動画も配信も自粛のはずが、先に漏れていた――『The Duskbloods』ネットワークテスト前夜のリーク騒動
「撮影した動画や画像の投稿、配信はできますか?」。
公式FAQのこの問いに対する答えは、たった二行でした。
「開発中タイトルにつき、ネットワークテストにおいてはご遠慮いただいております」。
ところが、テスト開始を目前にした8月19日から20日にかけて、約2分のプレイ動画がSNS上で出回りました。
フロム・ソフトウェアの新作『The Duskbloods(ダスクブラッド)』は、Nintendo Switch 2向けに最大8人が入り乱れるPvPvE(プレイヤー同士とAI敵が同時に戦う対戦形式)マルチプレイアクションとして、8月21日から24日にかけて抽選参加者限定のクローズドテスト(発売前の限定プレイ体験会)を控えていました。
抽選に外れて指をくわえていたファンも多い中、当選者しか見られないはずの映像が先に世に出てしまった格好です。
配信ルールがどう破られたのか、そして流出した映像には何が写っていたのか。
Switch 2の新作を待つ人はもちろん、事前情報がどう漏れ、コミュニティがどう反応するかという構図そのものに関心がある人にも参考になる一件だと思い、調べてみました。
先に結論をまとめると:
– リークの発端は、プレイヤーによる隠し撮りではなく、台湾メディア「4Gamers」がレビュー解禁前にプレビュー記事を誤って公開してしまったこととされ、その映像が中国の動画サイト「Bilibili(哔哩哔哩)」に転載されて拡散したと海外メディアは報じています
– 流出映像には「グレイルバトル(英語表記ではMoon Blood Bestowal)」と呼ばれる、獲得ポイント上位3人が最後に激突する終盤の戦闘シーンが映っており、変身・召喚・空中コンボを交えた高速な戦闘が確認できたと伝えられています
– 公式FAQで明確に自粛を求めているのは動画・画像の投稿や配信で、プレイ感想を書いてよいかどうかはFAQに明記がなく、ファンの間でも解釈が分かれています
何が起きたのか
事の起点は、フロム・ソフトウェア公式アカウントによるテストデータ配信の告知でした。
『The Duskbloods』ネットワークテストのゲームデータの配信を開始いたしました。当選された方々は、特設サイトのマイページにてダウンロード番号を確認いただけますので、事前にゲームデータをダウンロードいただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。https://t.co/eDcOPuX8dl pic.twitter.com/Nn9mo4tN1D
— FROMSOFTWARE (@fromsoftware_pr) 2026年8月18日
当選者はこの投稿と同じ8月18日午後10時からゲームデータをダウンロードできる状態になっていました。
テスト開始(8月21日)を待つだけのはずが、その隙間の時間に約2分のプレイ映像がネット上に出回り始めます。
Xでは「ネタバレすんな」といった苛立ちの声が並ぶ一方、映像に映るスタイリッシュな戦闘を見て素直に期待を膨らませる投稿も見られ、抽選に落選した人たちも巻き込んでタイムラインは落ち着かない空気になりました。
ただ、単に「動画が流出した」というだけでは、なぜこの映像が抽選テスト前に世に出てしまったのか、そして中身が具体的にどんなものだったのかは分かりません。
海外メディアの報道を中心に、もう少し掘り下げてみました。
調べて分かったこと
誰が動画を流出させたのか?
Nintendo LifeやWccftechなど複数の海外メディアの報道によると、今回の流出は当選者による隠し撮り・NDA(秘密保持契約)違反というより、メディア側のミスが起点だったと見られています。
台湾のゲームメディア「4Gamers」が、本来は解禁時刻より後に公開する予定だったハンズオン(実プレイ)プレビュー記事を、誤って先に公開してしまったというのです。
該当記事はすぐに取り下げられたものの、その内容や映像はすでに保存され、中国の動画サイト「Bilibili」に転載された状態で拡散が始まったと伝えられています。
つまり、フロム・ソフトウェアがテスト当選者に求めていた「動画・配信の自粛」というルールの外側、報道解禁のスケジュール管理という別の場所でほころびが生じた可能性が高いというわけです。
この構図が事実なら、Xで飛び交っていた「リークした奴」への怒りの矛先は、実際には当選者個人というより、解禁時刻の管理ミスに向くべきだったことになります。
流出映像には何が映っていたのか?
