商品名は「マーメイドブランケット」なのに人魚はいない——白菜やツタンカーメンが着る毛布、1万3800いいねの正体
ワニ、シャチ、白菜、ツタンカーメン。
11種類のラインナップに、肝心の「人魚」は入っていません。
それでも商品名は「マーメイドブランケット」。
このねじれた商品説明そのものがXで拡散のきっかけになり、公式アカウントの告知投稿は1日で1万3800件超のいいねを集めました。
SNS運用の現場では「バズる投稿文」を頑張って考えがちですが、今回話題になったのは投稿文の技巧ではなく、商品そのものに仕込まれた「ツッコミどころ」でした。
何が拡散を後押ししたのか、公式サイトの情報もあわせて確認しながら掘り下げます。
先に結論をまとめると:
– 「マーメイド」なのに人魚デザインが存在しないという名前と実物のギャップが、ユーザーの自発的なツッコミ投稿を誘発した
– 単発の新商品ではなく、2024年から続く定番シリーズの最新版であり、「今年は何が来るか」という期待の蓄積が拡散力を底上げしていた
– グループ内の姉妹アカウントが同じ内容を独自の切り口で投稿し、フォロー層の異なる読者にリーチを広げていた
白菜がブランケットになる日(Xでの盛り上がり)
しまむらグループのカジュアルブランド「アベイル」が7月25日、秋冬の新商品として発表したのが「マーメイドブランケット」です。
ワニ、ジンベイザメ、シャチ、ホオジロザメ、クジラ、白菜、マグロ、アナコンダ、ダイオウイカ、ロブスター、ツタンカーメン。
動物や食材、果てはエジプトの王までもがモチーフになった、着る毛布です。
公式アカウント(@gravail)の告知はこちらです。
\しまむらパーク(オンラインストア)限定/
— アベイル@しまむらグループ (@gravail) 2026年7月25日
7/27(月)12:00~ オンラインストアで「#ワニ」「#ジンベイザメ」「#シャチ」「#ホオジロザメ」「#クジラ」「#白菜」「#マグロ」「#アナコンダ」「#ダイオウイカ」「#ロブスター」「#ツタンカーメン」デザインの #マーメイドブランケット を販売!… pic.twitter.com/uZWxmGpriI
投稿を見たユーザーからは「全部欲しい」「シャチかジンベエザメか迷う」といった声が相次ぎました。
販売はしまむらグループの公式オンラインストア「しまむらパーク」限定で、7月27日正午から。
価格は税込3,600円前後とされています。
店頭では扱わず、オンライン限定というのも「見逃したくない」という気持ちを刺激した一因かもしれません。
ただ、ここまでは「かわいい新商品が話題になった」というよくある話にも見えます。
実際に何が拡散を後押ししたのか、もう少し掘り下げてみました。

なぜ「マーメイド」なのに人魚がいないのか?
商品ラインナップを見て真っ先に気づくのは、名前の由来である「人魚」のデザインが1種類も含まれていないことです。
看板には「人魚」とあるのに、中身は動物と野菜とファラオ。
この分かりやすいギャップが、「言われてみれば変だ」と気づきやすく、誰でも参加しやすいツッコミどころになっていたようです。
実際、しまむらグループ内の姉妹アカウント「しまパト」(@shimapatobu)も同じ商品を独自の文面で紹介していました。
フォロワー層の異なる読者に、情報が二重に届く構造ができていたのです。
アベイル『マーメイドブランケット』秋冬の新商品が2026年7月27日(月)より新発売!https://t.co/VkWoofcys8#しまむら #ブランケット #アニマルブランケット #アベイル
— しまパト@ファッションセンターしまむら (@shimapatobu) 2026年7月25日
ワニ
ジンベイザメ
シャチ
ホオジロザメ
クジラ
白菜
マグロ
アナコンダ
ダイオウイカ
ロブスター
ツタンカーメン… pic.twitter.com/zgQrjHx1QI
一つの商品を複数の公式アカウントが少しずつ違う切り口で紹介する手法があります。
フォロワーの重複が少ないアカウント同士なら、単純にリーチ(投稿が届いたユーザーの延べ数)が足し算されるのです。
しかも投稿のタイミングが近ければ、タイムライン上で「あちこちで見かける」印象を作れます。
一過性のバズではない?シリーズの歴史をたどる
さらに公式オンラインストアの商品ページやまとめブログを確認すると、この「マーメイドブランケット」は今年いきなり登場した商品ではないことが分かりました。
2024〜2025年にも同シリーズが販売されていたのです。
当時の価格は税込3,300円で、ジンベイザメやシャチ、ワニ、ツタンカーメンといった定番デザインがすでに存在していました。
2026年版ではダイオウイカ、白菜、アナコンダが新たに加わった形です。
つまり今回の拡散は「新商品への驚き」だけでなく、「今年はどんな新デザインが来るか」というリピーターの期待も後押ししていたと考えられます。
「今年は何が追加されるか」を楽しみに待つファンがいるという状態は、単発商品にはない強みです。
実際、ユーザーの反応の中には商品名と見た目のギャップを面白がる声だけでなく、過去のデザインを踏まえた「今年も出た」という反応も見られました。
めっちゃ欲しい!!
— くまこ🐻🔰完走祈願24653日目 (@kumakokangeki) 2026年7月25日
商品名「マーメイドブランケット」なのにマーメイドいない!
どうしよう全部欲しい!w#アベイル #マーメイドブランケット https://t.co/BVVRKNSBAI
Shiritomo編集部の考察:シリーズ化と複数アカウント連携が生む相乗効果
今回の事例からSNS運用担当者が持ち帰れる示唆は2つあります。
1つ目は、「毎年恒例」という文脈を作れる商品・企画は、単発の新商品よりも拡散の土台ができているということです。
過去の反響を知っているフォロワーは「今年は何だろう」と能動的に情報を待つ姿勢になり、投稿への反応速度が上がります。
新商品を都度ゼロから告知するより、シリーズ化して積み重ねる設計のほうが、投稿単体の完成度に依存しない安定した拡散が見込めます。
2つ目は、グループ内の複数アカウントでの告知分担です。
同じ内容でも、フォロワー層が異なるアカウントが独自の文面で発信すれば、単純なリツイートより新規リーチが広がります。
ただし文面を完全に使い回すとタイムライン上で「同じ投稿が流れてきた」という冷めた印象を与えかねません。
今回のように文体や強調するポイントを変える工夫が、露出を増やしつつ違和感を減らすポイントになりそうです。
まとめ
「マーメイドなのに人魚がいない」というギャップと、シリーズ化された商品への期待、そして姉妹アカウントの連携投稿。
この3つが重なったことで、単なる新商品告知が1万3800いいね超の反応を集める投稿に育ちました。
さらに深掘りしたい方へ
商品の詳細や過去のシリーズ展開が気になった方は、以下も参考にしてください。