397Bだけ、Opus 4.8に4勝——無料公開された「Ornith-1.5」の中身
9B、35B、397Bという3つのサイズで公開された無料のAIモデルが、8月19日、Xで一気に話題になりました。
開発元のOrnithは投稿で「Claude Opus 4.8に匹敵する性能」と説明しています。
しかも397B版は、ベンチマークの一部でOpus 4.8を上回るという報告まで出ています。
ChatGPTやClaudeを日常的に使っている方にとっても、無料で商用利用できる高性能モデルの登場は、AIの使い分けを考えるうえで無関係ではありません。
先に結論をまとめると:
– Ornith社が8月19日、9B・35B・397Bの3サイズからなる「Ornith-1.5」をMITライセンスで公開しました
– 397B版はTerminal-Bench 2.1で86.1点を記録し、Claude Opus 4.8の85.0点を上回りました
– AIが自分でタスクを作りながら学習を続ける「自己改善型」の仕組みが特徴です
Xで広がった「Opus 4.8に4勝」という報告
発端はOrnithの公式アカウントによる投稿でした。
「自己改善戦略で訓練した、9B Dense・35B MoE・397B MoEからなるオープンソースLLMファミリー」と紹介し、「同規模のオープンソースモデルの中で最高水準の性能を達成し、Claude Opus 4.8に匹敵する性能を発揮する」と説明しています。
Aloha! 🌺Introducing Ornith-1.5, a family of open-source LLMs spanning 9B Dense, 35B MoE, and 397B MoE, trained with self-improving strategies.
— Ornith (@ornith_) 2026年8月19日
It achieves state-of-the-art performance among open-source models of comparable size and delivers performance comparable to Claude Opus… pic.twitter.com/IzR6eBNpZ8
この投稿を受けて、AI系アカウントのrohanpaul_ai氏はさらに踏み込んだ数字を挙げました。
「397Bの重みだけで、Claude Opus 4.8に4つの指標で勝っている」として、Terminal-Bench 2.1(86.1点対85点)、SWE-bench Verified(86点対85.8点)、WideSearch(80.8点対72.9点)を挙げています。
ただ、この投稿だけでは「なぜ小規模な開発元がここまでの性能を出せたのか」までは分かりません。
そこで公式ブログを確認してみました。
なぜ397Bモデルが商用AIに匹敵する性能を出せたのか?
Ornithの公式ブログによると、Ornith-1.5は「タスクそのものを自分で考え、タスクごとの足場(スキャフォールド:AIが学習しやすいように用意する手順のひな型)を生成し、強化学習に使う解答例まで自分で作り出す」という学習方式を採用しています。
人間が用意した問題集で学習するのではなく、AI自身が新しい練習問題を作り続けながら成長していく仕組みです。
35B版(MoE:複数の専門家モデルを切り替えて使う仕組みで、実際にトークンあたり使うパラメータは3Bのみ)は同規模のQwen 3.6-35Bを上回り、パラメータ数で優るGemma 4-31Bやメタの新モデルも上回ったと報告されています。
9B版はGemma 4-31BやQwen 3.6-35Bを上回る性能を示しており、量子化した「Mobile」版はiPhone・Androidでの動作が可能とのことです。
手元のパソコンでも動くのか?
日本語でいち早く反応したアカウント、old_pgmrs_willさんは、量子化フォーマットの充実ぶりと動作環境について具体的に触れています。
Ornith-1.5 リリース☺️
— いにしえ@AI Director / Creator / Engineer|Will Oldgram (@old_pgmrs_will) 2026年8月19日
新しい学習タスクを作りながら継続的に自己改善していく仕組みを強化、各種スコア的に Opus 4.8 に匹敵する性能を出しているっぽい
GGUF、MLX、NVFP4、FP8 と揃ってて、4-bit 量子化モデルでも 21GB くらい
AMD Strix Halo や macOS でも動きそう👍 https://t.co/xSawp6oPjM
GGUF・MLX・NVFP4・FP8と主要な量子化フォーマットが最初から揃っている点は、手元で動かしたいユーザーにとって嬉しいポイントです。
4-bit量子化なら35Bモデルは約21.7GBに収まり、一般的なパソコン向け環境でも動作しそうだと指摘されています。
MITライセンスなので、商用利用や改変も制限されていません。
Shiritomo編集部の考察:無料モデルの性能競争が、有料AIの選び方を変える
ここまで無料モデルが商用トップクラスに近づくと、企業のSNS運用やコンテンツ制作でAIを使う側の判断基準も変わってきます。
これまでは「性能を取るか、コストを取るか」の二択でしたが、Ornith-1.5のように無料かつ手元で動かせるモデルが増えると、用途によって使い分ける発想が現実的になります。
社外に出せない下書きや大量処理はローカルの無料モデルに任せ、最終チェックや対外発信だけ有料の商用AIに回す、といった使い分けです。
「どのAIを使うか」だけでなく「どのタスクをどのAIに振るか」が、AI活用の巧拙を分けるポイントになりそうです。
まとめ
Ornith-1.5は、AIが自分で課題を作りながら学習を続ける「自己改善型」の仕組みで、無料ながらClaude Opus 4.8に迫る——一部指標では上回る——性能を実現しました。
オープンソースモデルの進化は、有料AIサービスの立ち位置にも影響を与えそうです。