GamesRadar+やWccftechなど複数の海外メディアが伝えた内容を総合すると、流出映像は「グレイルバトル」と呼ばれる、獲得ポイント上位3人が最後に激突する終盤の対戦シーンを映したものだったようです。
英語圏では「Moon Blood Bestowal」と表記されており、血だまりのある屋根の上のような舞台で、赤い月明かりの下、勝ち残ったプレイヤー同士が最後の点数を奪い合う場面だったと報じられています。
内容としては、二段ジャンプや空中での格闘、味方を呼び出す召喚、そして戦闘中に一時的な変身を行って必殺技を放つ様子が確認できたとのことです。
中には「恐竜のような姿に変身して相手を舞台外に叩き落とす」プレイヤーの映像もあったと伝えられており、フロム・ソフトウェア過去作の回避アクションやジャンプ主体の機動力を組み合わせたような、テンポの速い戦闘に仕上がっている様子がうかがえます。
いずれも海外メディアの報道にもとづく内容で、フロム・ソフトウェア自身がこの映像の中身を公式に認めたわけではない点には注意が必要です。
ファンの受け止め方はどうだったのか?
反応は一様ではありませんでした。
実際にテストへの参加が決まっているユーザーからは、ルールを守ろうとする姿勢の投稿も見られます。
ダスクブラッドのネットワークテストが近いけど、動画・画像・配信は禁止ですよ!👀
— 豚の遠吠え (@ACBUTA) 2026年8月18日
感想については「FAQ」に記載なかったけど、抽選でプレイしたくてもできない人が多い中、不特定多数にネタバレぶつけるのは恐ろしいことだと思いますよ、ボクは…😨 pic.twitter.com/mv3uvqsnDU
この投稿者は「感想については『FAQ』に記載なかった」と指摘したうえで、抽選に外れて悔しい思いをしている人が多い状況で不特定多数にネタバレをぶつけることの是非を問いかけていました。
実際に確認したFAQの回答も、明確に禁止されているのは動画・画像の投稿と配信であり、感想の可否については明言を避ける書き方になっています。
フロム・ソフトウェア公式のNintendo Switch 2キャプチャー機能に触れない旨の注記もあり、テストの体験そのものを画面としては残せない設計になっていることがうかがえます。
一方で、抽選に落選した側からは自虐まじりの軽口も飛び交っていました。
「当選組は感想禁止だけど、落選組はエアプで感想言えるんだよな」という趣旨の投稿も、いいねが1,000件を超える反響を呼んでいます。
怒りだけでなく、こうしたユーモアも入り混じっているのが、今回のタイムラインの実際の空気感だったようです。
略称論争にも表れた、期待の裏返し
怒りやモヤモヤと並行して、単純にゲームへの期待から生まれた盛り上がりもありました。
目立ったのが「略称」をめぐるやり取りです。
ダークソウルが「ダクソ」、ブラッドボーンが「ブラボ」と呼ばれてきたように、ダスクブラッドにも略称をつけようという投稿が拡散し、返信には「DSKB」という案に「(ドスケベ)と読める」と盛り上がる声が集まりました。
実際に添付されていた画像には「THE DSKB」という文字だけがロゴ風にあしらわれており、公式の略称ではなく、ファンが自発的に生み出した言葉遊びであることがうかがえます。
リーク動画への怒りと、こうした軽口が同じタイムライン上に同居している状況は、それだけ多くの人がこのゲームの動向を気にかけている裏返しとも言えそうです。
Shiritomo GAME編集部の考察
今回の一件で興味深いのは、「情報管理の失敗」がプレイヤー側ではなくメディア側で起きた可能性が高いという点です。
ゲーム業界では、抽選テストの参加者に対するNDA・配信規約の徹底は比較的よく語られますが、レビュー解禁(エンバーゴ)の時刻管理という、メディア・パブリッシャー間の運用ミスが火種になるケースはこれまでも度々起きています。
今回もその構図に近いとみられます。
プレイヤーコミュニティの側から見ると、ルールを破ったのが「身内」なのか「外部」なのかで感情の向き方は大きく変わります。
もし本当にメディア起点の流出だったのだとすれば、Xで飛び交った「リークした奴」への怒りは、宛先を持たないまま拡散してしまった可能性があります。
SNS上の「犯人探し」は、事実確認より先に感情が広がりやすいという典型例として見ておく価値がありそうです。
まとめ
『The Duskbloods』のネットワークテストは、開始前から動画流出という思わぬ形で注目を集めることになりました。
流出の発端はプレイヤーではなく報道解禁時刻の管理ミスだった可能性が高いとみられ、怒りと期待が入り混じったタイムラインの様子は、それだけこの新作への関心の高さを物語っているとも言えそうです。
テスト本番でどんな評価が集まるのか、続報を追っていきたいところです。
さらに深掘りしたい方へ
今回参照した海外メディアの報道もあわせて紹介します。
- The Duskbloods Gameplay Has Leaked Ahead Of Network Test(Nintendo Life)
- The Duskbloods gameplay footage leaks ahead of network test(GamesRadar+)
- FromSoftware’s The Duskbloods Leaks After Taiwanese Outlet 4Gamers Accidentally Publishes Hands-On Preview Ahead of Schedule(Wccftech)
- The Duskbloods ネットワークテスト特設サイト

