミンの快楽を、3枚のイラストで可視化してみせました。
SNS担当者にとっては、この心理構造を知ること自体が、炎上対応の質を左右する武器になるはずです。

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