AIビジネス 読了 4 分

「崩壊は来る」——レイ・ダリオ氏がBloombergで語ったAIバブルの実態

shiritomo | AI・SNS・話題のテック情報メディア by Hashout編集部 @shiritomoAI_jp 2026年6月4日 更新
「崩壊は来る」——レイ・ダリオ氏がBloombergで語ったAIバブルの実態

「すべての偉大な技術変革はバブルを生む。
AIも例外ではない」——そんな発言がXに流れてきて、思わず読み直してしまいました。

2026年6月3日、ヘッジファンド「ブリッジウォーター・アソシエーツ」の創業者レイ・ダリオ氏が、Bloomberg Televisionのインタビューに応じました。
AIに熱狂する市場に対して「ドットコムバブルに似ている」と警鐘を鳴らした内容で、金融・テック業界の間で大きな反響を呼んでいます。

ダリオ氏はBloombergで「The pricking is coming(崩壊は来る)」とはっきり述べました。

Xで広がった反応

発言の前後から、日本語圏でもAIバブルを巡る議論が活発に続いています。

SBIホールディングスがトヨタの時価総額を超えたことを例に「投資ファンドがトヨタを超えるのはAIバブルの末期症状かもしれません」と指摘した投稿は、7000件を超えるいいねを集めました。

また、ITバブルとAIバブルの「決定的な違い」を論じた別の投稿も反響を呼んでいます。
「ITバブルは膨らむ過程で新しい仕事がたくさん生まれた。
AIバブルは膨らむ過程で逆に仕事が奪われていく」という指摘は、2000件を超えるいいねが付きました。

「バブル崩壊前夜」という見方は、株式市場の専門家の間でも共有されつつあるようです。

ダリオ氏が示した崩壊のメカニズム

ダリオ氏の主張の核心は「技術が失敗するのではなく、流動性リスクが崩壊を引き起こす」という点です。

つまり、AIそのものが使えないとか、ビジネスが機能しないということではありません。
投資家が現金化を急ぎはじめたとき——「富を現金に換える時がはじける時」——それが崩壊のトリガーになると見ています。

ダリオ氏は「技術は生き残るが、企業は生き残らない」と述べました。
ドットコムバブルの崩壊後にインターネットは残ったように、AIも残る。
しかし今の熱狂の中にいる企業の多くは淘汰される、というのが彼の見立てです。

過剰投資の数字を見ると

気になって数字を調べてみました。

Bridgewaterが試算したデータによれば、Alphabet(Google)・Amazon・Meta・Microsoftの4社が2026年にAIインフラへ投じる投資額の合計は約6500億ドル(日本円で約100兆円)。
これは2025年の約4100億ドルから急増した水準です。

ダリオ氏は、この規模の設備投資に対して収益化が追いついていない点を問題視しています。
BridgewaterのバブルスコアはすでにITバブル崩壊前の2000年や、大恐慌前の1929年と同程度の水準(約80%)に近づいているとも試算しています。

「インターネットは世の中を変えたが、ITバブルは崩壊した」——同じ構図がAIで繰り返されるかもしれない、という警告です。

反論も根強い

一方で、「今回は違う」という意見も少なくありません。

実際にAnthropicが2026年Q2に調整後黒字を達成しつつあるなど、AI企業の収益化が現実に進みはじめている事例もあります。
「バブルに見えるが、実体を伴いつつある」という反論派は、ドットコムバブルとの比較は単純すぎると指摘しています。

「AIバブルに関して『AI事業は収益が出ない』という説は、ここ数ヶ月のAnthropicの躍進でほぼ崩れた」という声もX上では広がっています。

投資家の間でも見方は割れており、「崩壊前夜」と「健全な成長過程」のどちらを信じるかは、現時点では誰にも断言できない状況です。

さらに深掘りしたい方へ

まとめ

「技術は生き残るが、企業は生き残らない」——ダリオ氏の言葉は、AIへの熱狂が本物だとしても、その熱狂の中で生き残る企業と消えていく企業が分かれることを示唆しています。
バブルかどうかよりも、どのAI企業・製品が「インターネットのように残る側」なのかを見極めることが、今問われているのかもしれません。