MiniMax AIがマルチモーダル生成モデル「MiniMax H3」を正式リリース

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年8月1日 更新
MiniMax AIがマルチモーダル生成モデル「MiniMax H3」を正式リリース

1秒あたり0.14ドル。
中国MiniMaxが7月31日に公開した動画生成モデル「MiniMax H3」の2K画質の生成コストです。
テキスト・画像・動画・音声をひとつのモデルで扱い、最大15秒・2K画質の動画をネイティブ音声付きで一気に作れる点が注目を集めています。
動画制作やSNS運用にAIを取り入れている人にとっては、生成コストと日本語対応の両方が気になるところではないでしょうか。
この記事では、H3が具体的に何をどこまでできるのか、実際に使われている様子と合わせて調べました。

先に結論をまとめると:
– MiniMax H3は2K画質・最大15秒・ネイティブ音声付き動画をテキスト/画像/動画/音声から生成できる商用向けモデルで、2K動画の生成コストは主流モデルの3分の1以下です
– 日本語プロンプトへの対応が安定しており、MV制作やアニメーション制作など日本国内のクリエイターの活用例もX上で確認できます
– 複数の動きが絡む激しいアクション表現は課題が残るとされ、数日以内にモデルの重み(オープンウェイト)を公開する予定です

MiniMax H3、公開直後からXで動画作例が続々

MiniMaxは動画生成AIブランド「Hailuo AI」を展開する中国のAI企業です。
7月31日に発表されたH3は、これまで別々に扱われてきたテキスト・画像・動画・音声の生成を、ひとつのモデルに統合した点が特徴とされています。
商用利用を強く意識した設計で、広告・EC・プロダクト紹介・ゲーム制作などでの活用を想定しているようです。

公開から間もなく、Xでは実際にH3で生成した動画を投稿するクリエイターの姿が見られました。
海外のクリエイターが「completely original idea(完全にオリジナルのアイデア)」だと紹介しながら投稿した動画は、59いいね・5リツイートと、今回集めた投稿の中で最も反応を集めています。

いいねの数だけを見ると小さな盛り上がりに思えるかもしれませんが、公開から1日足らずでの反応としては早い部類です。
ただ、投稿の反応だけでは「実際どこまで使えるモデルなのか」は分かりません。
そこでMiniMaxの公式発表や海外メディアのレビューを確認しました。

調べて分かったこと

MiniMax H3は具体的に何ができるのか

MiniMax公式ブログおよび複数の海外メディアの報道によると、H3はテキスト・画像・動画・音声を組み合わせた入力から、最大2K画質・最大15秒の動画を音声付きで生成できます。
単なるテキストから動画への変換だけでなく、既存動画の編集や、ある動画の動きを別の動画に転写する「モーション転送」にも対応しているとされています。

海外のクリエイターは、1枚の画像とプロンプトだけで15秒の商品紹介動画を作った例をXで紹介していました。

15秒のコマーシャル動画を、1枚の画像とプロンプトだけで作成。
MiniMax H3(Hailuo AI提供)でいくつかテストを重ねている最中で、商品紹介動画にどこまで使えるか興味深い、とのことです。
オープンウェイトモデルとして公開されるのも嬉しいポイントだと述べています。

価格性能比はどれくらい優れているのか

海外メディアのレビュー記事によると、H3の生成コストは2K画質で1秒あたり0.14ドル、768p画質で1秒あたり0.10ドルとされています。
2K画質での1秒あたりのコストは、主流モデルの3分の1未満、768p画質でも主流モデルの720p画質の半分以下だと報じられています。
商用利用を意識した設計だという説明とも整合しており、大量に動画を生成する場面ほどこのコスト差は効いてくるはずです。

日本語対応や国内での活用は進んでいるのか

X上では、日本語で具体的な制作フローを紹介する投稿も見つかりました。
3DツールのBlenderで空間や動きの設計をしたうえで、動画編集ツールのRemotion(映像に文字やセリフなどを組み込むツール)でセリフやテキストを合成し、その「動画コンテ(絵コンテの動画版)」をH3に参照させて動画を作る、という流れです。

この投稿を参考に、Blender×Remotionで動画コンテを制作。
動画コンテをMiniMax H3に参照させると、カット割りやカメラワーク、セリフのタイミングまで忠実に再現できたとのことです。
動画コンテは無料で何度でも作り直せるため、実用性が高いと評価しています。

MVやアニメーション制作の下準備としてこうした「動画コンテ参照」の手法が広がっているとすれば、日本語プロンプトの理解力だけでなく、参照素材への忠実さもH3の評価ポイントになっているといえそうです。

苦手な部分とオープンソース化の行方は

一方で、海外メディアのレビューでは、複数の動きが同時に絡むような激しいアクション表現や、15秒という長さゆえの被写体の一貫性維持(手に持った小物の位置がずれる、服のシルエットが変わるなど)は依然として課題として挙げられています。
生成AIの動画モデル全般に共通する弱点ではありますが、H3も例外ではないようです。

もうひとつの注目点が、モデルの重み(オープンウェイト)の公開です。
MiniMax公式アカウントは、ロボティクス分野での活用に特に期待していると投稿しています。

MiniMax H3で特に期待している活用先のひとつがロボティクス分野だと述べています。
オープンウェイトであれば、身体を持つロボットなどが現実世界で動作するための研究(エンボディドAI)に取り組むコミュニティが、許可を得ることなくデータ基盤や世界モデル、制御方針を構築できるとし、研究者へのサポートも呼びかけています。

モデルの重みは「数日以内」に公開予定とされていますが、正式な公開日は本記事執筆時点では確認できていません。
動画生成モデルのオープンウェイト化は競合ではまだ珍しく、中国発のAI企業がこの領域でも先行しようとしている構図が見えてきます。

Shiritomo編集部の考察:コスト構造の変化に備える

SNS運用やコンテンツ制作の現場で見ておきたいのは、動画1本あたりの生成コストが下がるほど「量で試して選ぶ」運用が現実的になるという点です。
1秒0.14ドルという水準であれば、複数パターンを生成してA/Bで比較する、という使い方のハードルが下がります。
これまで動画制作は「1本作って公開」が基本でしたが、静止画のように複数バリエーションを量産して反応を見る運用がSNS広告やショート動画の領域で広がる可能性があります。
オープンウェイト化が実現すれば、自社サーバーでの運用や独自チューニングを検討する企業も出てくるでしょう。
価格だけでなく「誰でも改造できる」という点も、今後の動画生成AI市場の構図を変える要素として注視しておきたいところです。

まとめ

MiniMax H3は、テキスト・画像・動画・音声を統合的に扱いながら、価格性能比でも優位に立つ動画生成モデルとして登場しました。
日本語対応や国内クリエイターの活用例が増える一方、複雑なアクション表現には課題が残るとされ、数日以内とされるオープンソース化の行方も含めて、今後の動きに注目したいところです。

さらに深掘りしたい方へ

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MiniMax H3の仕様や価格の詳細は、MiniMax公式ブログのH3紹介ページで確認できます。
API経由での利用を検討している方は、OpenRouterのMiniMax H3価格ページも参考になります。