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回収開始から10カ月、なぜ「また」燃えたのか——Anker「Soundcore 3」回収率43.7%の現実

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年8月17日 更新
回収開始から10カ月、なぜ「また」燃えたのか——Anker「Soundcore 3」回収率43.7%の現実

沖縄県内の駐車場に停めた車の中。
持ち主はBluetoothスピーカーを車内に置いたまま、その場を離れていました。
戻ってみると、製品とその周辺が焼け焦げていた——消費者庁が8月14日に公表したのは、そんな重大製品事故です。
焼けたのはAnkerの人気スピーカー「Soundcore 3」(型番A3117)。
実はこの製品、2025年10月21日からすでに自主回収の対象になっています。
自宅や車の中に置きっぱなしにしている人がいるなら、今回の一件は他人事ではありません。

先に結論をまとめると:
– Anker「Soundcore 3」(型番A3117)は2025年10月21日から自主回収中。
対象は2022年12月16日〜2025年10月21日に販売された約9万1933台
– 2026年6月15日、沖縄県内の駐車場で車内に置いていた同製品が発火し、周辺を焼損。
駐車中に起きた事故で、原因は調査中(充電中だったかは公表資料に記載なし)
– 2026年8月13日時点の回収率は43.7%にとどまり、消費者庁は未回収の人に使用中止とシリアル番号での確認を呼びかけている

沖縄の駐車場で何が起きたのか

消費者庁が公表した内容によると、事故が起きたのは2026年6月15日。
沖縄県内の駐車場で、Soundcore 3を車両内に置いていたところ、製品本体と周辺を焼損する火災が発生したといいます。
原因は現時点で調査中とされ、詳しい経緯は明らかにされていません。

この一件をITmedia NEWSが報じたところ、Xでも大きな反応が広がりました。

投稿は8月17日時点で1,296件のいいね、1,493件のリツイートを集めていて、「またか」という驚きと「自分の製品は対象なのか」という不安の両方が伝わってきます。
ただ、この数字だけでは「なぜ回収から10か月近く経ってもこんなことが起きるのか」までは分かりません。
そこでリコールの経緯と現在の対応状況を、公式発表をもとに確かめてみました。

調べて分かったこと

なぜ「また」なのか——過去5件の火災との関係

Soundcore 3のリコールは、2025年10月21日にアンカー・ジャパンが発表したものです。
電池セルの製造を委託しているサプライヤーの工程で、特定の時期に組み立てられたセルに細かな異物が混入した可能性があり、使用中に内部短絡(ショート)が起きて発火するおそれがある、というのが当時の説明でした。

この対応が始まって以降も、リコール対象と関係するとみられる火災は2025年度に3件、2026年度に2件の、合わせて5件報告されています。
今回の沖縄の事故はこれに続く6件目にあたりますが、消費者庁もアンカー・ジャパンも、今回の火災が同じ異物混入によるものと断定はしていません。
あくまで「原因調査中」という位置づけです。
駐車中に置いていた状態で起きたという点が特徴ですが、充電中だったかどうかは公表資料に記載がなく、これまでの事故との違いと断定はできません。

対象製品かどうかはどう見分ければいいのか

対象となっているのは、2022年12月16日から2025年10月21日までに販売されたSoundcore 3で、型番はA3117011・A3117031・A3117091・A31170A1の4種類です。
製品本体に記載された「SN:」から始まるシリアルナンバーを、アンカー・ジャパンのオンライン受付フォームに入力すると、回収対象かどうかを確認できます。

対象だった場合は、電話窓口(0120-775-171、9時〜17時・土日祝含む)か、24時間受付のオンラインフォームから交換の手続きができます。
消費者庁は、対象製品を持っていてまだ交換していない人に対し、「直ちに使用を中止し、アンカー・ジャパンの窓口に連絡するように」呼びかけています。

回収率43.7%はどう見ればいいのか

リコール開始から2026年8月13日時点で、回収率は43.7%です。
対象約9万1933台のうち半数以上が、まだ交換されずに使われ続けている、あるいはどこかにしまい込まれている計算になります。

Soundcore 3自体は2020年12月10日に発売され、当時の希望小売価格は5,990円という、手頃な価格で長く売れ続けてきたロングセラーモデルです。
販売から時間が経っている分、フリマアプリでの譲渡や譲り受けで持ち主が変わっているケースも少なくないでしょう。
購入時のレシートや登録情報が手元にない持ち主ほど、リコールの案内が届きにくいという構造は、今回の回収率の低さにもつながっていそうです。

Shiritomo GADGET編集部の考察:ロングセラー製品ほど「型番が同じ」に安心できない

Soundcore 3のように何年も売れ続けるロングセラー製品は、実は回収対応が難しくなりやすいという性質を持っています。
同じ「Soundcore 3」「型番A3117」という名前でも、対象になるのは2022年12月16日から2025年10月21日に販売された製造ロットだけで、それ以前・以後の在庫は対象外です。
つまり「同じ製品名だから大丈夫」「型番が同じだから危ない」のどちらも早合点で、シリアルナンバーまで確認しないと判断できません。

こうした構造は、価格を抑えて長く展開するガジェットブランド全般に共通する課題ではないでしょうか。
発売から5年以上が経った製品を今も使っている人ほど、リコール情報そのものに気づきにくい状況にあります。
中古で購入した製品や、家族から譲り受けた製品を使っている場合は特に、一度シリアルナンバーを確認しておく価値がありそうです。

まとめ

Anker「Soundcore 3」は現在も自主回収の対象で、回収率は43.7%にとどまっています。
2026年6月には駐車中の車内でも発火事故が起きており(充電中だったかは公表資料に記載なし)、原因はまだ調査中です。
対象製品を持っている人は、シリアルナンバーを確認し、該当する場合は速やかに使用を中止して交換手続きを進めることをおすすめします。

この記事で取り上げた製品

Anker Soundcore 3 A3117

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