「VAIO Zの変形機構が復活」――10年越しの変形機構、37万4000円で復活させた理由
画面をくるりと裏返すと、ノートパソコンが一瞬でタブレットに変わる。
ディスプレイを180度回して相手に見せる「ビューモード」もある。
VAIOが2026年9月10日に発表した新型ノートPC「VAIO T」は、そんな3つの顔を持つ1台です。
実はこの「画面をひっくり返す」という発想、VAIOにとって初めてではありません。
約10年前に一度姿を消した機構が、AI時代のPCとして装いを新たに戻ってきました。
なぜ今、あえて過去の機構を掘り起こしたのか。
価格や仕様を調べながら、その背景を追ってみます。
先に結論をまとめると:
– VAIOは13.3型の個人向けPC「VAIO T」と法人向け「VAIO T work」を発表。
画面を回転させる独自の「マルチフリップ機構」で、ノート・タブレット・ビューの3モードを切り替えられる
– 約10年前のVAIOにあった変形機構を、Copilot+ PC対応の最新プロセッサーで現代仕様に再構築したもの
– 個人向けの最小構成価格は税込37万4000円から。
受注は9月18日午前10時開始、ノジマ店頭では9月22日から受け取れる
何が起きたのか
VAIO公式アカウント(@PressVaio)が発売記念のリポストキャンペーンを告知したところ、投稿は3,600件を超える「いいね」を集めました。
【VAIO T】9/18(金)受注開始
— VAIO【公式】 (@PressVaio) 2026年9月10日
\プレゼントキャンペーン/
「VAIO T|勝色特別仕様」を
抽選で1名様に。
①@PressVaio をフォロー
②この投稿をリポスト
〆切 9/17(木)9:59まで
↓商品特長はこちらhttps://t.co/m6hbpuj8b3 pic.twitter.com/AmesNDYagT
画像を見ると、同じ13.3型ディスプレイが「ノートPCの形」「タブレットのように画面だけを立てた形」「机の上に薄く広げた形」の3通りに変わっている様子がわかります。
ヒンジ部分にVAIOのロゴが入った紺色のボディで、キーボード面を内側に折り込めばそのままタブレットとして持ち歩ける仕組みです。
テック系メディアのPC Watchも「VAIO Zの変形機構が復活」と速報しています。
VAIO Zの変形機構が復活。マグネットで変形する「VAIO T」 https://t.co/zcfYXZhtP3 #VAIO pic.twitter.com/5JD0zX3YcF
— PC Watch (@pc_watch) 2026年9月10日
ただ、SNSの反応だけでは「なぜ今このタイミングで、しかもこの形を選んだのか」までは見えてきません。
VAIOの公式発表と各メディアの報道をもとに、もう少し詳しく調べてみました。
調べて分かったこと
なぜ「マルチフリップ機構」なのか?
この変形機構は、2013年発売の「VAIO Fit 13A」で採用され、2015年・2016年の「VAIO Z」にも引き継がれてきたもので、約10年ぶりの復活です。
当時は画面を回転させてタブレット化する際に「リリースラッチ」で固定を解除するワンクッションが必要でしたが、VAIO Tではマグネット式の新機構によってその手間がなくなりました。
ディスプレイを全面ガラスで覆った「フラッシュサーフェスタッチディスプレイ」や、AI処理に対応したインテルCore Ultraプロセッサーとも組み合わせ、現行のCopilot+ PC規格に合わせて作り直したモデルです。
単なる懐古ではなく、「1台で複数の使い方に対応したい」という近年のニーズに、過去の機構を今の技術で改良して当てはめた格好です。
スペックと価格はどうなっているのか?
ディスプレイは13.3型ワイドで、解像度はWQXGA(2560×1600ドット)のタッチパネル。
CPUは省電力寄りのCore Ultra 5 325と、性能重視のCore Ultra 7 356Hから選べるほか、外部GPU「Intel Arc B390」を積んだ上位構成のCore Ultra X7 358Hモデルも用意されています。
価格はVAIOストアの最小構成で税込37万4000円から、紺色の特別仕様「勝色」は42万3500円から。
ノジマ店頭モデルは16GB構成で43万7800円、32GB構成で52万5800円です。
ストア価格と量販店価格で6万円以上の差がある点は、購入先を選ぶ際に意識しておきたいところです。
いつから買えるのか?
受注開始は9月18日午前10時から。
ノジマ店頭では受注開始と同時の9月18日から実機を展示し、9月22日から発売・受け取りが可能です。
VAIOストアでは9月30日以降の出荷予定です。
法人向けの「VAIO T work」も同時発表されており、個人向けモデルと基本設計を共有しています。
Shiritomo GADGET編集部の考察:なぜ「変形」より「両立」が響くのか
3-in-1のPCは目新しい発想ではありません。
2-in-1のデタッチャブル型やコンバーチブル型は各社がすでに手がけています。
それでもVAIO Tが注目されたのは、「タブレットに変形できる」ことより、「ノートPCとしての完成度を落とさずに変形できる」という両立の部分だと見ています。
フリップ機構は可動部が増えるぶん壊れやすいという印象を持たれがちで、過去に姿を消した理由もそこにあった可能性があります。
今回はガラス一枚板のディスプレイやCopilot+ PC対応チップなど、耐久性と処理性能の両面を底上げした上での再挑戦です。
価格が37万円からとかなり高めな分、「変形ギミックのための犠牲」がどこにもないかを、実機レビューが出そろうタイミングで改めて確認する価値がありそうです。
まとめ
VAIO Tは、約10年前に一度姿を消したフリップ機構を、AI時代のPCとして作り直した1台です。
ノート・タブレット・ビューの3モードを1台でこなせる利便性と、37万円からという価格のバランスをどう見るかが、購入を検討する上でのポイントになりそうです。