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Xのプレゼント企画、拡散の主役は「フォロワー2,813人」の普通の人だった

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年7月28日 更新
Xのプレゼント企画、拡散の主役は「フォロワー2,813人」の普通の人だった

「バズらせたいなら、大型インフルエンサーに拡散してもらうのが近道」。
Xのプレゼントキャンペーンを設計するとき、そんな前提で予算を組んでいないでしょうか。
ところが2026年6月の1か月間に打たれた416件のキャンペーンを1件ずつ数えてみると、リポストを押していたのはフォロワー数千人規模の、名前も知らない普通のユーザーが中心でした。

これはSNS分析サービス「SocialReport」を運営する当社(株式会社hashout)が、6月にいいね5,000件以上を集めたプレゼントキャンペーン416件を全数で実測した調査です。
キャンペーンを打つ側にとって、「誰に届けば伸びるのか」という前提を考え直すきっかけになる数字が並んでいました。

先に結論をまとめると:
– 拡散の担い手のフォロワー中央値は2,813人。
10万超の大型アカウントは全体の2%しかいなかった
– 業種で拡散力に2〜3倍の差があり、よく伸びたのは菓子・小売・外食
– 「自社商品プレゼント」は全体の約半数を占め、コラボグッズ企画の2倍以上リポストされていた

416件を数えてわかった「拡散の等身大」

まずは全体の規模から見ていきます。
今回対象にした416件のリポスト数は中央値で20,638件、最大は218,166件でした。
表示回数(インプレッション:投稿が表示された延べ回数)の中央値は43万回。
プレゼント企画が今もXで大きなリーチを生み続けていることがわかります。

そのうえで一番のポイントが、「誰が拡散したのか」でした。
主要100キャンペーンから延べ408アカウント(ユニーク287)の拡散者を調べたところ、フォロワー数の中央値はわずか2,813人。
1千〜1万フォロワーの層が全体の55%を占め、10万を超える大型アカウントはたった2%でした。
拡散を支えていたのは一部の著名インフルエンサーではなく、フォロワー数千人の等身大のユーザーが一件ずつ押したリポストの積み重ねだったのです。

ただ、この数字だけを見て「一般ユーザーに投げれば勝手に広がる」と考えるのは早計です。
なぜこの層が中心になったのか、もう少し掘り下げてみます。

なぜ大型インフルエンサーではなかったのか?

拡散者の97.8%(408件中401件)は、いわゆる青バッジ(認証マーク)の付いたアカウントでした。
ここで気をつけたいのが、今の青バッジの意味です。
かつては著名人の証でしたが、現在は「X Premium」という有料サブスクリプションに加入すれば個人でも付けられる仕組みに変わっています(フォロワー2,500人以上などへ無料付与される例外もあります)。

有料プランの加入者は投稿が優先的に表示されやすくなるため、リポストが人目に触れやすくなります。
プレゼント企画に積極的に参加する層と、この「表示されやすさ」を持つ層が重なった結果が、97.8%という数字だと読めるでしょう。

もう一つ興味深いのが、常連の存在です。
ユニーク287アカウントのうち、複数のキャンペーンに繰り返し登場した「常連」は54アカウント。
この54人が延べ拡散数の43%を占めていました。
ただ、その常連層でもプロフィールに懸賞・当選といった記述があったのはユニークベースで25%にとどまります。
「懸賞垢が数字を作っている」というより、キャンペーン好きの一般ユーザーが自然に何度も参加している、という構図に近いようです。

業種で拡散力はこれだけ違う

「同じプレゼント企画でも、うちの業種だと伸びないのでは」と感じる担当者もいるかもしれません。
実際、業種による差ははっきり出ていました。

件数が多かったのは外食102件、菓子82件、ゲーム・エンタメ79件の順。
一方でリポスト中央値が高かったのは菓子29,336件、小売・EC23,040件、外食22,409件でした。
件数と拡散力は必ずしも一致せず、菓子のように「実施数も多く、しかもよく伸びる」ジャンルがある一方、参加ハードルの低い日常消費財が強いという傾向が見えます。

賞品の設計でも差がありました。
今回のキャンペーンの約半数にあたる207件は「自社商品プレゼント」で、リポスト中央値は24,586件。
対してコラボグッズ企画86件は10,231件と、自社商品のほうが2倍以上拡散していました。
フォロー&リポスト型は応募ハードルが低く拡散力が高い手法として知られますが、「その商品そのものが欲しい」と思わせる自社商品の強さが、数字にも表れた形です。

Shiritomo編集部の考察:予算の置きどころを変える

この調査からSNS担当者が持ち帰れる示唆は、大きく2つあると考えています。

1つ目は、拡散予算の重心を「一人の大型アカウント」から「多数の等身大ユーザー」へ移すという発想です。
フォロワー中央値2,813人・大型アカウント2%という数字は、拡散が少数のインフルエンサーではなく、無数の一般参加者の総和で作られていることを示しています。
狙うべきは「バズらせてくれる誰か」ではなく、「普通の人が押したくなる賞品と、参加のしやすさ」ではないでしょうか。

2つ目は、業種・賞品ごとのベンチマークを持つことです。
菓子と外食では拡散力が違い、自社商品とコラボグッズでも2倍の差が出ます。
自社の企画を「前回比」だけで評価するのではなく、同じ業種・同じ賞品タイプの中央値と比べることで、初めて成否を正しく判断できます。
感覚ではなく、こうした実測値を基準に企画を組み立てられるかどうかが、これからのX運用の分かれ目になりそうです。

まとめ

Xのプレゼントキャンペーンを動かしていたのは、フォロワー数千人の等身大のユーザーでした。
派手なインフルエンサー起用よりも、「普通の人が参加したくなる設計」と「業種・賞品ごとの現実的なベンチマーク」を持つこと。
それが拡散を狙ううえでの近道になりそうです。

さらに深掘りしたい方へ

出典:本文中の数値は、株式会社hashoutが2026年7月27日に公開した調査リリース「2026年6月のXキャンペーンを416件実測、拡散の担い手は中央値2,813フォロワーの一般ユーザーが中心」およびSocialReportの集計に基づく。