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世界初は「電池切れしないDAP」? Astell&Kernが後継機「PD5」を香港で披露

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年8月5日 更新
世界初は「電池切れしないDAP」? Astell&Kernが後継機「PD5」を香港で披露

28時間。
Astell&Kernが香港のオーディオショーに持ち込んだ新型プレーヤーの、連続再生時間です。

同社の人気モデル「A&norma SR35」の後継として登場した「PD5」は、音楽再生専用の携帯機器であるDAP(デジタルオーディオプレーヤー)です。
8基のDACを積みながら丸1日近く電池が持つという、これまでのハイエンド機にはなかった組み合わせを実現しました。
まだ価格も発売日も明かされていませんが、ポータブルオーディオファンの間ではすでに「次に狙う一台」として名前が挙がり始めています。

高音質と長時間再生の両立は、これまで難しいとされてきたテーマです。
今回はその仕組みと、日本のユーザーが今後どう向き合えばいいのかを調べてみました。

先に結論をまとめると:
DACを4基か8基か切り替えられる新機構で、「電池持ち」と「音質最優先」を1台で使い分けられる
– 前モデル「SR35」の後継機として登場し、バッテリーは最大28時間(Quad-DACモード時)
– 価格・発売日はまだ正式発表されていない(香港のショーでの披露段階)

香港のオーディオショーで一斉に取り上げられた新型プレーヤー

8月7日から香港で開かれる「Hong Kong AV Show 2026」を前に、Astell&KernはPD5の概要を公開しました。
Forbesやハイエンドオーディオ専門メディアのWhat Hi-Fi、TrustedReviewsなどが相次いで記事化し、海外の主要オーディオメディアが足並みを揃えて取り上げる展開になっています。

このプレーヤーの前身にあたる「SR35」は、コンパクトなボディと高音質で高い評価を受けたモデルでした。
その後継機となれば注目度が上がるのは当然ですが、今回話題になっている理由はそれだけではないようです。

8基のDACを積みながら28時間再生できる理由は?

PD5最大の特徴は、「Quad-DACモード」と「Octa-DACモード」を切り替えられる点です。
搭載されているのは、Cirrus Logic製のDACチップ(デジタル音声信号をアナログ音声に変換する半導体)「CS43198」を8基。
すべてを常時フル稼働させるのではなく、用途に応じて4基だけ使う「Quad-DACモード」と、8基すべてを使う「Octa-DACモード」を切り替えられる仕組みになっています。

Quad-DACモードでは最大28時間の連続再生が可能で、通勤や旅行など長時間の外出でも電池切れを気にしにくい設計です。
一方のOcta-DACモードは、8基すべてを稼働させることで音質を最優先にする設定で、自宅でじっくり聴きたいときなど、シーンに応じて使い分けられるようです。
充電もUSB PD3.0の急速充電に対応しており、約2.5時間でフル充電できるとされています。

再生対応フォーマットも幅広く、32bit/384kHzのPCM音源やDSD256(ネイティブ)まで、ビットパーフェクト(音源データを劣化させずそのまま再生する方式)で再生可能とのことです。
Bluetoothは5.3に対応し、aptX HD・LDAC・LHDCといった高音質コーデックも一通りサポートしています。

「EnviroTune」とは何なのか?

もうひとつの目玉が「EnviroTune」という新機能です。
周囲の環境音を解析し、再生設定を自動で調整する仕組みとされています。
電車内や街中など騒がしい場所でも、そのつど手動で音質を調整しなくて済むという発想は、外で使うことが多いDAPならではの工夫と言えそうです。
ただし具体的にどの項目をどう調整するのかまでは、現時点の報道では明らかになっていません。

本体はオクタコアプロセッサーとフルAndroid OSを搭載しており、ストリーミングアプリのインストールや、デュアルバンドWi-Fi経由でのアップデートにも対応します。
単体で音楽を持ち歩く「専用機」でありながら、スマホに近い操作性を狙った設計になっているようです。

価格と発売時期はどうなるのか?

ここまで仕様が明らかになっている一方で、価格と発売日は正式に発表されていません
前モデルのSR35が海外で799ドル程度で発売されていたと報じられていることを踏まえると、同水準か、機能が増えた分やや上振れした価格になる可能性がありますが、あくまで参考値であり確定情報ではありません。

Astell&Kernは今回の香港ショーのほか、8月14日から16日にかけて深セン国際オーディオショー、8月29日・30日にはアメリカのCanJam SoCal 2026にもPD5を出展する予定です。
複数の会場を回って反応を確かめながら、価格や発売時期を詰めていく段階にあるとみられます。

Shiritomo GADGET編集部の考察:「切り替えられる」設計思想の広がり

PD5で興味深いのは、DACの稼働数を切り替えるという発想そのものです。
ハイエンドオーディオ機器はこれまで性能を振り切る方向で差別化されがちでしたが、PD5は同じ1台の中に「長時間再生」と「音質最優先」という相反する二つのモードを共存させました。

これは、スマートフォンのカメラが高画質モードと省電力モードを使い分けるのと近い発想です。
ユーザーが自分の使い方に合わせてハードウェアの動作そのものを切り替えるという設計は、DAP以外のガジェットにも今後広がっていくかもしれません。

また、EnviroTuneのような環境音解析機能も見逃せない点です。
ノイズキャンセリングイヤホンが「周囲の音を消す」方向に進化してきたのに対し、PD5は周囲の状況に合わせて自分の再生を最適化するという逆方向のアプローチを取っています。
据え置き機ではなく持ち歩くことを前提にした機種だからこそ生まれた発想であり、今後のポータブルオーディオ機器の差別化ポイントになっていく可能性がありそうです。

価格や発売日が固まっていない今の段階では気の早い話ですが、日本での取り扱いが始まった際には、SR35からどれだけ実売価格が変わるのかが最初の注目点になるでしょう。

まとめ

PD5は、DACの切り替えという新しい仕組みで「音質」と「電池持ち」を両立させようとする意欲的な一台です。
価格や発売日はまだ先の話ですが、複数のオーディオショーを回りながら情報が更新されていく見込みなので、続報を待ちたいところです。

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