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KEFが新ワイヤレスアクティブスピーカー「LS LUXE」を発表

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年7月31日 更新
KEFが新ワイヤレスアクティブスピーカー「LS LUXE」を発表

英国ウェールズ出身のデザイナー、ロス・ラブグローブ氏は、もともと6年間シェフを志して調理を学んでいた人物です。
その後マンチェスター工科大学で工業デザインを、ロンドンの王立芸術大学院で修士号を取得し、frogdesignでソニーやアップルの製品開発に携わりました。
独立後にはエールバス・インダストリーやルイ・ヴィトン、ヴィトラといった名だたるブランドのプロダクトを手がけ、「キャプテン・オーガニック」の異名を持つほど有機的で彫刻的なフォルムを追求してきたデザイナーです。

そのラブグローブ氏が新たにデザインを担当したのが、英オーディオブランドKEFの新型ワイヤレスアクティブスピーカー「LS LUXE」。
7月30日、KEFはこの製品を正式に発表しました。

価格はペアで71万5,000円(税込)
1台あたり35万円を超える計算で、KEFのワイヤレススピーカーとしては最上位クラスに位置づけられます。
「そんなに高いスピーカーの中身はどうなっているのか」と気になった方も多いのではないでしょうか。
この記事では、LS LUXEの技術仕様と販売スケジュールを一次情報から整理してお伝えします。

先に結論をまとめると:
– 価格はペア71万5,000円(税込)、7月30日からmyKEF会員限定の先行販売がスタート
– デザインはエールバスやルイ・ヴィトンを手がけた工業デザイナー、ロス・ラブグローブ氏が担当
– 電流駆動型アンプと新開発の速度制御技術「VECO」を初採用し、低音の歪みを抑える設計

71万5,000円のスピーカーが背負う「顔」

KEFによると、LS LUXEの外観は丸みを帯びた継ぎ目のないキャビネットが特徴です。
カラーバリエーションはエクリプス・ブラック、ダスク・チタニウム、ミネラル・ホワイトの3色展開。
いずれも艶やかな仕上げで、インテリアの主役になり得るデザインに仕上げられています。

販売スケジュールも段階的です。
7月30日からKEF直営店でmyKEF会員限定の先行販売がスタートし、8月13日には会員以外も直営店で購入可能に、8月25日には全国のKEF正規販売店で一般発売となります。
myKEFはKEFが運営する無料会員プログラムで、新製品情報や限定オファーへの早期アクセスが受けられる仕組みです。
専用のフロアスタンド「S-LUXE」も別売で用意されています(国内価格は現時点で公式に未確認)。

ただ、価格とデザインの話だけでは「なぜこの価格になるのか」が見えてきません。
そこでKEFが公開した技術仕様を確かめてみました。

中身はどこまで「新しい」のか?

まず土台となるのが、第12世代となる6.5インチのUni-Qドライバー(ツイーターとウーファーを同軸上に配置する構造で、音源の位置が一点に定まって聴こえるのが特徴)です。
振動板の背面にはメタマテリアル吸収技術(MAT:微細な構造で不要な音波を吸収する技術)を搭載し、KEFの説明では不要音の99%を吸収するとされています。

VECOとは何か

今回のモデルで初めて採用されたのが、速度制御技術「VECO」(Velocity Control Technology)です。
ドライバーに組み込んだセンサーで振動の動きをリアルタイムに監視し、アンプ側にフィードバックする仕組みで、KEFは「低音の歪みを抑える」効果があるとしています。
低音再生は振動板が大きく動く分、動きの制御が難しい領域です。
車のトラクションコントロール(タイヤの空転を検知してエンジン出力を調整する仕組み)に近いイメージだと捉えると分かりやすいかもしれません。

電流駆動型アンプの狙いは

アンプ構成は、低中域(LMF)用に280W Class D、高域(HF)用に100W Class ABを搭載する2ウェイ構成です。
ここでKEFが初めて採用したのが「電流駆動型アンプ」という方式。
一般的なオーディオアンプの多くは電圧を基準に駆動する「電圧駆動型」ですが、電流を基準に駆動することでスピーカーユニットの動きをより精密にコントロールしやすくなるとされています。
VECOのセンサー情報を活かす上でも、理にかなった組み合わせと言えそうです。

音響処理には「Music Integrity Engine(MIE)」と呼ばれるDSP(デジタル信号処理)アルゴリズムも搭載。
楽曲ごとの特性を解析し、原音に近い再生を目指すというのがKEFの説明です。

ワイヤレス機能は同社のW2ワイヤレスプラットフォームに対応し、24bit/384kHzまでのロスレス再生に対応します。
Tidal、Amazon Music、Qobuz、Deezerといった主要な音楽ストリーミングサービスにも対応し、複数台をつないだマルチルームオーディオも利用できます。
なお、KEFとラブグローブ氏の協業は今回が初めてではなく、過去にはフロア型スピーカー「Muon」やヘッドフォン「Mu」、ポータブルスピーカー「Muo」でも組んでいます。
LS LUXEはその延長線上にある製品と見てよさそうです。

Shiritomo GADGET編集部の考察:価格の高さをどう読むか

71万5,000円という価格は、一般的なワイヤレススピーカーの感覚からすると簡単に頷ける数字ではありません。
ただ、今回の仕様を見る限り、価格の根拠は「デザイン料」だけではなく、VECOと電流駆動アンプという新しい駆動制御の組み合わせに置かれているように見えます。
これはプロ用のスタジオモニタースピーカーが採用してきた、振動板の動きを電子的に監視・補正する発想に近く、ホームオーディオとプロ機材の技術的な境界がじわじわと溶けてきているとも言えるでしょう。

もう一つ興味深いのは、KEFがこの価格帯でも「聴くための機能」より先に「置くための見た目」を前面に出している点です。
LS LUXEのようなオールインワン型アクティブスピーカーは、単体でアンプ・DAC(デジタル信号をアナログに変換する装置)・ワイヤレス受信機を内蔵するため、大掛かりなシステムを組まなくても本格的な音を鳴らせます。
インテリア性と設置の手軽さを両立させた高級スピーカーというジャンルは、今後さらに広がっていくかもしれません。

まとめ

KEF「LS LUXE」は、著名デザイナーとの協業による外観だけでなく、VECOと電流駆動アンプという駆動制御まわりの新技術を投入した、71万5,000円という価格に見合う中身を備えたモデルだと言えそうです。
8月25日の一般発売以降、実機レビューがどこまでこの仕様どおりの音を鳴らすのか、続報を追いかけていきたいところです。

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