「AIに聞けば否定されない」——10代女性の半数がAI相談派になった理由を調べてみた
フジテレビ「Mr.サンデー」で流れた特集を見ていて、思わず手が止まりました。
友達とのトラブルや恋愛の悩みを、スマホのAIチャットに打ち明ける10代の姿が映っていたのです。
「AIに話したら、否定されないから」と語る高校生の言葉が、なぜかリアルに刺さりました。
「それで大丈夫なの?」という不安と、「むしろ合理的かも」という奇妙な納得感が同時に押し寄せてきた。
気になって調べてみると、思った以上に広がりを見せている実態が浮かんできました。
内閣府の調査が示した「半数超え」という現実
内閣府消費者委員会が実施した調査によれば、10代女性の52.4%が「AIに悩みを相談した経験がある」と回答しています。
半数を超えているという数字は、正直かなり重く感じます。
こども家庭庁のデータでも、高校生の46.2%がAIを相談目的で使っていることが確認されました。
電通が2025年に行った調査では、対話型AIを週1回以上使っている10代のうち41%が「相談に乗ってほしい」という目的でAIを活用しているといいます。
複数の調査が同じ方向を指している点で、これはもはやごく一部のトレンドではないといえそうです。

NHKも「生成AIを悩み相談の相手とする利用が広がっている一方、誤った情報や過剰な肯定のリスクもある」と注意喚起を行っています。
生成AIを悩み相談の相手とする利用が広がっています
— NHK生活・防災 (@nhk_seikatsu) 2026年5月8日
ただ、誤った情報を回答したり、利用者を過剰に肯定するなどのリスクもあります
利用方法と注意点をまとめましたhttps://t.co/2zWgAR1L1R
Xで割れた「それ、わかる」と「それ、危ない」
この話題に対するXの反応は大きく二つに分かれています。
支持派の声を見ていくと、「AIは説教しない」「否定されない安心感がある」という点への共感が多く見られます。
あるアカウントは、10代がAIとの会話を人間関係より好む傾向が出ていることについて、「大人から見れば危険信号だが、子どもの側には合理性がある。
問題はAI側ではなく、人間関係のほうが子どもに報酬を与えられなくなっている環境にある」と指摘しています。
調査によると10代の一部がAIとの会話を人間関係より好む傾向が出ている。AIは無限に忍耐強く常に肯定的で裏切らない。大人から見れば危険信号だが子供側には合理性がある。問題はAI側ではなく、人間関係のほうが子供にとって報酬が少なくなっている環境にある。摩擦のある関係から逃げること自体を責め…
— あきらパパ【生成AI活用エンジニア&3児のパパ】 (@akira_papa_IT) 2026年4月12日
この視点は、AIを責めるより「なぜ人間に相談しづらくなっているのか」を問うべきだという問いかけでもあります。
一方で批判派は「全肯定ばかりで反省を促さない」という懸念を示します。
いつも正しいと言ってもらえる環境が、対人関係での摩擦に耐えられない精神を育ててしまわないか——という心理的な不安です。
「寄り添う」と「依存させる」の境界線はどこか
専門家の多くは「AIに相談すること自体は悪くない」としつつも、「最終的な判断は自分で行うことが大切」という点を一貫して強調しています。
友人とのトラブルをAIに相談してアドバイスをもらうことは有用です。
ただし、そのアドバイスをそのまま実行して自分の頭で考えるプロセスを省いてしまうと、問題が複雑になりかねません。
さらに気になるのが「確証バイアスの強化」です。
AIが常に肯定的な応答を返すことで、「自分は正しい」という思い込みが強まりやすい。
心理的に孤立している状況にある10代ほど、このリスクは高まるといわれています。
「こころ総研」が2026年2月に発表した調査では、AIが「こころの支え」として定着するフェーズに入りつつある一方で、依存への不安も強まっているという二面性が浮かび上がりました。
支えになる価値と、依存リスクが同時進行している——それが現状です。
さらに深掘りしたい方へ
- 内閣府消費者委員会 AI技術の利用と消費者問題に関する専門調査会
- 「対話型AIに相談乗ってほしい」10代の4割 電通調べ(日本経済新聞)
- 相談相手は「AIコンパニオン」、アプリに若者課金 依存リスクも(日本経済新聞)
まとめ
10代女性の半数以上がAIに悩みを相談している——この現実は、AIがすでに感情的なサポートの役割を担い始めていることを示しています。
道具として有用に使うのか、それとも依存してしまうのか。
その分かれ目は、使い方への理解と、AIに話しかける前に「誰かに相談できる環境があるか」という問いにあるのかもしれません。
